ピンクスライム
「! 今まで影も形もありませんでしたが、ようやく現れましたね」
長いこと歩いたが、手がかりはなく途方に暮れていた時に、スライム状のエネミーがニトクリスに襲いかかる。
「汚名返上と行きましょう!」
杖を構え、エネミーに向けて攻撃を始める。次の行動を予測し、再度準備を始めようとしたが……。
「終わり…ですか?」
相手は避けることも無く、攻撃が直撃しピクリとも動かなくなる。
「当然です!これくらいなんてこともありませんので!」
さすが神代の魔術師といったところか、体の違和感には相手にもならず、その場を後にしようとした時だった。
倒れたエネミーはそのまま膨れ上がる。
(大量の魔力が…!)
案の定と言ったところか、そのままエネミーは暴発しジェル状の体が飛び散る。
「……これも特には毒もなさそうですね。最初の方ですし話にもなりませんね。私はこれから進まなくては!!」
勝利の証か、心做しか気分が昂ったニトクリスは意気揚々と歩いていく。
しかし、彼女に纏う熱は強まるばかりである