ミカコハおしりえっち
にゅる、とか。ちゅぷ、とか。喋り声ところが内緒話くらいの声でもかき消されそうなくらい小さな音が、いやに部屋の中に響く。それは、部屋が静かだからなのか────それとも、そんな小さな音まで拾ってしまうくらいに、意識を集中させているせいなのか。その音に、その音を立てている女の子に。
「はぅぅ…♡あぁぅ……♡ぁ……♡」
水音の発生源は、私に膝枕されながら横たわるコハルちゃんのお尻の穴。私が手を動かすたびに、小さな声で囁く様に喘ぐ。
今、コハルちゃんのお尻の穴には、いわゆる大人のおもちゃがずっぷりと入っている。やや細身の、数珠みたいに玉が連なった形をした長い張型。それを、ゆっくりとしたペースで、挿して、抜いて、また入れて、また引いて。
「はっ…♡ぅっ…♡はっ、はっ、ぅぅ……♡♡」
抜き挿しを繰り返すたびに、コハルちゃんは堪らなそうな声を漏らしながら、ぴくぴくと小さく震える。少し身体が強張って、呼吸が乱れ出したのを見て、私は空いている手でコハルちゃんの頭を優しく撫でる。
「ぁ……♡」
「だいじょうぶ…おちついて…♡ほら、深呼吸…♡」
「は、ぃ……♡」
それと一緒に、お尻を犯す手を緩める。元からかなり静かなスローペースだったのを、更に優しく、緩やかなものに。コハルちゃんの呼吸を落ち着かせるのに合わせる様に、甘やかに抽挿を繰り返していく。
「ぅぁ……んぅ……♡」
時折ふるふると心地よさそうに震えつつ、コハルちゃんは身体から力を抜いて安心したように声を漏らすようになる。いっそ幼さすら覚えるような表情にも見える一方で、赤く染まった顔や小さく漏れる喘ぎ、潤んだ瞳には思わずぞくっとしてしまうくらい色気があって、そのギャップに頭がくらくらしそうだった。
紆余曲折あった末にコハルちゃんとお付き合いを始めて、もうだいぶ経った。
どっちも恋愛初心者、初めの頃はそりゃあもう2人揃ってドギマギして空回ったり、私が悪い癖を出して不安に駆られたり失敗もしたり。でもそれも今じゃ良い思い出で……何もかも嬉しくて、全部幸せで、そんなお付き合いができるくらいには好きあっていた。
そんな風に、私たちなりに順調に、恋人同士になって段々と進んできて行ったらまあ、『そういうこと』に及ぶのは自然な事なワケで。
何より相手はコハルちゃん。恥ずかしがり屋なのに本当はエッチなことに興味津々なむっつりさんで。
コハルちゃんが私のことを『そういう目』で見てるって気づいたときはもう色々と凄かった。特に自覚したコハルちゃん自身の反応が。しけいしけいしけぃー!!って叫びながら頭を抱えてごろんごろんするコハルちゃんはちょっと面白かった。
私は私で人並みに……というかコハルちゃんっていう恋人ができてからは多分人並み以上に……『そういうこと』に強く惹かれるものがあって。
恥ずかしいけど嬉しい、コハルちゃんとそういうこともしてみたい。顔から火が出そうなくらいだったけど、なんとか堪えてそんな風なことを伝えたら、コハルちゃんはもう手榴弾みたいに爆発しそうになりながらも受け入れてくれて。
かくして、私たちの関係はまた一歩より深くなることになった。
……なった、んだけど。
────正直、ここまで倒錯するとは思ってなかったなあ。
「ふ、ぅ、ぅぅ……ぁぁー……♡♡」
ゆるゆると抜き挿しする張型にかかる抵抗は意外なほど少ない。すんなり、というほど軽い手応えではないけど、甘く食むみたいに食い締める腸壁は淫具を軽く押し込むだけで柔らかく掻き分けられていく。
どうもコハルちゃんは、私の想像以上にエッチなことにのめり込んでたみたいで、1人遊びで後ろの穴も使っちゃうほどだったらしく。こんなの本当に入るのかな、入れて大丈夫なのかなってくらいの玩具もぐぷぐぷと飲み込んでいくのを見た時の衝撃はもう色々と凄かった。性癖が歪むってこういうことを言うのかなって後で思った。ぐにゃって感じじゃなくてめきょって感じだった。3日くらい悶々として眠れなかった。
そんなコハルちゃんに恋人なできちゃったらどうなるか、それは今の私たちが答えになる、のかな。
「………………っ♡♡」
私の手でお尻を犯されることにすっかりハマっちゃったコハルちゃんにせがまれて。今日もまた、恋人の少し変わったまぐわいをする時間になっているのだった。
「……よしよし……♡きもちいね……♡♡」
「ぅ、ん……♡…ぁん…ぁ…♡♡」
完全にリラックスしきった状態のままゆるく犯してあげると、コハルちゃんはもうものすごく可愛くなってしまう。私の服に縋り付くみたいにキュって軽く握ってきたりしながら、私にされるがままに任せてくれる。
「ふふ…♡」
コハルちゃん的には激しくされるのも好きらしいけど、私はこんな風に優しくゆっくりする方が好きだった。その方が長く楽しめるし、とろんとした顔のコハルちゃんが、とっても可愛いから。
「もっと、してあげるからね」
「……………♡♡」
意識が全部気持ち良さにとろけちゃうくらい続けたいなあ。そんな風に思いながら、幸せそうなコハルちゃんの顔を眺め続けた。