一行怪談 4
失ったものばかり数えるな、向こう側はいつだって手ぐすね引いて君を引き摺り込もうとしている。
- 葡萄をつけたら葡萄酒、ヘビをつけたらハブ酒、ではこの『人』と紙が貼られた酒は?
- 年に一度の金色神楽、やれなかった年がどうなるか知ってるか?
- バナナワニが最近食欲がねえ…、ところでディーラーの数が足りねえように見えるが。
- たまに影がないのに日光が当たっても消滅しないやつがいる。
- ポーラータンク号久々の浮上予定日は、窓に張り付くでかい女のせいで延期になった。
- 新月の夜に点呼を取ってはいけない、増えたり減ったりするのはともかく数が合う時は誰かが何かに成り代わられている。
- インペルダウンには決して使われないのに掃除が欠かせない檻がある。
- ある1日だけ、ママがお菓子を一つ残す。
- 終電もとっくに過ぎたのに、走り抜ける海列車と跳ね飛ばされる人影が見える日がある。
- 司法の塔の旗はあるときから何度立ててもすぐに無くなってしまうらしい。
- フライパンの上に割り開けた卵からどろりと目玉が落ちてきた。
- ヒューマンショップのチラシに書かれた自分の本名と時価の文字。
- ワノ国では揚げ物料理が途絶えて久しい。
- たまに居もしない芸妓のことを褒めちぎる旦那がいる。
- いつも通りメモメモの実で引き抜いた記憶の中に、私のお葬式に参列する家族の姿があった。
- 自分以外の透明なナニカに、たまに廊下でぶつかる。
- 2月3日3時19分の電伝虫への着信は無視してください。
- サカズキさんにうっかり曲がり角でぶつかった新兵は一瞬青紫の閃光を放って蒸発した。
- 拾った買い物メモに殴り書きされた『海賊の生爪 たくさん』の文字。
- 鷹の目の腕のせいだろうが、袈裟斬りにしてもしばらく動き回る死体がいる。
- その海域で、掲げる海賊旗の髑髏の眉間を撃ち抜かれるとクルーの誰かが死ぬ。
- 夢の中で歌声が近付いてくる。
- 水底から喚び声がしたら返事をしてはいけない。
- ドッグタグを交換してはいけない、運命も肩代わりすることになるから。
- ひと繋ぎの財宝は実在する。