ミハルとミドリ
全部忘れさせる。それが例えでもなんでもなくて、本当に何も考えられなくなるくらい、めちゃくちゃにされてしまうんだって、私はもう知っていて。やっぱり今日も、その通りにされてしまうようで。
「もっ♡もうむりぃ♡イかせてぇ♡♡」
「んー……もうちょっと、我慢して?代わりに、とぉっても気持ち良くしてあげるから♡」
「う、ううぅ……♡」
最初の方は、全然イかせてくれなかった。フェザータッチって言うのか、焦ったくなるような触り方で、背中や腋、脇腹や胸、お腹や腰、太ももや膝の裏……とにかく色んな所じっくりと撫でられて、身体をうずうずさせられて。イきたいイきたいって何度言っても、お預けをさせられて。
「は、ぁー……うー……♡♡」
「そうそう、ちゃんと力抜けてるね。えらいえらい」
そんな状態の時に、身体をほぐすみたいに、優しく全身を揉み込まれて。淡く感じさせられる快楽と、それ以上に大きく感じる安らぐ様な心地良さで、すっかり骨抜きにされちゃって。イかせて貰えないからもどかしいのに、触られるたびに幸せにも感じて。
「はぁー……ぁー……ふ、ぅぅ……♡♡」
そうしているうちに、並々と注がれて溢れる寸前のコップみたいに、身体の中の、皮膚から下全部に快楽が溜まりきってるみたいになるまで、ぐずぐずに蕩かされて。
「……うん、よく頑張ったね。それじゃあ、今日は時間をかけて……たっぷり、長ぁく、イかせてあげるね」
「は、ぁ────────♡♡♡」
そう言って、ミハルは私に手を伸ばして来て。とろとろに濡れて蕩けたナカを、小さくゆるゆると愛でられて。ピンと張り詰めてる胸の先や下の突起を、そっとしゅりしゅり擦られて。すっかり弱くなった背中や胸の横、腋や足の皮膚をぞわぞわするまでなぞりあげられて。
容積の限界ギリギリまで溜まってた水に、ちょっとずつ注いでじわじわ溢れさせるみたいに。すっかり出来上がった身体を絶妙な力加減で責められて、堪らなくなって、イかされた。深くなくて、強くもなくて、大きくもなくて、ただただ幸せな感覚がずっとずっと湧いて来る、そんな甘いイかされ方。
「どう?気持ちいいかな?」
「きもち、いっ♡とまんなっ、あっ♡♡」
「ふふ、そっかぁ……今日はこのまま、ずうっと、甘イキさせてあげるね」
「ぁ、は、ぁ、ぁ♡♡イっ、てるっ♡♡ずっとイってっ♡あっ、またぁ♡」
休みなくずっとイかされる。激しいイき方でそんな風にされた時は、気持ちいいけど辛くて、その辛いのがまだ気持ちよくて、頭がおかしくなりそうな、壊れそうな感覚になる。
だけど今日のは、しんどくなくて。気持ちよさだけが、絶え間なく注がれて、溢れて来て。頭の奥まで幸せにされる。
「あ、は、ぁ、ぁん♡みはるっ、みはるぅ……♡」
胸を甘やかに揉み込まれて、その動きに連動するみたいに声が漏れる。堪らなくて、必死にミハルの名前を呼ぶ。
「…………あはっ……ほんっとに、かわいー♡♡」
「ひ、ぁ……♡♡♡」
そんなことを言いながら、頬をそっと撫でて来る。そんな刺激も全部気持ち良くて、幸せで、本当に、何にも考えられなくなって。
「あ、はっ、あっ……♡♡」
そうやって、数え切れないくらい、何度も何度も、イかされた。