ミドモモ
「ぁー……ぅー……」
────なんで、こんなことになってるんだっけ。
なんだかうまく回らない頭でふとそんなことを考える。ぼんやりと思い出すのは、最近の私たちの関係について。
────ユズが、アリスが、そしてミドリが、私を「そういう風に」好きってことがわかっちゃって。いつの間にやら、その、えっちな事をするようにもなって。ある日からは、変な薬を飲んで女の子の身体には無い筈のモノを生やしたりして、わたし、を────
とちゅ。
「ぁっ……♡」
────あの薬を飲むと、3人はなんだか変なスイッチが入っちゃうみたいで、いつもよりちょっと乱暴にというか、激しくなって、私をめちゃくちゃにして来るようになって。それがいろんな意味で大変で。3人いっぺんはだめ、疲れる、しんどい、せめて1人ずつにして。確か、そんな、ことを、いって────
とちゅっ。
「ぁんっ……♡♡」
思考の間に、水が跳ねるみたいな音が微かに聞こえて。かと思ったら、なんかいやにえっちな声が聞こえてきて。
「…………おねえちゃん、きもちい?」
「は、ぅ……?♡」
耳元に囁くような声が聞こえてきて、ようやく自分の状況に頭が追いついた。胡座みたいな姿勢で座るミドリ、そこにまたがってる私。服は着たまま、ズボンを半端に脱げてるだけみたいな状態のミドリの上に、同じように服を着てて下着だけ脱いでる私が、座って、抱き付いてる。それで、私のあそこのナカには、ミドリに生えた、ソレが。
「ぁ…………」
そうだ、確かミドリ達が、私の言ったことを聞き入れてくれて、1人ずつ、あんまり激しくないやり方にするっていってくれて、それで────
とちゅっ。
不意に、ミドリが少しだけ腰を揺らしてくる。下から私を突き上げるみたいにして、奥のところを柔らかく押してくる。途端に、お腹の奥にきゅって少しだけ力が入るような気がして。
「ぁぅっ♡♡」
また、声が出る。
「んっ、ぅっ、うぅ〜〜……っ♡♡」
「────ねえおねえちゃん。これ、きもちい?」
「は、ぁっっ♡♡うっ、んっ、うんっ♡」
そう言いながら、ミドリがまた、少しだけ、一回だけ、腰を揺らしてくる。訊かれたままに勝手に答えが口から出た。気持ちいい。気持ちいい。そう、これは、気持ちよくて……とっても、幸せな気分になる。
「きもち、ぃっ♡きもちい、ょぉ……♡」
しかも、その気持ち良さが引いていかない。一回突いたら少しの間止まって。また一回突いて、止まって。また少し止まってから、突いて。そんな風に、ミドリが突いて来るペースはとてもゆったりしてて、まるで一滴ずつ垂らして少しずつ水を溜めさせられるみたいに、ゆっくりゆっくりと、気持ちよくさせられ続けてる。
「なん、でぇ……♡いつもは、こんなぁ……ぁぅぅ……♡♡あたまぁ…とけちゃうよぉ…♡」
私の身体っていう入れ物の中に「気持ちいい」がいっぱいに注がれてて、満杯になっているみたいな感覚。快楽で高まったままずーっとキープさせられてる。けど、いつもみたいに「気持ちいいけど激しくて苦しい」みたいにはならない。
身体から力が抜けたままで、心もリラックスしたまま、甘い感覚を味わい続けることができていて。頭の中がぐずぐずになって、ずっとこのままでいられるような、もうずっとこのままでいたいような、そんな気分になる。
「おねえちゃん、また一回、イかせるね」
「ふぇっ……♡」
ふとミドリがそんなことを囁いてくる。快楽を溜め込み過ぎてもうすっかり身体がおかしくなってるせいなのか、耳まで敏感になったみたいにゾクゾクっ♡っと震えてしまう。
「なん、で、わたし、いま、イって……」
「ううん。私もさっきまで勘違いしちゃってたけど、おねえちゃんのそれ、まだイってないの」
ミドリの言うことが、信じられなかった。だって、こんなにいっぱい気持ちよくて、頭の中がこんなにいっぱい幸せなのに、イってないとか、わけわかんない。
「おねえちゃんの身体がね、ずうっと気持ちいいまんまだから、イってるって勘違いしちゃってるの。…………ねえ、このままイったら、どうなると思う?」
「ぇ、ぁ……ぇ……?」
「おねえちゃんね、さっきはそれで、意識飛ばしちゃったんだよ」
「ひっ…………?♡」
そう言って薄く笑ったミドリの顔が、ぞくっとしちゃうくらい、いやらしくて。胸がどきどきし始めて、身体がざわざわし始めて。なんだか怖くて堪らないような、なのに期待しているような、そんな変な思いがして来る。
「もう一回、飛ばしてあげるね……♡……んっ♡」
「ふぁっ……ぅんぅ……♡♡」
待って、だめ。そう言おうとした口を、ミドリがそっとキスして塞いでくる。にゅる、と挿し入れられて来た妹の舌が、私の舌の裏のところを優しく摩るみたいに動いてくる。たったそれだけで、頭の中がくらっとした。
「ぇぅ……んぅぅ……ぇろぉ……♡♡」
「ん、ぅ………ふふ……♡」
ゆるゆると絡ませられる舌にうっとりとしてると、少しだけミドリが笑ったような気配がして。その、次の瞬間。
とちゅ、とちゅ、とちゅ、とちゅ。
少しだけ間隔とペースを早めて、また緩く腰を上下させて、私の奥を突いてくる。突かれたとこに痺れみたいなのが走って、その度におくのところがきゅぅって切なくなって。
最後にひときわ強く突き上げ切ったところで、軽く力を込めて、私の身体をぐっと下へ押さえつけるみたいにして、奥の弱いところに先っぽを押し付けられた。
「ふっ、ぅ、ぅぅ…………ぅーーっ……♡♡♡」
お腹の奥のところを優しく犯していた熱くて甘い感覚が、一気に深く重くなって、どくんどくん、と大きく震えるみたいになって。
とどめに身体中に溜まってた気持ち良さと一緒になって爆発したみたいに、全身の神経を伝って、頭の中に気持ちいいっ♡って信号を叩きつけてきた。
ちゅぱっ♡って水音を立てて、ミドリの口が離される。
「────イっちゃえ、おねえちゃん♡」
自由になった口で、ミドリは蕩けるような声でそう言った。
「イっ、くっっ…………────ッッ♡♡♡♡」
その瞬間は静かだった。
リラックスさせられたまま、ずーっと奥を犯されて、力が入らなくなるまでゆっくりゆっくり快楽漬けにされた身体は、暴れさせて快感を逃すこともできなくて、じっとしたまま気持ちいいのを全部受け止めさせられた。それが堪んなくて、あんまりにも気持ち良過ぎて、目の前が真っ白になった。
「イく、ィくっ……イくぅぅ……♡♡」
「うん」
「イくの、イってる、のっ……♡♡おわんな、ぃ……♡♡」
「うん。もっと、イって」
頭の中をどろっどろにして、ダメにしちゃうような絶頂感が、いつまでもいつまでも続いて来て。力の入らない腕を緩く引っ掛けるみたいにしてミドリに縋りつきながら、うわごとみたいにひたすらイく、イってるって言い続ける。
「ずーっと、イこうね……♡」
「ゔっ、ゔーっ♡♡」
そんな私を抱きしめながら、ミドリが愉しそうに言っていた。