ルフィとウタの話 1
42サニー号船上ーーー
「おーい!ウタ!どこだー!」
今日もまた船中に響く声でルフィはウタに勝負を仕掛ける。
「今日もかよ…飽きねぇなぁ…あいつも…」
そう呟くのはウソップだ。
「あー…まぁ仕方ねぇんじゃねぇか?ずっと会えなかったんだろ?ルフィなりにそれを埋めようとしてるんじゃねぇか?」
そう答えるサンジ。
「いや、そうだとしてもよ、あいつが仲間になってから毎日勝負すんのは流石にやりすぎじゃねぇか?」
ガチャ…
「ヨホホホ…まぁまぁウソップさん…私たちは温かい目で見守ってあげましょう。ルフィさんとウタさんのことを…私!目、ないんですけど!ヨホホホ!」
キッチンに入ってきてそう答えるブルック。
話題に上がったあいつというのは七武海制度廃止以降、麦わらの一味に加入した“セイレーン”ウタのことだ。
「いや、そうしたいけどよ…まぁ、おれたちが気にしなくてもあの二人は大丈夫か」
クロコダイルやドフラミンゴなどと同じ元七武海、意図してなのかどうなのかはわからないが、政府の狗になっていた女。麦わらの一味が警戒するのも無理はなかった。
が…それも加入してすぐに彼女の海賊らしからぬ人当たりの良さ、透き通った歌声、幼馴染としてルフィを大事にしているという事実から警戒はどんどん薄まっていった。今でも警戒しているのは人一倍臆病…慎重なウソップだけだ。その警戒もルフィとウタに対して、何も口出ししていないため、ほぼなくなっているのと同然だが。
「しかし、意外だったな。」
「おや?何がですか?」
「ゾロだよ、ゾロ。あいつが誰よりも警戒すると思ったんだけどなぁ…」
「確かにな…あのマリモ野郎がルフィ以外だと1番初めにウタちゃんと馴染んでたな。あの野郎…誰が何聞いても答えやしねぇし…。」
ウタが一味に仲間に入るのに一番反対していたのはゾロだった。だが一番はやく仲間として認めたのもゾロだった。
「ゾロさんはゾロさんで、彼女に何かシンパシーを感じたのでしょう。聞かれたくない部分なのかもしれませんし、これ以上詮索すべきではないかと。」
「…そうだなガチャ「ウター!どこだ!お前ら!ウタ知らねぇか!」…ナミとロビンと一緒にいるんじゃねぇか?「そっか!ありがとな!」バタンドコダーウター!
「朝っぱらから騒がしいやつだな…全く…」
「ヨホホホ!…おや?見つかってしまったみたいですね。」
「…………なのに元気ね…さてと…今日は何の勝負にする?」
「うーんそうだなー…」
「やっぱり決めてないんだね…いや…いつものことだけど…」
「うるせぇ!じゃあ今日はーーー」