マキマ参加√頂上戦争編

マキマ参加√頂上戦争編


センゴク「何をしにきたガープ、作戦に異論でも?」


ガープ「……いや相手は海賊、同情の余地はない」


センゴク「ならば……」


ガープ「黙れ! よかろう……ここにおるくらい」


ガープ「…………」


エース「…………」


ガープ「これでもわしは、お前を愛してきた」


エース「!」


ガープ「世はまさに大海賊時代。海の荒れ様は目に見えて醜悪じゃった」


ガープ「昔を思い出すな…………。まだガキだったお前たちがもしも世をかき乱す海賊になったとしたら、とよく言い聞かせていたもんじゃ」


エース「………………」


ガープ「わしらはなァ。お前たちを海の果てまで追いかけて引っ捕らえる羽目になる。そして処刑されるお前たちを相手に、お互い〝何〟を守っているのかも分からん戦に血を流す。

多くのものを殺し、……そして一人を殺すんじゃ。

それが自分の子どもと分かった日にゃあ、その気持ちは想像もしたくない」


ガープ「子を見殺しにせねばならん親の気持ちを…………マキマの気持ちも汲んではくれんか? エースよ」


エース「…………」


ガープ「わしとマキマは、こんなことにならない為に、お前たちガキ共を必死に教育してきた筈じゃった──筈じゃったが…………」


ガープ「夢を語り合うお前たちは、わしらにはあまりにも明るいものだった……‼︎」


ガープ「大人の意地など、子供の夢にはそりゃ勝てぬわ……‼︎!」


エース『オギャー、オギャー』


ガープ「悪党に同情はねェが……」


エース『ルフィを殴んなよクソジジー‼︎』


ガープ「家族は違う……‼︎‼︎」


エース「!」


ガープ「わしゃあどうすりゃええんじゃい…………‼︎‼︎」


ガープ「………………っ‼︎! わしというものがいながら…………マキマという存在がありながらッ‼︎」


ガープ「エース貴様……‼︎!   なぜわしらの言う通りに生きなんだ‼︎‼︎」


エース「ジジイ……‼︎‼︎」


ガープ『ええか、お前らは強い海兵になるんじゃ‼︎‼︎』


ルフィ『ぢ、ぢぐしょーーー!!』


マキマ『子どもを泣かせていいなんて言った覚えはありませんよ、ガープ中将』


ガープ『げっ、マ、マキマちゃん!』


ダダン『弱くなった……⁉︎』


ルフィ『うわーーーん‼︎』


マキマ『怖かったね、参っちゃうよね?』

────

マキマ『私は……それでも海賊にはなってほしくないな』


エース『マキマさん……』


マキマ『それと、私を呼ぶときはお母さんって呼んでもいいんだよ?』


エース『…………っ‼︎? ……』


ルフィ『呼べよエース‼︎ せっかく母ちゃんがお願いしてるんだぞ‼︎』ピョコ


マキマ『……命令です! お母さんと呼びなさい』


エース『……か、母、ちゃん……?』


マキマ『はい、よく出来ました! いい子だね、エースは』


エース『──っ! そ、そういう訳だからな! 一回呼んでやっただけいいだろ? 俺は先帰って寝る!』


ルフィ『なんだよエース! 照れてんのか?』


エース『うるせェ!! 照れてなんかいねェよ!!』


マキマ『………… 』ニコニコ


エース「母ちゃん……ッ‼︎‼︎」


センゴク「……今更妙な気を起こせばお前とて容赦せんぞガープ」


ガープ「……フン、やるならとうにやっとるわ‼︎‼︎」


× ×


マルコ「待ってろよい、エース」

ボボォ……‼︎!


ガープ「ぬゥ‼︎?」


センゴク「ガープ‼︎   早まるような真似はよせ‼︎   貴様の出番は──」


シュン──


マルコ「‼︎‼︎??」


センゴク「……何を‼︎‼︎」


マキマ「…………──」


意識を人差し指へと集中させ、銃を形作るようにマルコの胸元へと当てる。


グイ


だが狙いを定めた指先を折り曲げると、低く唸った。


マキマ「〝指砲〟」  パン!!!!!!


