ファニー・アダムス
【元ネタ】史実、『闇に囁くもの』
【CLASS】フォーリナー
【マスター】
【真名】ファニー・アダムス
【異名・別名・表記揺れ】Fanny Adams
【性別】女性
【身長・体重】139cm・33kg
【肌色】白【髪色】茶【瞳色】青→黄
【スリーサイズ】63/50/65
【外見・容姿】
第一再臨:白と赤のワンピース、茶のショートヘア、澄んだ碧眼。背が高く、可愛らしく、聡明な少女
第二再臨:赤黒い血に染まりズタズタに引き裂かれたワンピース、乱れたショートヘア、恐怖に歪んだ表情、背が高く、可愛らしい少女
第三再臨:頭部に捻れた巨大な羊の角、黄色い蛸を思わせる淫靡な服、長い袖とスカートからは触手の様に変質した四肢が這いずり出る。所々に鱗が生えた生気のない灰色の肌、黄色に染まった虚ろな瞳の少女
【地域】イギリス・ハンプシャー州・アートン
【年代】1859年4月30日~1867年8月24日
【属性】中立・善
【天地人属性】人
【その他属性】人型・子供・神性・領域外の生命・人類の脅威・浮遊(第三再臨のみ)
【ステータス】筋力:B 耐久:D 敏捷:B+ 魔力:C 幸運:E- 宝具: EX
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【クラス別スキル】
領域外の生命:EX
外なる宇宙、虚空からの降臨者。
邪神に魅入られ、権能の片鱗を身に宿して揮うもの。
その身が契りしは、星間宇宙に戦ぎし颶風の邪神。大いなる羊飼い。
神性:B
宇宙に潜む高次生命の贄となり、強い神性を帯びる。
計り知れぬ脅威の体現者。その代償は、正常な自己の価値の喪失。
単独行動:C
マスターとの繋がりを解除しても長時間現界していられる能力。
優れた判断力と智慧に裏付けされた、探索・行動技能。
狂気:B
不安と恐怖。調和と摂理からの逸脱。不定期に発露する全身への幻痛と霊基混濁に伴う人格変質。周囲精神の世界観にまで影響を及ぼす異質な思考。
【保有スキル】
聡明な少女:A-
下級精神耐性スキル。鋼鉄の決意などの下位互換。
あくまで常人の範囲であるが、強靭な精神力の持ち主であり、柔軟な発想力を発揮し、他者から好かれる愛嬌も持ち合わせる。
POW、INT、APP16。
目星や忍び歩きなども得意な優秀な探索者だが、ここぞという時に失敗する程度の技量。
不定の凶器:B
フォーリナーの肉体は細かく切り刻まれ、引き裂かれていたが、押収品の小さなナイフではそのように遺体を解体することは不可能であり、何か別の凶器が使用された筈であると推測された...が、結局その凶器は発見されなかった。
人類史のブラックボックスに邪神が干渉した事により変質、成立した深淵祭具(アーティファクト)。
鉱物にも生き物のようにも見える、脈動する異様な黒の縞瑪瑙で構成された、金の象眼細工で不可思議な模様が刻まれた剣。
人体解体に適し、様々な刃物へと自在に変化し、あらゆる生体組織を断ち切り、破壊する。
名状し難き贄の羊:A+
黒き湖の淵にて蠢く『名状し難き邪王』に捧げられし贄。
正常な肉体、清浄な魂、純粋な精神を代償に溟き加護を賜り、霊基を不浄なる異形へと置換する。
深淵の魔術理論への限定接続、神話技能の断片習得、霊基構造歪曲による筋力・耐久・霊基質量の破滅的な増大。
【宝具】
ランク:C+ 種別:対軍宝具 レンジ:1~50 最大捕捉:100人
散乱した自身の血肉を触媒とし、ファニーが育った穏やかな商業の町であり、その幼い命を散らした惨劇の舞台となった"あの日"のアートンのホップ農園を再現する。
茹だる様な蒸し暑い夏の陽、快晴の草原、ブラックベリーが実る小道、駆け抜ける子供たちの笑い声...
