ペンギンが誘ってくる話たち

ペンギンが誘ってくる話たち


・ペンギンだよ(鋼の意志)

・短い話が3本入っています ヤマもオチもない 前2本はエロもない

・相手はモブ船員俺くん(恋人)想定 あと一部で喋る ご了承ください

・あらゆることを看過してほしい


(あらすじ)

自分から誘ってくるペンギンはエロい(無自覚に誘うやつもいずれ書きたい)




【エロいキスして誘うペンギン】


いやに落ち着かない気分だった。よりはっきりと言い換えれば、ムラムラしていた。

このところは海況の安定しない中の航海続きで、落ち着ける余裕もなかったからだ。当然そっちも「ご無沙汰」になっている。とにかくバタバタしていて、オナニーさえ満足にできていない。

おれだって仮にも若くて健康な男なわけで、溜まるものは溜まる。そういうわけで、久しぶりに行きついた島で街に降り、ついに耐え切れなくなって恋人を路地裏に引っ張り込んだのは仕方のないことだ。多分。

活気のある街も、一本細い路地に入ってしまうと人の気配が遠くなる。通り沿いの店からの客引きの声を聞き流しながら、おれは衝動のままに目の前の唇に噛み付いた。

隙を突いて、半ば強引に口を割り開く。奥に引っ込もうとする相手の舌先に軽く触れて、そのまま上顎を舐め上げた。頬の裏側から下顎に向かい、今度はしっかりと舌を絡める。それを咎めるように軽く歯が押し当てられる。

「ふ……ッ♡んんッ♡♡」

隅々まで愛撫するつもりで舌を動かしているうちに、口淫でもしている気分になってきた。全身の力が抜けそうになって、つい相手の服に縋りついてしまう。

「んッ♡……はッ♡んむ……?」

一心不乱に口付けていると、急に身体を引きはがされてしまった。それまでおれにされるがままだったそいつが、肩を掴んで距離を取ったためだ。

おれはキスだけでもすっかりデキあがってしまっているのに、この期に及んでこいつは更に我慢しろと言うつもりなのか。ムッとしながらも懲りずに身を寄せて、脚の間を太ももで探ってみる。明らかに通常と違う、硬い感触があった。

「なんだよ……お前もその気になってんだろ?」

どこか気まずそうに目を逸らす恋人の姿を見て、堪えきれないニヤニヤとした笑みが浮かぶ。さて、使えそうな宿はどの辺りにあったかな。





【うさみみのペンギン】 ※超短い


それはあまりにも雑なんじゃないか。

言葉はなくとも視線は雄弁だった。

普段通りの白いツナギ姿と、とりあえずという風情で頭に乗せられた付け耳。ウサギの扮装というには確かにお粗末だろう。雑と評されても致し方ない。

溜息と共に吐かれた「また妙なことをして」という呆れの言葉を聞き流しながら、ペンギンは頭上に揺れるウサギの耳を弄んでいた。いつも着けている帽子が邪魔にならないようにと垂れた耳を模したものを選んだが、ふわふわとしていて触り心地がいい。

そもそも、自分は適当なウサギの真似事を咎められたくてここにいるのではない。

「これさ、尻尾もあるんだよ」

付け耳を眺めていた目線がペンギンの下半身に向いた。確認しやすいように背中を向けてみせるが、いつもと変わらない後ろ姿があるだけだ。首を傾げる相手に向き直り、そっと耳打ちする。

「『直接』着けてるんだけど……見るよな?」

偽物の尻尾をどのようにして「直接」身に着けているのかなんて、詳細に教えてやる必要もないだろう。ごくりと唾を飲む音が聞こえる。少なくとも、ペンギンから尻尾の存在を打ち明けられた相手は、その所在を正しく理解したらしかった。





【ゴム咥えて誘うペンギン】 ※俺くん(仮)喋る


「なあ、ヤろうぜ♡」

大胆にツナギをはだけ、薄いインナーのみを纏った胸を反らす。コンドームのパッケージを咥えながら恋人の身体に腰を下ろし、ペンギンは挑戦的な笑みを浮かべてみせた。

私室のベッドで横たわって休んでいたところに乗りかかったはいいが、相手からの反応は薄い。部屋に踏み込むなり直接的な誘い文句を口にしたペンギンには驚いたようだが、応じるでもなく拒否するでもなく、ただ目を瞬かせている。

ここまでしておいて何とも思われていないとすればあまりにも惨めで恥ずかしい。沈黙に耐えかねたペンギンが、そっと顔を逸らす。

「……何とか言えよ。これ、結構勇気要ったんだぞ」

ようやく寄越された返事は、短くもどこか力強かった。

「わかった、しよう」


***


今後いくら欲求不満になったとしても、二度とあんな誘い方はするものか。犯し続けられて疲れ切った身体をヒクつかせながら、ペンギンは心に誓った。

力の入らない四肢は自重さえ支えきれなくなって、無造作にベッドの上に投げ出されている。うつ伏せのまま指ひとつ動かせない身体の上に影がかかる。意識がそちらに向かうより前に手首を抑えつけられ、挿入の気配にペンギンの身体が強張った。

「もういい……♡ちんぽッ♡いらな……ッ、あ゛ッちが、いりません♡」

もがこうにも手足はまともに動かない。涙混じりの懇願も虚しく、ペンギンの尻穴に肉の杭が打ち込まれていった。すっかり快感を刻み込まれたそこは、持ち主の意志とは無関係に侵入者を迎え入れてしまう。

「や゛ッ♡ら゛め゛ッ♡♡」

「そっちが誘ったのに、そういうこと言うんだ」

揶揄するような、あるいは責めるような言葉と共に、陰茎が最奥をこじ開けていく。隅々まで蹂躙されきったはずなのに、どんどん高まっていく身体が順応さえ許さない。

なんとか逃れようとするペンギンの腰は、もはや僅かに揺れるばかりだった。ねだっているようにさえ見える弱弱しい動きを嘲笑い、絶え間なく絶頂が叩き付けられる。

「ん、お゛ッ♡すみま゛、あ゛、ん゛ッ♡ずみ゛まぜ、でしだァッ!♡♡やめッ♡やべでェッ♡♡」

我慢させてたみたいだし、満足するまでイかせてあげるから。本日1回目の挿入の前に、ペンギンが掛けられた言葉だった。今、とっくに「満足」したペンギンの言葉は完全に聞き捨てられて、身体を弄ばれ続けている。

「ごめ゛んなざいッ♡♡ごべ、な゛ざッ♡もお゛ッ、やだあ゛ッ♡♡」

「っはは、ずっとイってるのに『やだ』はないって。ほら、こんなに締め付けてさ」

辱める言葉を否定するため、ペンギンは必死に首を横に振る。流し続けている涙のせいで頬がヒリヒリと熱かった。

「ゆ゛るじでッ♡♡やだ、や゛だッ♡お゛ね゛がッ♡♡も゛ぉ、や゛べでえ゛ッ♡♡」

意味のないまま繰り返すしかない哀願に、意識が溶けていく。

もしも時を遡れるならば、数時間前の自分に「要らない勇気は出すな」と言い含めてやるのに。過去の失態を思い返し、ペンギンは叶わない願いに思いを馳せる。とりとめのない思考はすぐに絶頂に塗り潰され、嬌声に変わって消えてしまった。





キスするペンギン、メスとしてめちゃくちゃにしてほしいのに「若くて健康な男」を自称するのはどうなのって書いててちょっと笑ってた

あと俺くんについてはなるべく喋らないようにしたかったけど限界が見えてきてる感ある

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