マルコ「ぐゥあッ‼︎‼︎」

ドォン……‼︎


胸元に凄まじい衝撃が走ると、そのまま瓦礫の山に埋もれた。


クルー「マルコ隊長‼︎」


海兵「やった‼︎ 中将の〝指砲〟が喰らったぞ‼︎」

「あれに当たれば大砲三つ分の威力だ……‼︎‼︎」


ガラガラガラ……


海兵「おいおい、嘘だろ‼︎」

「向こうも何て奴だ……不死鳥マルコ‼︎‼︎」

「本来ならあの指砲を喰らえば、鋼鉄でさえも粉々に砕け散るモンを。──アイツは風穴一つも空いちゃいねェッ⁉︎⁉︎」


マルコ「こいつァ、いよいよ……〝ちと効いた〟よい‼︎!」


マキマ「…………」


ガープ「マキマ……」


クルー「で、出てきやがった……‼︎‼︎」

「海軍中将の女が……‼︎‼︎」


エース「マ、キマさん……」


モモンガ「月を歩く歩行は更に太陽を歩き、脚の剣は天も裂く薙刀となり、指の銃弾はまるで大砲に匹敵する……‼︎‼︎」


ドフラミンゴ「六式の限界値を超え、更に規格外のあらゆる覇気を纏った『神居六式(カムイろくしき)』‼︎!   もはや誰にも体得できねェ神の領域ってやつか……‼︎‼︎」


ガープ「世界広しといえども、あの神秘の武術を会得しているのはマキマだけだ」


センゴク「奴の異常過ぎる覇気は人の心を支配し、そしてその覇気は己の肉体をも支配する………!!!   その姿に相応しい異名だ……‼︎」


白ひげ「……支配の悪魔ァ……‼︎」


海軍本部 中将

〝支配の悪魔〟 ドン‼︎‼︎

     マ キ マ


クルー「なんてこった‼︎ マキマだァ〜〜‼︎」


白ひげ「新世界を蹂躙し、数々の海賊を討ち取った『億狩りの要』‼︎」


黄猿「こりゃあ、早速カードを切るつもりですかい? センゴクさん……」


センゴク「想定外とだけ言っておこう…………」


クルー「ぐっ、あの海兵までいやがるのか……‼︎」

「か、勝てる気がしねェ……」


クルー「何弱音吐いてんだお前ェらァ‼︎‼︎   エースを助けるぞォ‼︎‼︎」


マキマ「……」


クルー「……く、くるぞ‼︎」


マキマ「〝伏せ〟」


クルー「…………!!!!!」


クルー「おいおい、何だありゃあ……!!!」

「気を付けろ‼︎   死んでも奴の覇気を浴びるんじゃねェ、心を乗っ取られるぞ‼︎」


クルー「ぐ、な、なんで俺は武器を捨ててんだ…………‼︎‼︎」


マキマ「……」


クルー「ぐ、ぐァ……⁉︎」ブクブク

「ひ、怯むなァ‼︎   マキマを止めろォ〜〜‼︎‼︎」


マキマ「〝神剃〟(ソル)」ヒュン...!!!


クルー「⁉︎」


ブオオオオオン..!!!