小さな町の片隅にていつまでも続くと思われた平穏な日々、それらは一瞬にして血に染まり、歪み、壊れ果て、血腥い風が吹き荒れ、即効性の呪詛と狂気を撒き散らす。
フォーリナーの精神状態の狂気の比率に応じて威力が上昇するが、その分要求される自傷ダメージも深くなる。
狂気と穢れを歓待する『風の貴公子』の祝祭。
ランク:EX 種別:対価値宝具 レンジ:1~10 最大捕捉:1人
現実の歪曲、無垢の穢濁、正常性の破壊。
本来であれば自己の価値を否定する事で穏便に現実から消滅するだけの自滅能力であったが、『名付けられざりしもの』と称される邪神の憑坐と化した事により、"この宇宙に於ける価値と正常性"を否定し、"領域外に於ける価値と正常性"で塗り替える現実侵蝕宝具として成立した。
赤黒く酸化した血液、或いは黄ばんだ膿の様な液体に濡れた触手は接触者の肉体、霊基を蝕み、侵蝕に対する耐性も徐々に"無価値"とする事で無力化しつつ破壊、最終的に根源的な生体構造を犯し肉体の過剰増殖による自壊、皮膚と肉を泡立たせ、化膿、悪疫の塊へと変え、そして"眷属化"して領域外の生命へと改変する。
フォーリナーに対して用いれば霊基構造を"神化"させ、条件が揃えば『黄衣の王』の限定受肉さえ叶う禁断の宝具。
清浄な価値観を捻じ曲げ、玩ぶ黒き湖の淵より伸びる『名付けられざりしもの』の指先。
【Weapon】
『不定の凶器』
正式名称『黄の剣(The Yellow Sword)』
現場から失われた凶器と胸骨を始めとするファニー・アダムスの肉体片から作り出された忌まわしき深淵祭具(アーティファクト)。
『触手』
蛸の様でもあり、ミミズの様でもあり、鱗で覆われた爬虫類の様でもある、フォーリナーたちが有する触手の中でもとりわけ形容し難い異形の触手。
第二宝具の真名解放が成されていない状態では通常武装として判定され、破壊力と精密操作性を両立した物理攻撃、吸盤のような部位から魔力を吸収し、アルデバランより吹く恒星風を噴出し、呪詛の拡散、体内への圧縮風注入による臓器破壊や破裂、未明物質(ダークマター)や霊子を震わせる真空下でも伝わる歌声、星間飛行可能な推進力を得る。
【解説】
イギリス、ハンプシャー州の北部にある商業が盛んな小さな町アートンの住宅街で家族と暮らしていた英国少女。
両親と五人の兄弟姉妹と共に暮らしており、「背が高く、可愛らしく、聡明な少女」であった彼女は実年齢の8歳よりも年上に見え、活発で明るい性格で地元では有名だった。
19世紀のアートンは重大な犯罪とは無縁な場所であった。
1867年8月24日の午後は蒸し暑い晴天だったと記録されている。
その日、ファニーは妹のリジーと親友のミニー・ワーナーと一緒に、母親のハリエット・アダムスの許しを得て近くの草原へと遊びに行っていた。
アートンでは犯罪が少なかったため、ファニーと地元の子供たちはよく草原で遊んでいたという。
少女たちが草原へと向かう途中、ホップ農園を通り抜けようとした時、フロックコートに明るい色のズボン、シルクハットを被った男、フレデリック・ベイカーに遭遇した。
彼は事務弁護士クレメンツに雇われた事務弁護士見習いであり、三人に「お菓子に使う様に」とお金を渡した。
少女たちはベイカーと過去に教会の集会などで顔を合わせていた為、お金をもらうことに抵抗はなかった。
そして、ベイカーは少女たちがザ・ホロウ(隣村に続く小道)を走り回り、自分が摘んできたブラックベリーを食べてたり、無邪気に遊ぶのを見ていた。
約1時間後、リジーとミニーは充分に遊び満足したので、家に帰ることにした。
ベイカーはファニーに声をかけ、隣村まで一緒に行ってほしいと頼む。
ファニーはそれを断ったが、その時ベイカーは彼女を無理やり抱きかかえ、近くのホップ園に運び込んだ。
リジーとミニーは、ミニーの母であるマーサの元へ走り、この事を伝えたが、子供の遊びだろうと聞く耳を持たず、無視した。
ファニーの誘拐に気付かないまま時は経ち、午後五時頃に近所の主婦ガードナー夫人がファニーの不在に気付き、少女たちに行方を尋ねた。
少女たちはその日の出来事を話し、程なくして情報はハリエット・アダムスに伝わり、二人がかりでファニーの捜索を行った。
道中、ホップ園の門の近くまで行ったところ、ベイカーと遭遇した二人は彼を問い詰めた。
ベイカーは「いつもの様にお菓子のお金をあげただけですよ」と答えた。
