プレゼント
Your name「それでルビーちゃんに相談したいことがあるんだけど。」
会員制の居酒屋の個室でルビーちゃんと一通り食事とお酒を嗜んだあと相談をしようとしてた。
「あー、そういえば今日の趣旨はそれでしたね。それで相談ってなんですか?」
「実は…明後日はアクア君の誕生日なのにまだプレゼントが決まってなくて…それでルビーちゃんならアクア君何がほしいかわかるかなって。」
「あー…お兄ちゃんに関する相談なんですね…。あっすみませんブランデーの強い奴一つお願いします。」
少し引き攣った顔に疑問を覚えながら相談を続ける。
「アクア君にはいろんな贈り物してて、いつもはアクア君のこと考えるとすぐに浮かぶんだけどそろそろネタ切れで。」
お酒を煽りながら耳を傾けるルビーちゃん。
「うーん、お兄ちゃんの好きなもの…お義姉ちゃんをあげればいいんじゃないんですか?」
当たり前のことを言うようなテンションで真剣に答えるルビーちゃん。
「何言ってるの!?プレゼントはちゃんとしたの渡したいし、そんなの『自意識過剰だな』って鼻で笑われるだけだよ!」
「いやぁ…別にそんなことないと思いますけどね…。そういえばお兄ちゃん少し前にSOMYの新しいヘッドフォン欲しがってましたよ。」
「あーそれならこの前の結婚記念日にアクア君にプレゼントしたやつかな?このデザイン?」
そう言ってスマートフォンのフォルダからヘッドフォンを付けたアクア君の写真を見せる。
「この時のアクア君、いつもクールぶってるのに子供みたいに笑顔になって可愛くてね!」
「…これって結構しませんでしたっけ?」
「確か20万円とちょっとぐらいしたかな?この前さ、アクア君に沖縄旅行全部用意してもらっちゃったから申し訳なくて奮発しちゃったんだ!このアクア君の笑顔すごい可愛くて!」
私の目を逸らしながら店員さんに新しい注文を取るルビーちゃん
「すみません、バーボン一つ追加お願いします。」
「あっ私も同じの一つお願いします。お酒強いんだねルビーちゃん。」
「あはは…私結構飲めるタイプなので…。」
(居酒屋でも兄夫婦の惚気話なんて飲まなきゃ聞いてられないよ!ただでさえ家で話す時は『あかねが可愛すぎて辛いんだがどうすればいい?』とか聞いてるんだから!)
「そうそう沖縄といえばあの時のアクア君ね…」
お酒で気分が上がってしまい言葉が止まらない。
とかれこれ30分近く沖縄旅行の思い出を話してしまった。
「…お義姉ちゃん?プレゼントの話がまだ終わってないですよ?」
「んー?あー、そうだったかも。」
「お義姉ちゃん?結構酔ってません?大丈夫?」
「だいじょーぶだいじょーぶ!うーんとねどうしようかな?」
(そろそろお開きにしないとあかねさんが寝てしまうな…急いで決めないと…)
「私から見るとやっぱりお義姉ちゃんのことが大好きに見えるからお義姉ちゃんをプレゼントすればいいんじゃないんですかね?」
「えー?でも恥ずかしいよそれはー。」
「大丈夫ですよ!ほら見てください!お兄ちゃんが好きな漫画のか◯や様は告らせたいのワンシーンで好きな人へのプレゼントに『プレゼントは私♡』ってリボンとかを自分に巻きながらすれば喜ばれるって描かれてますし!」
「そうなのー?でもまだちょっと恥ずかしい…。」
「いえいえ!お義理ちゃんがやれば絶対喜んで貰えますから!」
「そうなのかなー?じゃあやってみるね!アクア君に喜んで貰えるかな?えへへ。」
(やっぱり可愛いなこの人…フリルちゃんなら絶対押し倒すって絶対言ってたよ…。)
「そうですね!じゃ今日はもうお開きにしますね!タクシー呼んでるので。お家まで送りますね!」
そうして私はルビーちゃんに自宅まで送ってもらい解散するのであった。
誕生日10分前
「…あの時は勢いで決めちゃったけど改めて考えて結構恥ずかしいなこの格好…。」
以前、アクア君のHな画像フォルダ(削除済み)を見つけてそのお詫びとしてその中の画像の中にあったその服を買ってもらった。それ以来恥ずかしくて着てなかったけど今日のプレゼントに必要だから改めて着てみた。
「うーんでも結構これ透けてるよね?下付けてるとはいえ結構恥ずかしい…。今になって羞恥心が湧いてきたよ…。」
今私が着ているのはちょっとやらしい雰囲気の透けているネグリジェだった。
「でもこれ以外他に用意してないしなぁ…あとはリボンを巻いて…」
全身に軽く巻きながら最後に端と端で手首を固定するように軽く巻き付ける。アクア君には誕生日になったら部屋に入ってもらってプレゼントを渡すって言ってあるからもうそろそろ…
などと思考をしていたら時計の針は真上で交差していた。
「入るぞ、あかね。」
ガチャリとドアを開けて寝室に入ってくるアクア君。その部屋の光景に目を見開いて驚いていた。
「お、お誕生日おめでとう…!そ、その誕生日プレゼントはね…わ、私だよ…えへへ…」
おそらく私の顔は林檎のように赤く紅潮してるだろう。
(やっぱり恥ずかしいよこれルビーちゃん!)
ゆっくりとベッドへと歩いてくるアクア君。
「あかね。」
真っ赤な顔を背けていると名前を呼ばれてアクア君の方を見ようとすると…
「んぅ…」
彼に唇を奪われた。不意な出来事にびっくりしていると彼の腕が優しく後ろに回されて撫でるように頭を押さえて固定される。ベロで口の中をじっくりと食べられて息が詰まる。それを察してか惜しむようにゆっくりと距離が空いていく。口の先から銀色の糸が繋がれていく様子は艶かしかった。
「ごめん、我慢できなくなった。」
「そ、そんなに?」
「うん、理性飛ぶぐらい今のあかねがエロかった。プレゼントなんだよな?」
そう確かめた後ダブルベッドへと倒される。リボンをゆっくりと紐解いてく様子は服がはだけていくような妙な羞恥心に近かった。紐解かれたリボンを頭上に持ってかれた私の手首に簡単に結ばれる。
「あのー?アクアさん?これは…。」
「今日はもう我慢できそうにないから」
あーあ♡どうやら彼の性癖を完全に刺激してしまったらしい。そう言いつつも簡単に紐解けるぐらいにしてるのが彼らしいといえば彼らしい。
「いいよ…だってアクア君へのプレゼントだから」
そうして本日の主役にベッドの上にご馳走は食べられてしまいましたとさ。
一ヶ月後
「あかねさんからまた相談事があるって…なんだろうな?そういえばこの前の誕プレの話はどうなったんだろう?勢いであんなこと言っちゃったけど。」
「こんばんわルビーちゃん。今注文取ってる所だよ。何飲む?」
「じゃあ初めは軽くレモンサワーから、あかねさんも同じのでいい?」
「…いや…私は今日は烏龍茶でいいかな?」