ポッキーゲーム

ポッキーゲーム


 「ポッキーゲームって…あのポッキーゲーム?」

 「それ以外にあるのかどうかわからないけど多分それだよ。」

 やる気満々と、言わんばかりにポッキーを片手に詰め寄ってくる。

 この歳になって今更中高生がしそうなゲームをシラフでするのに気恥ずかしさを覚える俺はやんわりと話を逸らす。

 「役作りでダイエットしてるって前言ってなかったか?」

 「それはそうだけどポッキー一本程度なら誤差だよ。それとも私とポッキーゲームはしたくないのかな?」

 そう言われてしまえば断ることなんかできない。これ以上の抵抗は無駄だと判断した。その実、やってみたい気持ちがなかったといえば嘘になる。

 細い手で箱を開封して袋からポッキーを取り出す。チョコの部分を口に咥えてマジマジとこちらを見てくる。そんな姿にドキリと心臓が高鳴る。

 ほら、早くと言わんばかりに、吸い込まれそうなほど大きな黒い目が覗き込んでくる。クッキーの部分の咥えてそのゲームはスタートした。

 あかねの華奢でか細い肩に手を預け折れないように口を進める。サク、サクとゆっくりと、だけども途切れることなく少しずつ短くなっていくポッキーそれと同時に近づいて来たあかねの顔、白い肌とは対照的に情欲を誘うような真っ赤な唇、口の中が甘いのは多分チョコのせいだろう。近づくに連れて赤く染まる頬、張り裂けそうな心臓にさらなる刺激を与え…そして…

「ごめん。」

わずかほんの数センチで触れそうなところで食べるのをやめて、言葉を紡ぐ。

「俺の負けだわ。」

そういった刹那、あかねの唇ごと残りのポッキーを喰らい尽くす。

「うんっ!?」

舌先で口の中のポッキーを送りつけて口内を甘いチョコでコーティングする。そこから獣のように舌を絡めて彼女の全てを堪能する、これこそがポッキーゲームの醍醐味だろう。肩に添えてあった腕を背中へ腰へ太腿へと腕を伸ばしなれた手つきで撫でる。口の中でどもる嬌声すら愛おしい。一通り口の中を堪能し、惜しむようにあかねの口を解放する。うっすらと涙を浮かべ扇状的な目つきした彼女。

「あかね最初からこれが狙いだろ?」

「べつにそんなことないよ…?」

荒い息を吐きながら目を逸らしたあかね。なんだこいつエロすぎる。

「もう準備いいだろ?」

躊躇なく手をスカートの中に伸ばし、なぞりあげる。

「あっ…♡」

なぞって、撫でて、焦らしてゆっくりと落ちていくあかねを堪能して

それから…それから…それから…

「俺もう我慢できない。」

「私ももう我慢できない…来て」

そうして俺たちの甘い夜は幕を開けた。


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