ガードナー夫人は「警察に突き出しますよ」と揺さぶりを掛けたが、ベイカーは「どうぞ、好きにすればいい」と言った。
彼が事務弁護士見習いだったことも災いし、二人の疑いから逸れてしまった。
ガードナー夫人とハリエット・アダムスはファニーがまだ周囲の野原で遊んでいると信じて家に戻った。
その後、ホップ園の近くで、作物の手入れをしていたトーマス・ゲイツ(クリミア戦争の退役軍人、かの有名な軽騎兵旅団の突撃にも加わった経験を持つ)が、作物の世話をしているときに、ホップの支柱2本にファニーの頭が串刺しになっているのを発見したのである。
耳は頭から引き千切られ、口はこめかみまで大きく引き裂かれていた。
さらに調査を進めると、頭、腕、脚が胴体から分離した状態で発見された。
左胸には3つの切り傷があり、左腕には筋肉を分断するような深い切り傷があった。
前腕は肘の関節で切断され、左足は股関節でほぼ切断され、左足は足首からもぎ取られていた。
右足は胴体から裂かれ、骨盤と胸の中身は全部取り出された。肝臓は五カ所も切開されている。
心臓は切り取られ、膣は失われていた。両目は抉り取られ、近くの運河で発見された。
畑に散乱していたファニーの衣服は、帽子を除いてすべて回収された。
ファニーの遺体のほとんどはその日のうちに回収されたが、腕と足と腸が見つかったのは翌朝になってからだった。
片足は靴の中に入ったままで、片手にはベイカーがファニーにあげた2枚のハーフペンスが握られたままだった。
胸骨は未だに見つかっていない。
その後、当然ながらフレデリック・ベイカーは逮捕され、ウィンチェスター刑務所にて公開処刑された。
ファニーはアートン墓地に埋葬され、墓石にはこう刻まれた。
1869年、イギリスの船員にマトンの缶詰の配給が開始された。
しかし、味の評判は今一つであり、次第にこの缶詰の肉は未発見のファニー・アダムスの肉の残骸ではないかというブラックジョークが流行した。
「ファニー・アダムス」は平凡なマトン、シチュー、乏しい残飯、それから価値のないものを指すスラングになり、今現在でも「何もない」を意味する婉曲表現として残っている。
†
『風の貴公子』『名状し難き者』などと呼称されし深淵の邪神に憑かれし者。
"幾何学の代名詞"、"虚数の画家"など...鏤められしヒアデスの星々、アルデバランの此方、溟き湖の淵に閉ざされしその神格は比較的活発に現世への干渉を行う傾向にある。
名状し難き肉片、無惨で、価値のない羊へと貶められた純粋無垢で聡明な少女は、本来であれば幻霊にも満たぬ存在でありながら、風の邪神の依代、巫女としての高い適性を有していたが故に、その肉体と魂を囚われ、現実を歪曲する悍ましき降臨者(フォーリナー)の資格を得た。
...或いは、あの惨劇も邪神の干渉によって引き起こされた大惨事(ファンブル)、新たなる巫女を産み出し、その誕生を寿ぐ冒瀆的な儀式であったのか。
【人物・性格】
聡明な少女。活発で明るく、兄弟姉妹に恵まれたからか年上には礼儀正しく、年下には面倒見が良い。
読書を好むが、それ以上に外で遊ぶ事を好む。
ごく普通の少女に見えるが、予想だにしないハプニングや理解し難い現象と対峙しても驚いたり恐怖を感じこそするが、それが即座に致命的な事態をもたらすものでなければ、極めて短時間で状況に適応し、狂気を"そういうもの"と認識して飲み込んでしまう性質がある。
...まるで未知の舞台(シナリオ)に立ち向かう探索者のそれにも似る、純粋無垢な好奇心の発露。
召喚直後の状態では「あの事件」の記憶は封印されているが、再臨が進むに連れてその身に起きた悍ましき真実が脳漿へと滲み出し、錯乱、恐慌、人間不信などの夥しい狂気に侵され、その純粋性は穢されて行く。
最終再臨時には「風の貴公子の巫女」として完成した姿となり、放置しておくと仄暗き湖の淵より邪神を呼び覚ます「人類の脅威」になってしまう。
イメージカラー:飛び散った血の赤と脂肪塊の黄
特技:コミュニケーション、探索
好きなもの:甘いミルクティー、ブラックベリー、焼き菓子、読書
嫌いなもの:マトンの缶詰、石で叩き潰されること、大振りの刃物
天敵:『水の司祭』の降臨者
願い:何を願いたかったのかもうわからない
【一人称】わたし【二人称】あなた、〇〇さん【三人称】○○さん、あの人、みんな