ユウカアビドス墜ちルート
そんな訳がない!そんな訳がない!そんな訳がない!
信じたくはなかった。数回にわたって行われている予算の横領。それは明らかにセミナー内部の犯行だった。これまでの犯行を元に推測される行動パターンから犯人はこのドアの先にいるはずで、そしてその部屋に最後に入ったであろう人物は…
「ノア先輩、突入しましょう」
C&Cの後輩の声掛けに頷きドアを開けて中に押し入る。そこにいたのは間違いようもないシルエット。
夕陽に照らされ、悲しげに俯く「早瀬ユウカ」がそこにいた。
「ああ、来ちゃったのねノア…流石にそろそろ来るとは思ってたけど」
「ユウカさん!嘘ですよね!あなたが横領なんてするはz「仕方ないじゃない!」
思わず一歩たじろぐ。こちらを見るユウカさんの顔には焦り。苛立ち、恐怖…様々な感情が入り混じっている。
「もう私はこれがないと生きていけないの!買うにはいっぱいお金が必要でこうでもしなきゃ!」
「そ、それは【砂漠の砂糖(サンド・シュガー)】…」
「…ごめんなさい、ノア。また会いましょう」
「それはどういう…」最後まで発する前に爆発。煙が充満する
「ノア先輩!」とっさに後輩が私をかばう。煙が晴れた時、そこには誰も残っていなかった。煙の中で発せられたユウカさんの最後の言葉が脳にこびりつく。
「次会うときはきっと戦場ね。…サヨナラ」
どこかの路地裏。ユウカは膝に手を当てながら荒い呼吸を整えていた。そこにもう一人の女が現れる。
「お疲れ様ですユウカさん♡素晴らしい演技でしたよ♡」
「…で、約束は守っていただけるんでしょうね?」
「もちろん♡これ以降我々からのミレニアムサイエンススクールへの内政干渉及びアビドスシュガー・ソルトの輸出は一切行いません」
「ただし自分から接触してきた相手は例外です…"あなたのように"」
顔をしかめるユウカ。「そうね。…私は自分から裏切った…ノアを捨てた…」
「まあまあ、過去を振り返るのもそれくらいにしてこれからは明るくいきましょう♡」ハナコは持っていたアビドスサイダーのボトルを渡すと、ユウカは蓋を開けて一気に飲み干す。甘い。甘い。甘い。思わず踊ってしまいそうなほど気分が高揚してとても幸せだ。
「…ええ!じゃあ案内はよろしく頼んだわよ!」
「それでは参りましょうか…
ようこそ、この世で最も楽園(エデン)に近い地獄、アビドス高等学校へ。