マスターと美遊のある一日
9:00……特異点調査開始
「『晴れの新年』、でしたか? そのマスター礼装と第三再臨のわたしで並ぶと、本当の夫婦になったみたいで胸がときめきますね」
「そう? …美遊とその衣装に釣り合う男になれてると良いけど」
「なってますよ、もう。そうじゃなきゃ“あなた”とか“旦那様”とか“お兄ちゃん”なんて呼び方しません」
「…ありがとう、美遊。オレ、嬉しいよ」
「こちらこそ。一緒に支え合っていきましょう、あなた。その胸に秘めた星の輝きが、理不尽な現実に掻き消されないように」
〜〜〜
12:15……探索を中断し飲食店に入店
「お客様、こちらにお名前を書いてお待ちください」
「分かりました」
「わたしが書いておきますね」
「ああ、ありがとう美遊」
「…『藤丸立香』と『藤丸美遊』…。…『藤丸美遊』、『藤丸美遊』……えへへ…」
「美遊?」
「ひゃぅっ!? な、なんでもない! なんでもないよお兄ちゃん!!」
「???」
(い、言えない…! 藤丸姓にときめいてたなんて、お兄ちゃんには絶対言えない!)
〜〜〜
12:30……昼食中
「あなた、お冷です」
「ん、ありがとう美遊」
「…わたしの手料理より美味しいですか?」
「オレの好みに寄ってる美遊の料理の方が美味しいよ。だからそんな不安そうな顔しないで」
「…あなた…」
「…あ、ご飯粒ついてる」
「ふえっ? ぁ、今、口元…」
「駄目だった?」
「い、いえ……は、恥ずかしい…」
〜〜〜
17:00……探索終了、拠点の宿へ帰還
「…ふと思ったんですが。赤ちゃんの名前とか、どうします?」
「妊娠もまだなのに随分先のことを考えるなあ…。オレはまだ決まってないよ。美遊は?」
「わたしも同じです。でも、我が子の名前を考えるのは割と楽しいから無問題です」
「そういえば、イリヤとクロも似たことを言っていたような気がするな。どうせだし二人にも案を募ろうか」
「良いですね、それ。どうせならルビーとサファイアも誘って考えましょう。家族で一緒に考えれば良い案も浮かぶはずですから」