モフモフは正義

モフモフは正義









※現パロ&なんちゃってポメガバース

※疲れた時にポメになるルフィ






「つかれ、た…」


呟きと共にぽふりと軽い音がして、ふわふわの白い毛玉が現れる。部屋に入った瞬間にこれなのだから相当疲れていたのだろう。ぺしょりと床の上に短い手足を投げ出して伸びる姿は大変愛らしいが、休むのであれば硬い床よりソファーの上の方が良い。抱き上げてソファーの上に降ろそうとすれば、嫌だと四肢を突っ張り爪を立てるなどして全身で拒否ときたものだ。疲れているというのにどこに抵抗する気力があるのだろうか。抱き直して困ったものだと溜息を吐いてみるが、聞いていないふりをして甘えるようにクウクウと鼻を鳴らしている。


「眠いのだろう?」


顎の下を指先で掻くように撫でる。眠くないと否定のように短い唸り声が上がったが、掠れていて全く説得力がない。眠気でとろりと溶けた黒目は今にも瞼の下にしまわれてしまいそうだ。こくりこくりと頭まで揺れている。


「起きたら存分に構ってやる」


だから寝てしまえ。

あやすように撫でていれば、眠りについたのかくたりと身体中の力が抜けていく。早々に小さな寝息まで聞こえてきたのでよっぽど疲れていたのだろう。少しばかり重くなった身体をソファーの上にそっと移す。一度起こしてしまい寝ぐずられたことがあったが、あれは大変だった。シャツを咥えて離さず、眠ってから起きるまで抱える羽目になったのだ。


目を覚ました時に近くにいなければ、鳴いて騒ぐのは目に見えている。それまでに一仕事終わらせようと部屋を後にした。









「…昔は小さかったのに」


我が物顔で腹の上に乗っている毛玉は何のことかと、僅かに首を傾げて此方を見ている。惚けないでもらいたいものだ。耳の後ろと顎の下を撫でられるのが一等好きな所は昔と変わってはいないが、如何せんあの頃より体積が格段に増えた。倍どころの話では無い。此方を見上げていた筈の青年の背が自分よりも目線が高くなった上に、ポメラニアンがサモエドとなるのだから成長期にも程がある。第三次成長期が確も恐ろしいものだったとは知らなかった。

年相応の落ち着きも得たためか腹の上に飛び乗る事はない。体重を掛けられるのが少々辛くなってきたのは寄る年波のせいであろうか。降りろと声をかければ渋々と降りて傍で伏せる。不満顔であるが、約30kgを腹の上に乗せ続けるのには限界がある。分かって欲しい。

素直に降りて良い子だと頭を撫でて褒めてやれば、愛想の良い顔を綻ばせて腹を見せてきた。もっと褒めて撫でろのお決まりのポーズだ。腹の辺りは擽るように撫でられるのが好きらしく、起き上がって両手を使って撫でているとふわふわの尻尾が千切れんばかりに揺れている。丁寧にブラッシングした甲斐があったものだ。ダブルコート故に換毛期は普段よりも倍以上手間がかかるが、手間と愛情をいつも以上にかけてやれると思えば苦ではない。愛情をかけすぎてシャンプーの最中に人間に戻ることもあるが、人間も犬も愛おしいものに変わりはない。


「お前は本当に可愛いな」


頭を撫でながら可愛い可愛いと心からの賛辞を贈れば、満足したのか軽い音と共に人の姿の可愛い恋人が現れた。やや不貞腐れているのは可愛いと言いすぎたからか。


「たまにはカッコイイとかか言ってくれねぇのか」

「言って欲しいのか」

「………別に」


口を尖らせて拗ねる様は昔と同じだ。またここで可愛いと言ってしまったらもっと拗ねるのだろう。可愛らしいが少々面倒臭い。否、面倒臭いが可愛らしい。詰まるところ、何をしたとて可愛らしく愛おしいのだ。

昔も今も、犬となった時も全て。





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