クルー「な、なんだこの出鱈目な衝撃波は‼︎ ぐうァ〜〜〜〜〜‼︎‼︎


ドゴォ……ン‼︎


エース「…………」


マキマ「〝──〟‼︎」


クルー「ちくしょォ、大部隊がやられた‼︎」

「構うな‼︎‼︎   エースを助けるんだ‼︎‼︎」


わあああああああ‼︎‼︎‼︎


エース「…………────‼︎」


センゴク「いらぬ心配だ」


エース「!」


センゴク「………………」

──────

〝新世界〟

電伝虫『プルプルプル、プルプルプル』


マキマ『?』


電伝虫『ガチャ』


マキマ『もしもし』


センゴク『マキマか』


マキマ『センゴクさん?』


センゴク『確か今は遠征途中だったな。調子は大丈夫か?』


マキマ『はい。今ちょうど任務が終わった所なので帰還する所です。新世界だから……せいぜい3日ぐらいかな』


センゴク『そうか』


マキマ『それで、私に何のようでしょう。また……任務ですか?』


センゴク『まぁ、そんな所だ。──マキマ、新聞は読んでいるか?』


マキマ『? いえ、多忙でしたので』


センゴク『そうか……では手短に言う。お前には今からマリンフォードへと戻り、襲撃に来る敵勢力を追い払ってほしい』


マキマ『?』


センゴク『悪いが此方も状況は急を要していてな、お前の存在があるかないかで我々の戦況も大きく変わるだろう。

なに、別に血を流す必要はない。此度の任務においては、お前に殺生は望まん。お前の為にもだ』


マキマ『……話の全貌が見えてこないのですが?』


センゴク『私はお前に〝白ひげ率いる海賊団のせめてもの抑止力〟になって欲しいのだ』


マキマ『……あの海軍本部が、四皇に狙われる事情が何かあるんですか?』


センゴク『……暫く情勢を知らないのは仕方のないことだ。ただ、落ち着いて聞いて欲しい。

近々我々がやろうとしているのは、

──ポートガス・D・エースの処刑だ……!!!!』


マキマ『…………え』


センゴク『これ以上の要求はせん。お前は今すぐにマリンフォードへ帰還し、ただ任務を全うするだけでいい』


マキマ『一体、……何の冗談ですか。趣味が悪いですよセンゴクさん。相手は仮にも火拳のエース、そう簡単に捕まるようなことは…………──』

センゴク『………………』

マキマ『センゴクさん……?』


センゴク『……マキマ。──今回は何も考えずに戦ってくれ』


電伝虫『ガチャ』


マキマ『………………』

──────

センゴク「マキマに命じたのは、ただの敵戦力の戦意喪失。新世界を拠点とする白ひげのクルーは皆、支配の悪魔マキマには恐れ慄いているだろうからだ」


エース「…………」


センゴク「……敵は殺さん」


エース「!」


× ×


エース「………………」

センゴク「どうした…………〝火拳〟…………‼︎」

ガープ「ん?(エース……)」

──────

『ゴール・D・ロジャー? ゴールド・ロジャーの事か? 知ってるかって……?』

『とんでもねェクズ野郎さ‼︎  生きてても迷惑死んでも大迷惑‼︎  世界最低のゴミだ‼︎!  覚えとけ』


エース『………………』


『あァ⁉︎ どうしたんだよ‼︎  何でおめーが怒ってんだ‼︎!』


『ロジャーについて知りてェのかァ?』

『ロジャー⁉︎  ムナクソ悪ィ名前出すな小僧〜‼︎』


ガープ『ぶわっはっはっはっ‼︎  おいエース、最近荒れとるらしいな‼︎ 』


エース『…………‼︎  ジジイには……孫がいるんだろ? ……そいつは……幸せそうか?』


ガープ『ああルフィか。元気に育っとるわい』


エース『…………』

『ジジイ……』


ガープ『あァ?』


エース『おれは……生まれてきてもよかったのかな……』


ガープ『⁉︎』

『そりゃおめェ……生きてみりゃわかる』

──────

エース「……………………」

──────

エース『……………………』


マキマ『ねぇ、エース。私はね、あなたには幸せに生きてほしいの。

もう下手な綺麗事は言わない。どんな道を歩いても私は応援する。でもエースには、とにかくずっとずっと笑っていて欲しいな。

だって笑ってるエースは本当に幸せそうだから。その笑顔を見ると私も嬉しいの』


エース『……ッ、それはただ』


マキマ『ううん。あなたには十分に生きていて良い価値がある』


エース『!』


マキマ『だから命令です。『生きたい』と言いなさい』


エース『…………⁉︎   お、おれは……おれは…………ぢぐしょォ……‼︎   生゛ぎでェ……‼︎‼︎』

──────

エース「……おれは…腐ってる…………‼︎!」


ジンベエ「エースさん待っとれよ‼︎」

クルー「もう一歩だ‼︎」

「今行くぞォ‼︎‼︎」

「エース〜〜〜〜〜〜‼︎!」

「エース‼︎!  必ず助けるぞ〜〜〜‼︎!」

「待ってろよォエース〜〜〜〜〜‼︎‼︎」

「諦めんじゃねェぞォ〜〜〜〜〜‼︎‼︎」


エース「……くそ……おれは歪んでる‼︎!   ……こんな時にオヤジが……弟が……‼︎   仲間達が……‼︎   血を流して倒れて行くのに……!‼︎」  ポロ..ポロ..


