ペンギンに手コキしてほしい

ペンギンに手コキしてほしい


・ペンギンだと思って書いてるからペンギン(鋼の意志)

・相手役のことは考えていない 喋らない 一応船員ではある

・エロとしては非常に薄味(やらないので)

・色々なことから目を背けてほしい


(あらすじ)

ペンギンにちょっと挑発的な感じで手コキしてほしいよな~って発端だったのに何か思ってたんと違うな……



海上で集団生活を送っていると、何となく色々な都合が重なって思うように自由な時間が取れないこともある。ちょうど今の状況がそれだ。海に出たのは自分の意志だし、長い間そうやって生活してきたからとっくに慣れてしまったものの、不満がないと言えば嘘になる。

頭の中でこの後の予定を確認してると、不満の原因がちょうど通路を歩いてきたところに出くわした。出会い頭に軽く挨拶をしてきたそいつとおれは「そういうこと」をする仲だが、最後に行為に及んだのは随分と前のことだ。航海に支障こそないものの何かとバタバタするこのところ、互いにただ仲間の顔をして過ごしていた。

「お前さ、溜まらないの?」

辺りを見回し、他に人の気配がないのをいいことに、思い切って尋ねてみる。下世話な問いに答えはなかったが、その表情を見れば肯定は明らかだった。もちろんおれだって一人で性欲の処理くらいしていたが、やっぱりどこか寂しいというか、満たされないところが残る。おそらくこいつも似たようなことを感じていたのだと思うと、何となく気分がいい。

「手でいいなら抜いてやるよ」

だから、少しでもその不満を解消してやることにした。唐突なおれの提案に戸惑っているところに「遠慮すんなって」と言葉をたたみかけて、有無を言わさず腕を引く。

「さっさと行こう。おれ、この後見張りなんだ」

あと1時間もしないうちに交代の時間が来て、おれは見張り番に就かなければならない。その後の交代要員はこいつだ。とにかく最近は間が悪い。落ち着いて性行為に耽る機会なんて、そうそう回ってきそうになかった。

このままだとこいつのチンポの感触だって忘れてしまいそうだ。本当のことを言えば、一方的な奉仕でもしたくて堪らないのはおれの方だった。


厚い扉を開いて、中が無人であることを確かめる。誰かに見咎められないうちに身体を滑り込ませ、部屋の奥に足を進めた。引いていた腕を思いのほか強い力で掴んでいたことに気が付き、不自然に思われないようそっと離す。おれの気持ちが逸っているのが伝わっていなければいいけれど。

航行が順調なときの機械室は、定時点検以外にはほとんど人の立ち入らない穴場だ。据え付けられた装置の類のおかげで入口からの死角は多いし、騒音を閉じ込めるための気密性の高い扉は話し声も通さない。秘密を作るにはうってつけの場所だった。さすがに、こんな如何わしい使い方をするのは初めてだが。

ツナギをはだけて相手のチンポを取り出し、手のひらを使って擦りあげてやる。あっという間に芯をもって勃ちあがるそれを目にすると、こいつも随分と我慢していたのだろうと再確認させられた。

「ほんとに溜まってたんだな」

動きに手の中のモノが反応して、堪えきれなかったらしい吐息混じりの声が聞こえてくる。指の腹で先端をなぞってみると、ぎゅっと眉間に皺が寄った。

自分だけが処理してもらうのは不平等ではないか、という相手からの申し出を、おれは早々に断っていた。時間になったらすぐに見張りに就かなければいけないとか、「処理」だけで済まなくなったら困るとか、そういった理由をつけて。実際、今の状態で触れられて行為をねだらずにいる自信がまるでなかった。

刺激を与える動きは止めないまま、手の中にあるモノの形を改めて確かめてみる。

おれを知り尽くして的確に気持ちいいところを突き上げる先端。挿抜のたびに隅々まで腸壁を引っかくカリの段差。太さも長さも、身体に覚え込まされたそのままだ。

視線が下を向き、手元に固定されて動かせない。帽子があってよかった。きっと今のおれは、発情しきった酷い目をしている。自分自身は感じるようなところを何ひとつ触れられていないにもかかわらず、チンポの姿を目の当たりにしただけですっかり興奮して、ひとりでに腹の奥を疼かせてしまっているのだから。

気分の高揚に伴い、相手を慰めるおれの手はますます熱心に動いていた。自分のモノを追い込むのとはまた違う、ねだって搾り取るような動き。漏れる声が切羽詰まって、下腹部に力が込もる。いよいよ向こうも限界が近付いているらしかった。

「なんだよ、もうイくのか?……ほら、出しちまえよ♡」

耳元に唇を寄せてそっと囁いた。小さなうめき声が聞こえた後、遂に精液が吐き出される。手のひらに受け止めたその濃さに思わず喉が鳴った。

いやいや、さすがにマズい。ここで思うままに行動しようものなら、絶対に後に引けなくなるに違いない。誘惑を振り払いながら手を拭う。相手の衣服を手早く整えて、室内の痕跡や着衣の乱れがないことを慎重に確認してやった。大丈夫そうだ。

「これくらいならいつでもしてやれるから、したくなったら言えよな」

健気にも次回以降の奉仕の約束をしてみせるおれは、間違いなく大嘘つきだった。献身的なフリをして、頭の中ではずっと先ほどの記憶を反芻している。いいオカズが手に入ったからもうしばらくはオナニーで我慢してやろう、程度のことしか考えていない。

おれの言葉を受けて申し訳なさそうに眉尻を下げるこいつには悪いが、このまま最後まで騙されてもらうつもりだ。このまま「健気なヤツ」でいることで、後々イイコトがあるだろうと期待してしまったもので。

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