ホワイトモンスターパンフレットより引用
ドレスローザへの到着前。
自身の体や思考に異変を感じたローは様々な検査をした。
身の内に大型の寄生虫が入り込んでいる事に気付く。
更に服を脱いで全身を確認してみると、あの忌まわしい白色が体のあちこちに点々と現れていた。
皮膚のすぐ下で真っ白な幼虫が、透けて見えるほどに増殖し蠢いていたのだ。
パニックになったローは所有する医療機材とオペオペの能力を使い、自身の全身をより深く詳しく調べた。
全身の一部が寄生虫に置き換わっていた。
自身の意思で動かしている筈の腕や足の筋肉や神経が半ば虫と化していたのだ。
更に恐ろしい事に中枢神経までもがウネウネと、常人のそれとは明らかに異なる動作で蠢いている。
神に祈りながら自身の脳を確認したローは、ある疑問に囚われた。
今こうして思考しているのは、こうなる前の自分と同じ者なのか?
それとも虫なのか?
脳のあちこちに、そして深く。
虫は、ローの脳各所へ、自身を置き換えながら同化していた。
◆◆
この時点でローは静かに発狂していた。
もう一つの疑問が沸く。
オペオペの実なら、このおぞましい虫達を取り除けるかもしれない。
しかし。
その後に全身が穴だらけと化す自分はどうなってしまうのか?
それが恐ろしくて、手を打たずに放置していたのか。
それとも、既に思考と精神の主導権は虫達に握られていたのか。
もはや『今』のローにはわからなかった。
そんな事はどうでもよかった。
切断された腕の断面から触手を垂らしながら起き上がる。
その様子を愕然とした顔で見つめるドフラミンゴとルフィを見て、ローは思った。
二体とも、宿主として素晴らしい個体だ、と。