「今になって命が……惜しい!‼︎」


マキマ「…………ッ‼︎‼︎」


× ×


エース「お前は昔からそうさルフィ!!!」

「!」

ルフィ「ハァ……ハァ……‼︎!」


エース「おれの言う事もろくに聞かねェで」


クルー「「「ウオオオオオオ‼︎!」」」


エース「無茶ばっかりしやがって‼︎!」


クルー「「「エース〜〜〜〜〜〜‼︎!」」」


ルフィ「エース〜〜〜‼︎‼︎」


海兵「助かった気になるなァ‼︎!」

「ここがお前達の処刑場だ‼︎!」


エース「弟なんだよ。手出し無用で頼む‼︎」


海兵「……‼︎」


エース「〝火拳〟!!!」


ビスタ「ふふ‼︎   何て息の合い様だ」


ハルタ「二人の逃げ道を作れェ〜〜〜‼︎!」


シュン──ダ──ダ──ダ……ダ‼︎


クルー「「「…………‼︎」」」


マキマ「ハァ……ハァ……!」


ルフィ「げっ!」


海兵「マキマ中将ォ‼︎!」

「やった‼︎」


マキマ「命令です……‼︎   二人とも、止まりなさい‼︎‼︎」


クルー「またあの覇気‼︎」

「ここに来てアイツだァ‼︎」

「クソォ‼︎   全力で止めろ‼︎」


ルフィ「母ちゃん‼︎    エースは助かるんだぞ‼︎‼︎」


マキマ「……私は海兵で、あなた達は海賊‼︎‼︎    二人とも──私の言いたいことは分かりますね…!‼︎」︎


エース「マキマさん……」


海兵「中将が来た‼︎」「よし、囲め‼︎」

「逃げ場は無いぞ‼︎」 


マキマ「ルフィ、これは命令です。あなたはあなたの……自分の冒険に帰りなさい……‼︎」


ルフィ「か、母ちゃん……‼︎‼︎」

──────

マキマ『ルフィ、間違っても森の中には入らないように』


ルフィ『何でだよ母ちゃん‼︎   あそこはおれたちの秘密基地があるんだぞ』


マキマ『ルフィ、これは命令です』


ルフィ『いつもいつもメーレーメーレーうるせェ!』


マキマ『ルフィ……‼︎』


ルフィ『いやなモンはいやだ!』

──────

「いやだ!!!」


「ルフィ…お願いだから……」


「それでもおれはやめねェ‼︎!」


「ならもう一度言うまで‼︎ これは命令です‼︎‼︎   ……ルフィッ‼︎‼︎ ──」


ルフィ「…うるせェ‼︎   邪魔だァ‼︎‼︎」

   ドゴオン!!!


マキマ「‼︎‼︎」

顔を殴られ瓦礫に吹き飛ぶ。


ボゴォ...ン!!!


海兵「マキマ中将ォ‼︎‼︎」

「そんな……中将がやられただと⁉︎」


センゴク「あやつめ……‼︎‼︎」


クルー「マキマの覇気を突破したぞ‼︎‼︎」

「いける‼︎‼︎」

「お前らァ、死んでも守れェ〜〜‼︎‼︎」


海兵「クソォ‼︎‼︎」

海兵「〝火拳〟と〝麦わら〟を処刑しろォ〜〜〜〜‼︎!」


エース「強くなったな……ルフィ」


ルフィ「おれはいつかエースも超えてみせるさ‼︎」

──────

────

──

パラパラパラ


マキマ「…………二人とも


『…うるせェ‼︎   邪魔だァ‼︎‼︎』


逞しくなって……」


「フッフッフッフッフッ‼︎」


マキマ「!」


「しおらしく物思いに耽ってちまってよォ…………大した御身分だなマキマ‼︎」


マキマ「……ああ……ミンゴですか」


ドフラミンゴ「フッフッフッフッ‼︎」

「お前と会えるのもこれっきりだろうからな…………顔を拝みに来てやったぜ……‼︎」


マキマ「…………」


ドフラミンゴ「相変わらず新世界のチンピラ共をブイブイと言わせてるみたいじゃねェの」


マキマ「それはあなたもでしょう…………」


ドフラミンゴ「フッフッフッフッ‼︎   ああ、そうさ! おれとお前は似ている‼︎」


マキマ「!」


ドフラミンゴ「形は違えど、他人を支配する術をおれ達は手にしている……‼︎   人を支配して頂点に立てば新時代を作れるんだぜェ? こんなに面白ェことはねェさ」


マキマ「全く全然……。ごっこのあなたにしか分かり得ない感情ですね」


ドフラミンゴ「フッフッフッ‼︎   手厳しいじゃねェの‼︎   人を牛耳るのが楽しいと思った事は『昔のお前』にならあったろ?」


マキマ「…………‼︎」


ドフラミンゴ「だが見損なった、今のお前はなんだ。飼われてる側の政府の犬っころか? 

俺からしてみれば、新時代に値する力を持ったお前の〝今の姿〟は見たくねェのさ……‼︎」


マキマ「心外ですね。私だって……あなたの顔を一秒でも見たくないというのに…………」


ドフラミンゴ「フッフッフッ‼︎   どうだ? 最強を貫いてきたお前が、初めて傷をつけられた気持ちは……‼︎   それもお前の倅に……‼︎」


マキマ「………………そうですね」


「…………ええ……実に悪くない気分です」


ドフラミンゴ「!」


「………………らしくねェ……」


マキマ「ふふ、私は彼のファンなもので」


「あなたも対等な関係と、それ以上に守るモノを得られれば分かりますよ」


ドフラミンゴ「守るモンだァ……⁉︎」


『(ドフラミンゴの過去:シルエット)』


ドフラミンゴ「チィ……‼︎    随分と丸くなりやがったもんだな支配の悪魔……‼︎   いけ好かねェ野郎だぜ……‼︎」


「悪いがこう見えてもおれは忙しいんだ。邪魔したな」


「せいぜい良い親の気にでもなってろマキマ……‼︎」   ヒュン


マキマ「…………そりゃあ、仕方がないでしょう。

……親なんだから…………」


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