ヘリオガバルス
【元ネタ】史実
【クラス】キャスター
【真 名】マルクス・アウレリウス・アントニヌス・アウグストゥス
【性 別】精神的には女、肉体的には男
【身長・体重】168cm・56kg
【外 見】女装した青年
【属 性】混沌・中庸・人
【ステータス】筋力:E 耐久:D 敏捷:E 魔力:B 幸運:E 宝具:EX
【クラス別スキル】
陣地作成:A
魔術師として自らに有利な陣地を作り上げる。「工房」の形成が可能。
Aランクとなると「工房」を上回る「神殿」を構築する事ができる。
生前に彼女が建設した神殿エラガバリウムには、ありとあらゆる神聖な物品が集められた。
道具作成:D
魔力を帯びた器具を作成可能。
エラガバルスの神官として祭具を作成。
【固有スキル】
信仰の加護(エラガバルス):A+++
一つの宗教に殉じた者のみが持つスキル。加護とはいっても最高存在からの恩恵ではなく、自己の信心から生まれる精神・肉体の絶対性。
ランクが高すぎると、人格に異変をきたす。
エメサの太陽神エラガバルスへの信仰。
自己と神を同一視しようとするそれは、狂信以外の何物でもない。
戴冠せるアナーキスト:B
他者の有するスキルの一部を短期間だけ無効化する。
キャスターはローマ皇帝として戴冠したが、放埒の限りを尽くし、その乱行により後世にて「変態」「最悪の皇帝」の汚名を得た。
如何なる他者も顧みる事なく、皇帝の権力も自己を演出する為の道具に過ぎない。
他者を認めぬ独り舞台で、狂帝は踊る。
ウェスタリスの瀆聖:B
神性や聖職者と対峙した際に自分に有利な補正を与える。
キャスターは「ウェスタの処女」の禁忌を破り、巫女であるアクウィリア・セウェラと婚姻を結んだ。
エラガバルスを最高神とし、他の神々を従属させるなど、ローマにおける宗教的慣行を無視したことに由来するスキル。
自虐の淫蕩:B
ダメージを受けるたびに、自己の魔力が僅かながら回復する。
姦淫を極め、あらゆる淫蕩に耽った彼/彼女は、特に痛めつけられることを好んだという。
男でも女でも無い、自己の「性」へと向けた復讐。
精神錯乱:B
精神的な干渉に対して弱体化する。
男と女、神と人、権力と傀儡。
複数の原理に引き裂かれた不安定な精神性。
アイデンティティーに強い不安を抱えている。
自己改竄:C
他者の信仰を自らに継木し、自己を改造するスキル。
自己の誕生の不確かさ。
キャスターの母ユリア・ソエミアは自らをカラカラ帝と姦通したと語り、キャスターをカラカラ帝の実子であるとすることで兵士達からの支持を集めた。
このスキルを使用すればする程キャスターのアイデンティティーは不安定なものとなってゆき、キャパシティを超えると自己崩壊を起こす。
私は……何?
【宝具】
『黒き霊石に神聖を捧ぐ(バイトゥロス・エル・ガバル)』
ランク:EX 種別:対宝宝具 レンジ:15 最大捕捉:1
エラガバルスの神体である黒い円錐の霊石。
キャスターはエラガバルスをユピテルの上位に置き、アスタルテ、ミネルヴァ、ウラニアをその配偶神とした。また、神殿には、マルスの盾アンキレー、パラディウム、ウェスタの聖火など、ローマの民が神聖と見做していた物全てが蒐集されたと伝えられる。
他者の有する神秘の簒奪。
判定を行い、成功すれば相手の有する宝具を使用不能にし、その力を黒石内にストック。失敗した場合でも、その力の一部を奪い、ランクを低下させることが出来る。
『陰陽を灼く烈日(ヘリオガバルス)』
ランク:D〜EX 種別:対人宝具 レンジ:1 最大捕捉:1
黒石を自らの内に取り込み、自己を両性具有の神霊ヘリオガバルスに昇華させる。
ストックされた神秘の量によってその効果は変動。
Dランクでは微弱な神性スキルの付与程度だが、EXランクでは権能の行使すら可能。
この宝具の発動中は、自身の精神錯乱スキルが無効化される。
男と女という矛盾を乗り越えた神となって初めて、彼/彼女は一つの存在として大地に立つ事が出来る。
【解説】
ローマ帝国23代皇帝。ヘリオガバルスの名で広く知られており、以下でもその名前で通す。
祖母であるユリア・マエサは自らの娘ユリア・ソエミアと共謀し、ヘリオガバルスをカラカラ帝の不義の息子であると宣言、軍隊の支持を獲得。
武力によって先代の皇帝を処刑し、ヘリオガバルスは14歳で帝位に据えられた。
皇帝就任後はシリアの太陽神エラガバルスをローマの主神に据える、大規模な淫行に耽るなど破天荒な行いを繰り返し、大いに周囲を騒がせる。
人々の間でヘリオガバルスへの不満が高まり、ユリア・マエサはもう一人の孫アレクサンドル・セウェルスを帝位に就けようと画策。反乱が起こり、ヘリオガバルスは処刑、遺体は川に投げ捨てられた。
222年、18歳で死亡。
【人物像】
異性装や同性愛など、性的倒錯の逸話が知られているが、一説によれば、ヘリオガバルスはトランスジェンダーであったとされる。
14という若さで与えられた権力、自分を傀儡とする母の一族、定かならぬ出生、そして自己認識と食い違う性を持つ「男」でも「女」でも在れない自己。
その様な境涯で、彼は太陽神エラガバルスの存在に救いを見出す。
両性具有のこの神に自らを重ね合わせることで、彼女は自己を定義。また神官としての神の意を受けた振る舞いは、他者からの干渉を跳ね除ける事が出来た。
性的な放埒は、自己の「性」に対する自棄と復讐の現れ。
限りない快楽と混沌の坩堝に自らを置き、性という概念を嬲り尽くすことで自分自身の性から目を逸らそうとした。
願いは「アクウィリア・セウェラとの間に子供を作る」
ヘリオガバルスは4度の結婚をしているが、ウェスタの処女であるアクウィリア・セウェラは、女性としては唯一彼が自分の意思で結婚した存在である。
彼女との結婚はユリア・マエサによって取り消され、ヘリオガバルスは他の女性と政略結婚を行う。
しかし、一年も経たずに離婚し、彼女はアクウィリア・セウェラと再度結婚。
この結婚も長くは続かなかったが、アクウィリア・セウェラはヘリオガバルスが殺されるまで一緒に暮らし続けていたとされる。
ヘリオガバルスはアクウィリア・セウェラの存在に惹かれ彼女と結婚する。
その慕情は間違いなく「彼/彼女自身」の心の底から出て真正なもので、ヘリオガバルスの存在の救済となり得るものであった。
……しかし、ヘリオガバルスのセクシュアリティは、女性であるアクウィリア・セウェラを真剣な対象とする事が出来ず、「子供を作る」という願いを果たすことは不可能であると知った。
絶望したヘリオガバルスの精神状態は悪化。以降男性の妻となることを望み、他者から痛めつけられることに喜びを見出す様になる。
聖杯戦争で呼ばれた際は、トランスジェンダーという自らを定義する概念が手に入る為、精神的には比較的安定。引き裂かれた精神が完全に回復することは無いものの、生前の乱行はある程度落ち着いている。
ヘリオガバルスは「変態」として扱われることの多い人物であるが、敢えてその要素を前面に出さず、一人の悩める人間をコンセプトに作成。
キャラクター性を優先したため、史実性は恐らく薄い。
自己解釈マシマシ。