一発ネタ

一発ネタ


「はーい!シャーレや連合軍のみなさーん、こんにちは。浦和ハナコです♡」

「空崎ヒナよ」

「本当はホシノさんも……と思いましたが、私たちだけでやって欲しいと言われましたので、私たちだけで。この映像を送る理由はこちらにあります。こちら……シャーレの先生でーす☆」

“み、みんな久しぶり……”

「先生。私よりも表情が固いわ。もっと柔らかく、ね?」

“ごめん……”


なんだか変な感じがする。というか嫌な予感がする。先生の表情がおかしい。カメラに向ける表情はとてつもなく申し訳なさそうな顔をしているのに、口の端が上がっていたり、目がとろんと蕩けていたりと、なんだか変だ。最悪の予感がする。


「それでは、先生。教えた通りに……♡」

“これ、本当にやらなきゃだめかな?これって薄い本の……”

「大丈夫。それとも先生は私たちのお願い、聞いてくれないの?」

「私はサイダーを、ヒナさんは塩弾を、たーっぷりあげますから。ね?」


終わった、とこの時点で映像を切った人が三割。まだ諦めるな、と視聴を続ける人が六割、エッチすぎる……!と思いながら視聴を続ける人が一割。自体は、極彩色の異常事態に突入していた。頭の中では天国と地獄が流れている。


“え、えっと……みんな、ごめんなさい。私はアビドスのみんながくれる砂糖と塩がないと、生きていけなくなっちゃいました……私は、先生失格のダメな大人です……”


───────拙いダブルピース。後悔と絶望、そして懺悔の感情を見事に声色と表情に表しながらも、顔の節々は蕩け、声も甘く堕ち切ったものになっている。ハナコはまるで魔女を、ヒナは悪魔を想起させる妖艶かつ邪悪な笑みで先生を取り囲んでいることからおそらく故意である。許せない。許されない。

怒りのあまり映像を流す端末ごと壊す生徒が三割、泣き崩れる、もしくは放心する生徒が四割、そしてエッチが過ぎるので閲覧を続ける生徒が二割、最後に「エッチなことは駄目!!死刑!!!」が一割である。


「はい、先生。あーん♡……まだ暫くみたい生徒の皆さんは、チャンネルはこのままで♡」

「ハナコだけじゃダメ。そのまま私の方もちゃんと見て、先生。しっかりと心臓に当ててあげる」

“そ、そういうことだから……えっと、本当に、ごめ────────”


〜〜この放送は絹糸のように優しく滑らかな優しさを持ちなおかつ透き通るような叡智と美しさを持つ病弱美少女天才ハッカーによってBANされました〜〜

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