ルズリアリリヤンデレサンド
すけべあり 解釈違いは許してね
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おかしい。おかしい。おかしい!あり得ない。あの二人が、あんな、まるで私が欲しくてたまらないとでも言うような顔をして。意味がわからない。怖い。怖くてたまらない。
いつものようにただお茶するだけのはずだった。ルーズが溜息吐いて、リリスが苦い顔しながら紅茶を淹れてくれて、雑談して魔術の話をして。そこまではいつもと同じ、楽しくて穏やかな時間。
そろそろいい時間だから帰るわ、そう言って立ち上がる。すると、なぜかルーズに手を掴まれた。
「何よ、ルーズ?……本当に何?手、痛いんッんぅ!?ん〜〜〜〜!?」
え、どうして。何?なんで、キス、なんて。思わず固まってしまう。その間に後頭部を抑えられてしまって逃げられなくなる。わからない、やめて、やめてよ。どういうことよ。
そう、そうだリリス!リリスなら……視線を向けて、崖から突き落とされたような気分になる。だって、笑ってる。いつもならお遊びで頬にキスすることすら許さないのに。
今の状況が理解できなくて、信じられなくて、怖くて、涙が滲む。
「ルーズ、がっつき過ぎよ。ほらリリアちゃんが泣いちゃうわ」
嗜めるようなリリスの声で解放される、けれどゆっくり私の後ろに迫ってきていたリリスと、いつの間にか恋人繋ぎになってるルーズに挟まれてどうにもならない。
「っは、はぁっ……はぁっ……!何がしたいの!?意味わからないわ、こんな、こんな……ルーズもリリスも変よ!どうしちゃったの!?」
「変なことなんてないだろ。お前が欲しい、それだけだよ。」
「冗談やめて、面白くないわ。この手離しっむ、ん"ん"〜〜〜!!」
私の言葉を遮るように口を塞がれる。いや、いやなのにリリスが私を抱きしめるから、ルーズが私の顔に手を回したから、ただこの口付けを享受することしか出来ない。
「ん、ぅ……ッふ………んむ、ぅ……ん…ッ……♡」
息が苦しくなって緩んだ口に舌が入ってくる。上顎を撫でられ、歯の裏を沿うように擽られ、口の中を荒らし回られる。脳の奥に甘い痺れが生まれ…違う、そんなの気のせい、気の所為なの。
何かの間違いなんじゃないかって、どこかでそう願ってルーズの目を見つめる。けど、けどこんなにギラついたルーズの目、見たことない。嘘じゃない。わかってしまう。嫌、いや、いやよそんなの。おかしいじゃない。
私の手を握るルーズの手が怖い。私の身体に巻き付くリリスの手が怖い。
「…ふ〜、ッ…ふ〜ッ………るーず、ルーズなんで?やだ、やめて……そ、んなの私の知ってるルーズじゃない……!」
「はは、俺はずっと俺のままだよリリア。俺を聖人か何かだと思ってたのか?残念、俺にだって欲はあるんだ」
「や…離して、こわい、いやなの、リリス……ねぇリリス、助けて…!」
「怖いことなんて何も無いのよ?貴方はずーっと私達が愛してあげる、すぐに他のことなんて考えられないようになるわ。ほら、笑って?いつもみたいに可愛い顔を見せて?」
まるで私をあやす様にそんなことを言ったリリスの方を向かされて、あ、やだ、またキス……
「ん、んん……ッ……♡ッう♡……ふ……♡っは、りぃす、りりす……待って…っむ、ん……♡」
舌を絡ませられ、唾液が混じって、もう誤魔化せなくなってしまった甘さが私を包む。頭がふわふわして、ぱちぱち弾ける。ダメなのに、違うのに、抗わないといけないのに。
………駄目、このままじゃ駄目、二人ともおかしい。理由も何もわからないけど、だって二人がこんなこと言うわけ無いもの。私の友人である二人が。
これ以上こんなところにいてはいけない。まだ間に合うはず。逃げるの。ここから、今すぐに。
思い切り暴れて2人を振り切る。扉はすぐそこ、大丈夫。私なら逃げられ____ぁれ?視界歪んで、わたしいま
「まぁ、今は分からなくてもいいさ。時間はあるんだからな。」
……?るーず、なにを……
「ほら、大丈夫。目を瞑って……また後で、ね?」
いや……なにも、わかん、ない………
・・・
ハッと目が覚めた。目に入ったのはいつもの天井。ほっと息を吐いた。夢、だったのかしら。
「最悪………」
なんだか体も重い気がする。起き上がるのも億劫だけれど、そうも言ってられない。でも、本当に気持ち悪い。冷蔵庫にまだ血液パックがあったはず。一つ飲もうかしら。
起きあがろうとして、首元からチャリ、と金属が擦れる音が鳴る。……なに、一体。震える手を抑えながら首に手を当てると、首輪が。くび、わ?全身からドッと冷や汗が噴き出る。振り返れば鎖が繋がってベットに固定されているのがわかった。慌てて起き上がると足にも枷が付いている。
「な、何よ、コレ………!?」
ベッドから立ち上がるのでギリギリの長さの鎖が首と足首に付いている。なんで、意味わかんない、なんなのこれ。頭に二人の顔が過ぎるけれど、だってアレは夢のはずで。
ガチャ、と扉が開く音がする。
「あら、目が覚めたのね!気分はどう?」
「リ、リス………」
にこりと微笑むリリスの手には、鍵束があって。
「うん、どうしたの?…あ、足キツくないかしら?大丈夫?」
「なに、これ?なんでこんな事するのよ、わからないの、ねぇリリス………」
視界が歪んで熱い液体が頬を伝う。もう拭う力も湧かない。