レイ×アル(支援ss)
「……」
腕の中に納まるお姉ちゃんを見下ろす。
いつもかっこいいお姉ちゃんがたまに見せる弱い姿。
便利屋を始めてからは、見なくなった姿……。
ぽつぽつと、私の腕の中で弱音を零すお姉ちゃん。
あふれ出す、たくさんの不安と恐怖。
それは、ごく当たり前のこと。
お姉ちゃんは、便利屋の社長だ。
その背中に乗っているのは、私を含めた便利屋。その全て。
私より、たった一年早く生まれただけの女の子が、本来背負う重さじゃない。
でも、それに対して、私が思っていることをありのまま伝える。
お姉ちゃんも、私も、もう昔のままじゃない。
便利屋も、五人だけのあの頃じゃない。
そのことを伝えれば、お姉ちゃんは、小さく呼吸をする。
……これが終われば……いつものカッコよくて、最高のお姉ちゃんに戻る。
……けれど、私の頭に過ってしまった。
「……かわいいっ♡」
「…っ、レイ?」
抑えきれずに漏れた声はしっかりとお姉ちゃんの耳に届いてしまった。
普段のルーティンを途切れさせられたお姉ちゃんの声は、まだ、ちょっとだけ可愛らしくて、弱弱しい声。私だけに見せてくれるお姉ちゃんのまま。
私よりも、少しだけ小柄で、かわいらしい顔のお姉ちゃんに私は……その唇を重ねていた。
お姉ちゃんが悪い、なんて。いうつもりはない。
「ねぇ……アルお姉ちゃん。私、少しだけ、悪い子になってもいいかな?」
初めてのキスに、顔を赤らめ、しかしほかの誰にもばれないように声を抑え叫ぼうとするお姉ちゃんの唇をもう一度唇を重ねて塞いで。
今度こそ、私は、二人で布団の奥へと潜りこんだ。