モテモテパニック2後日談

モテモテパニック2後日談

モテパニ作者

それから1日が経った。

あの後クッキングダムの住民達はそのまま帰還し、拓海やプリキュア達はいろいろあったのもあり整理のため特に会話もなく解散した。

ゆい「お、おはよ拓海」

拓海「お、おう?」

流石のゆいも自覚しかけている気持ちの整理は一晩ではつかず拓海相手にぎこちなくなってしまった。

それから会話もほどほどに登校した。

ゆい「おはよ、ここねちゃん、らんちゃん」

ここね「ゆい…」

らん「ゆいぴょん…」

昨日ぶりに会った二人は少し様子がおかしかった。

ゆい「どうかしたの?二人とも」

ここね「昼休み、時間をちょうだい」

すぐに済む話ではないと二人はそう言った。

〜〜〜

そして昼休み、あまねも呼び要件を聞く。

あまね「どうしたんだ?二人とも。まさか昨日の事で何かあったのか?」

ここね「うん…」

らん「じつはそうなの…」

昨日の件、拓海を強制的に好きになる現象。

解決したはずのこの事でいったいどんな問題が

ここね「じつはわたしたち…」

らん「昨日から拓海先輩のことが頭から離れないんだよー!」

ゆい「ええっ!?」

まさかの発言に大声をあげてしまう。

あまね「どういうことだ!?スペシャルデリシャストーンの影響は消えたんじゃなかったのか?」

ローズマリー『それについては私が答えるわ!』

ゆい「マリちゃん!?」

突然マリちゃんが割り込んでくる。

さすがに本人が現れたわけではなくハートキュアウォッチによる通信だが。

あまね「いきなりなんなんだ、しかも図ったようなタイミングで」

ローズマリー『タイミングについては偶然よ、ついさっきこっちでの結論が出たところだったから』

ここね「結論って、そっちで何かあったの?」

ローズマリー『じつは、こっちでもジェントルーが同じ状態になっちゃったのよ』

あまね「ジェントルーがだと!?影響はやはり消えていないのか!?」

ローズマリー『いいえ影響は間違いなく消えているわ。あの後念のためシナモンにも確認してもらったけど確かよ。そしてさっきまでその事について当事者とクックイーン様も交えて話していたの。そして憶測も混じるけど一つの結論に至ったわ』

らん「結論って?」

ローズマリー『それはね、ここねとらんは拓海くんを好きというのがどういう事かわかっちゃったからよ!』

ゆい「好きというのが…」

ここね「どういう事か…」

らん「わかっちゃった…?」

あまね「どういう事だ?」

ローズマリー『難しい事じゃ無いわ。今回の件、みんな影響があった時の事を記憶として残ってるわ。その時の事がきっかけで拓海くんを見る目が変わったっておかしくないのよ。ジェントルーは彼女の核になってるスペシャルデリシャストーンの調整のため拓海くんとちょくちょく会ってるし、生まれてまもなくて純真だから今回の件がきっかけになってもおかしく無い。そういう意味ではあなたたちはなおさらじゃない?拓海くんのいいとこ、いっぱい知ってるでしょ?』

ここらん「「///」」

恋とはなにがきっかけで芽生えるかわからないものだが、思えば今回の件はそれにうってつけの出来事だろう。

そして一度芽生えてしまえば止められないのもまた恋だ。

ローズマリー『最後に一つ言っておくわ。私は恋するみんなの味方、今回の件で拓海くんを好きになったここねやらん、もちろんジェントルーも私は応援するわ。あなたたちがどんな結論を出すかはわからないけど頑張ってね』

そう言ってマリちゃんは通信を切る。

そしてしばしの沈黙が流れる。

ここね「ええっと、その…」

らん「なんていうか…」

あまね「………」

気まずい空気が流れている。

三人は拓海とゆいの恋人未満の関係をよく知っている、だというのに今回の件で形は違えど恋慕している事がゆいに明かされてしまった。

ゆい「(そっか、ここねちゃん、らんちゃん、それにあまねちゃんも拓海を…だったらあたしは)」

それを知りゆいは心を決める。

ゆい「そっか、みんな拓海を好きなんだ」

ここね「え?」

らん「みんな?」

あまね「(プイッ)」

みんなという言葉に二人は一斉にあまねの方を見てあまねはそっぽ向く。

ゆいはそれに構わず話を続ける。

ゆい「でもあたし、みんなの気持ちを応援できない」

『!』

そして続いた言葉に今度はみんなゆいの方へ振り向く、その言葉が意味する事実は一つしか考えられない。

ゆい「やっとわかったの、あたし拓海が好き。だから…」

三人は複雑そうにしながらも笑う。

わかっていた、いずれゆいが自覚する時が来ることを。

せっかく芽生えた気持ちもそれならば諦めが…

ゆい「だからこれからはライバルだね!」

ここね「…え?」

らん「ゆいぴょんそれって…」

あまね「私達にチャンスを残すというのか?しかし我々はきみの邪魔をする気はないんだ」

ゆい「それはあたしも同じだよ。拓海を好きな気持ちを邪魔しないって約束したんだもん」

ここね「約束…あ!」

言われて思い出す、昨日のプレシャスとスパイシーの勝敗時の約束だ。

ゆい「約束したのはここねちゃんとだけど、らんちゃんとあまねちゃんもだよ。あたしあの勝負には負けちゃったけど諦めないよ。お互い遠慮無しでいこう!」

それがゆいの出した答えだ。

あまね「(自分の気持ちには気づいても自分に向けられた気持ちにはまだ無自覚か。まあいい、ゆい、きみがそのつもりなら私も応えよう)」

ここね「(この気持ちは作られたものだって思ってた、だから向き合っちゃダメな気がしてた。でもこの気持ちもきっかけが特殊だっただけで本物なんだ。なら、向き合わなくちゃ)」

らん「(もし拓海先輩と付き合えちゃったら、はわわ〜!)」

そしてその答えに三人もそれぞれ自分もどうするか決める。

皆の恋路、それがどう転ぶかはまだ誰にもわからない。

はてさてどうなりますことやら。


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