ワンクッション

ワンクッション




(※産卵(?)です)

(支部にもちょっとだけ修正したものを投稿しました)


黒色の呪符による退魔の力が弾け、大怪異・鵺は致命傷を負った。

その身体が倒れる寸前、鵺は最期の足掻きとばかりに死の呪いを吐き付ける。残った生命力を全て込めたそれは目に見えるほどの邪気を孕んで土御門に襲い掛かった。


「くっ、小癪な…!」


即座に何らかの術を行使したのか、土御門を包んだ邪気は雲散するように掻き消えた。

鵺は既に息絶えており、それを確認した陰陽師達が事態の隠蔽に動き始める。


「当主様、お怪我は…!」

「…大事無い。此れにて怪異の討伐は成った。私は休む故、お前達は己れの役割を果たすがよい」

「はっ。承知致しました」






自室へと辿り着き、戸を閉め、遮音の結界を張る…と同時に、土御門泰広はその場に頽れた。


「ふっ…、ふぅうッ……」


身体を丸め縮こまり、荒い息を吐きながら腹を押さえる。

狩衣越しでは判然としないがその腹は明らかに膨らんでおり、手の平で押すと腹の中で何かがごろごろと擦れ合う感触があった。

鵺が最期に仕掛けた攻撃──死を招く呪いの息をまともに浴びた土御門は、咄嗟に呪詛返しで対処を試みた。

呪詛返し自体は成功し、呪いが身体に染み込む前に分離することが出来た。

しかし、呪い返す先が既に死亡していた為に行き場を失った呪詛は無害化には至らず分離されたまま体内に留まっており、応急的な処置として魔力の防壁で包み物理的に封じ込めるしかなかった。

つまり、文字通りの"呪いの卵"が土御門の胎内で眠っている状況である。非常に不本意極まりないが迅速に排泄(最早産卵と言っても差し支えないが)し祓い清めねばならない。

このまま下手に長引けば魔力の殻が破れ腹の中で孵化、そして呪いによって死亡という最悪な結果を迎えるだろう。


重い腹に苦戦しながらも邪魔になりそうな衣服は脱ぎ、霊薬の調合に用いる桶(気は進まないが外から持ってくる気力はもう無かった)を設置しその上に跨った。

傍から見た自分の姿が如何に滑稽かを想像すると死にそうになるが、不幸中の幸いと言うべきか、この有様を一番見られたくない相手であるキャスターは隆俊と共に霊地の確認と調整に赴いている。彼奴が帰ってくる前に早々に片付けねば、と己に言い聞かせ、腹に力を込め始める。


「ふ、ふぅ゛ッ…!ンぐぅうッ…!」


病的に白い肌が真っ赤になるほどに息むと、腹の中の卵が少しずつ動いていくのを感じる。

鶏卵よりも遥かに大きい異物が腸壁を擦り、前立腺を押し潰しながら出口を目指す。

だが、息めば息むほど卵が前立腺に食い込んで快感が込み上げ、あともう少しというところで力が抜けてしまう。


「ッ、ン゛、あぐっ♡ふーっ…♡ふ、っぁ゛…♡」


こんなにも屈辱的な状況だというのに、本来なら苦しいだけの筈なのに。開発されきった身体はキャスターとの行為を思い出してしまう。

蠕動に合わせて腸壁を擦りながら出ていく卵

形を教え込むようにゆっくりと引き抜かれていく肉棒

重なる部分があると一度考えてしまえばもう止まらない。

あまりにもあんまりな状況に加えてそれに伴う連想と興奮に煮え立った頭は、欲に任せて快感を求めることに終始し始めた。

現状においてこの開き直りはむしろ好都合であったようで、停滞していた卵が食い締めるように蠢く腸壁に合わせて転がっていく。


「ふーっ♡ふぅ゛っ♡出るっ、出るぅっ…!♡♡」


一層腹に力を込めると、みちみちと限界まで広がった菊座から卵が顔を出し始めた。

その時。


「帰ったぞ、土御門。全く、霊地の調整など僕に任せる必要があるのか?」


一番見られたくない男が、帰ってきた。



「なッ…!?まてっ、見るなぁっ!ッあ゛、う゛ぎゅっ♡♡」

「…は?」


むりゅ、ぶぽっ、と空気を含んだ排泄音とともに桶の中に落ちて転がった卵がごとんっ、と重い音を立てる。その卵の内からは呪詛の力が感じられ、只事では無いことを示していた。

