レインちゃんのまいにち
「んっん〜〜♪」
鏡の前で一人の少女がピンク色の髪を整えている
「よし!完璧!今日もアタシかわいい!(出かける予定はないけどね!)」
ちょっとした決めポーズを決め、ぴょこぴょことした動きで部屋を出る 階段を駆け降り、バカ広い居間に突入する
「みんな〜〜〜〜!おはよ〜〜〜!」
「あ、レインちゃーん、おはよー」
「へへ…レインチャンカワイイカワイイネ 今日も筆がノリそうだ…」
「Good morning! You are still so cute today, Rain!」
いつもの変態達の声が聞こえる 害はないので変態紳士と言うべきか
「レイン、朝ご飯もう冷めてると思うからチンして食べて あ、パンは自分で焼いてね」
「は~いお母さん!」
元気に返事をして言われた通り自分用の朝食を用意する
その時、自分用ではない皿が2つあることに気がついた
「お母さーん?アタシ以外にまだ朝ご飯食べてない人いるの?」
「一人はまだ寝てる…もう一人は…」
ソファを指差す 座っている人はいない様に見えた
「そこに」
ぴょこっとソファの背から身を乗り出して見るとぐでーっと横たわる女性がいた
「うう〜〜〜´;ω;`彼女に振られた〜〜😭😭😭😭ウプッ」
野次が飛ぶ
「承認欲求モンスターのヒモ女なんて誰が付き合うんだよ?」
「You can't have a personality that smells like uncle!」
「ゔるさい゙っっ!!!う~~😢😰😭なんで?(泣)なんで?(泣)レインちゃぁぁん〜私かっこいいよねぇ〜〜〜〜😭」
「うんっ!かっこいいし、かわいいよ!
…顔色悪いね 二日酔いだな?」
「ぎくうっ!レインちゃ〜んキツイよ気持ち悪いよ〜助けてぇ〜」
はいはーいと軽く返事をして手をかざす
するとみるみる顔色が良くなっていった
「はぁーーーーー!!😆😆😆生き返った〜〜👍👍👍ありがとう!レインちゃん😘❤️😘❤️」
「どういたしましてっ!」
「レイン?お寝坊さんに朝ご飯持ってってくれる?」
「ぎょい!」
休日の朝だというのに彼女はよく働く
それほど彼女はこんな日常を愛していた
数分前よりかはゆっくりと階段をのぼる
ドアの前に立ち、3回ノックする
トン トン トン
「朝ご飯持って来たよ〜」
少しの静寂_____________
その後、返事が聞こえる
「あっ…あ、ありがとうレイン…ちゃん」
「はーいどういたしましてー!」
部屋の中にいる者は彼女にお礼を言うだけでも不安だったろう そう思った彼女は術式を再び使用した
くらっ_____
彼女の中にどろっと、どす黒いかたまりができる 彼女の心は心配するほどこれを受け入れていたが彼女の体はそうではなかった
喉より深いところから熱い物がこみ上げてくる 2階のトイレに駆け込みそれを吐き出した 目の前のそれは、みんながちゃんと生きた証でアタシが頑張った成果であり、とても愛おしくてたまらない すてき
水を流し、さようならをする
本日3回目の階段 今度は1回目と同じ勢いでおりる
朝食はもう冷めてしまっていた 再び温めてぺろりとたいらげる
「ごちそうさまでしたー!!」
空になった皿をシンクに持っていきソファに座る そしてみんなとお話しする
笑い合ったり、相談し合ったり、時々一緒にお出かけしたり、ひとりで出かけたり
そんな日常 彼女が大大大好きな日常
この幸せは死ぬまで続く 誰かが欠けてもまた好きになる そんな彼女の毎日だった