ホースネ?

ホースネ?

無限に会話してて欲しい

誰も彼もが己の出生の秘密については興味があるもので。

スネークがベガパンクに頼んだのかオリジナルの資料を持ってきた。

2人してお互いのオリジナルの資料と写真を眺めて感想を言い合う。


「ふーん。ホーク、そなた世界一強い剣士から作られたそうじゃの」

「スネークは、世界一美しい女から作られたらしいな」

「それはそうじゃろうな。わらわこんな可愛いもの……オリジナルが美しくなくては困る。……どうじゃ?オリジナルとどっちが好みじゃ?」


資料の写真と自分の顔を並べてスネークが無邪気に笑う。

どちらと答えても面倒そうだと判断して流す。

オリジナルと答えても、本人だと答えても、なんとなくうるさい反応はしてくるだろう。


「……。オリジナルは、どんな暮らしをしてるんだろうな」

「わらわ達みたいに一緒に住んでるのかの?もしかして仲良いのかの?わらわたちと違って」


どういう意味だろうか。おれたちの仲が悪いとでも言いたいのだろうか。


「まさかそんな訳ないだろう」

「ホークはすぐに水を差す……つまらん」

「それなら、どんな風だといいんだ?」

「そうじゃの。大人の仲良しの男女が一緒に住んでるなら……けっこん?」

「お前はまたそういう……」


まぁ想像するくらいなら自由だろう。

この場にいないオリジナル達に何故か申し訳ない気持ちになった。


「一緒に住んでたらもはやけっこんと同義では?仮の話として」

「おれたちが別にそういう仲でも無いんだからそれはどうだろうか」


せいぜいルームメイトだろうか。とも思うが、大人の男女が共に暮らすというのはどういう事情であれお互い好意を持っているのだろう。

仮定の話だが。


「……確かに!そなたとけっこんするなんて……考えただけでも……。やめぬか!想像をさせるな!!」


顔を赤くしたスネークが急にバシバシと頭を叩いてきた。


「痛い。想像したのはスネークだろう」

「ふん、そなたのオリジナルは、そなたよりはレディに優しそうじゃの。なんとなく」

「スネークのオリジナルは、お前よりはお淑やかだろうな?」

「何を……!?そなたオリジナルのほうが好きならそっちとけっこんすれば良かろう?女ヶ島から攫ってくるか!?」

「お前こそ、おれのオリジナルの方が良ければ嫁にでも行けばいい」


しばらく想像をする。

自分のオリジナルと、目の前の相手が隣で並んでいる所を。

目の前の相手のオリジナルと、自分が隣に並んでいる姿を。


「なんとなく嫌じゃの……。なんか、なんか嫌じゃ。言葉にはし難いが」

「……おれも同じ気持ちだ。なんだか本人たちに申し訳ない」

「無礼者!」


きっとオリジナルの男もスネークのわがままに振り回されるのだろう。

しかしなんとなく大丈夫そうな気がしてきて不快に思った。


「やはり、オリジナルはオリジナルの生活があるだろう。育った環境や過去が違いすぎる」


女ヶ島出身。男嫌いで有名。というプロフィールの一文を指で指し示す。


「男嫌いなのか。まぁ当然じゃろうな。美しすぎて大変じゃろうし。しかし、これだけ美しい女性を目の前にしたら、ホークのオリジナルの男とてたまらんじゃろうな。みよこの麗しい顔、身体。おまけにいい匂いしそうじゃの?世の中の男なら絶対恋に落ちて然るべきだと思うのじゃ」

「それを言ったら、世界で一番強い男に惚れないスネークのオリジナルのほうがおかしいだろう」

「先に魅了するのは絶対わらわのオリジナルの方じゃの!」


色々とあれこれと勝手な想像で色々と言われているとは、本人たちも思うまい。

なんとなくだが、やはりオリジナル同士もこうやって言い合いするのかもしれないと思った。


「2人が仲良しだといいのう」


寝る前にスネークが小さく呟いた。

毛布を首までかけてやり、軽く身体を叩く。


「……おれたちと違って、か?」


返事を聞こうとしていたら、スネークはもう既に寝息を立てていた。

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