土御門泰広が謎の卵を産み落としているという何とも奇怪な状況だが、キャスターの聡明な頭脳と千里眼の如き推測力は現状を正確に把握した。


「…なるほど、随分と愉快なことになっているじゃないか」


何をどう言い訳すべきかと目を泳がせる土御門に構わず、巨大な質量を産み落とした喪失を寂しがるようにくぱくぱと開閉する菊座に指を這わせる。そこは甘えるように吸い付き、軽く押し込むだけで容易に指先を飲み込んだ。


「ひっ…!?♡」

「さて、あと幾つ残っている?…はあ、この様子ならあと一つか。放置すれば却って面倒なことになりそうだ。仕方がない、僕も手伝ってやろう」

「貴様の助けなどっ…!…っあ!?♡♡あ♡ぁっ…♡」


鋭い目つきで睨みつけられるも、すっかり雌しこりと化した前立腺を指先でくるくると撫でてやればそれだけで甘い声を漏らして軟化する。

そんな土御門の姿に唆られるものがありつつも、キャスターの心中は穏やかではなかった。


「…しかし、不用心極まりないぞ土御門。僕以外のモノを胎に受け入れるとはな。クソ、記録が乱れそうだ。何故だ?これが独占欲と云うものか?」

「っ、知ったことか、私とて好きで入れた訳では無いわ…!」

「ああ、そうだろうとも。おまえが好き好んで入れるのは僕のだけだったな。そら、気張れよ土御門。全て出し切ったら"お望みのモノ"を入れてやる」

「っ…♡♡」


全てバレている。卵を産む刺激にキャスターとの行為を重ねていたことも、こんな状況だというのに胎を満たす熱を欲していたことも。

キャスターの指に吸い付く雌穴が喜びを隠さずきゅう…♡と一層絡みつく。「犬の尾よりも分かりやすいな」と揶揄され、カッと顔に熱が集まる感覚がした。

一頻り雌穴を掻き混ぜた指が抜き去られると続けざまに腹を撫で摩られる。腹の奥にぞわぞわとした快感が溜まっていき、すっかり開発された身体は容易にナカをひくつかせて番の雄の侵入を待ちわびてしまう。


「僕の手を意識しながら息め、いいな?」


そう言って土御門の下腹部に手を置くと、一定の間隔でやや力を込めて押しては弱め、押しては弱めと繰り返して息む間を調整する。

その甲斐あってか卵は順調に転がり、独り息んでいるよりも早くその時は訪れた。


「ふぐう゛ぅ゛っ♡んぃ゛い……ッ♡、んふ、ぅ゛♡」

「そうだ、そのまま。…ああ、卵が顔を出してきたな。菊座のシワが伸びきるほど広がって……中々悪くない光景だ。記録に書き留めておくとしよう」

「い゛っ♡♡言うなぁ゛っ…!♡」

「こんな状況で興奮しておきながら、おまえこそよく云ったものだな。変態め。…だが、嫌いじゃないぞ。土御門」


己の油断のせいで排泄の真似事を強いられ、あろうことかキャスターに目撃され、変態と謗られ、それでも尚「嫌いじゃない」と甘やかされ。

異様な状況に茹り続けてきた頭がとうとう限界を迎えた。


「くひィぃッ……!♡」


ぶぽっ、ごろん

裏返った嬌声と共に菊座を捲り上げながら排出された卵がキャスターの手のひらに受け止められる。ようやく、地獄のような時間が終わりを告げた。


「終わったぞ、土御門。お望み通り……土御門?」







「そうして、鼻血を垂れながら目を回したおまえを介抱する羽目になった」

「……手間をかけさせたな…」

「全くだ。面倒事は程々にしてもらいたいものだな」


ぞんざいに吐き捨てるキャスターだが、その割にはどこか機嫌が良さそうにも見えた。


「まあ、今は休んでおくといい。後々もっと大変なことになるからな」

「は……?」

「まさか、あんな卵もどきでは満足していないだろう?楽しみにしておけ、土御門」




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