プロローグ 『話がしたい。あの頃約束した場所で待ってる』 俺が送信したLINEに既読がついて、短く『わかった』と返信が来た。 返信主の名前には、“Sae Itoshi”の文字。 サッカーファンなら誰でも知ってる世界的ミッドフィルダーで、U-20代表と共にブルーロックスと戦った強敵で、凛の兄。 俺にとっても、かつて戦った強敵。 その筈だった。