バニー茶会で両儀式さんと仲良く食べさせあいっこをする話
「マスター、マスター、こんにちは。今日もいい天気ですね」
「おはようさんございます。今日もいい吹雪日和ですね」
いつもの昼、ノルマの周回も終わり休憩がてら散歩している俺の前に現れたのは不思議な雰囲気を持つ和服をきた女性である両儀式さんだった
「ふふ…今日はあなたに招待状を渡しにきたのです。はいこれをどうぞ`」
「???あ…ありがとうございます」
彼女から渡されたのは日程と場所が書かれた紙と…ウサ耳?
「そのウサ耳をつけて来てくださいね。あ、それと可能ならで大丈夫ですのでお菓子の持参もお願いします。それでは私、待ってますから」
「わ…わかりました」
「では私はこれで。また後でね!マスター」
俺の了承を確認するや否や彼女はとてつもないスピードで走り去っていった
…結局何も教えてもらえなかったな
「バニー茶会にようこそマスター!歓迎するぞ!…ぴょん!」
「バニー…茶会?」
特に断る理由もないのでウサ耳をつけ招待状に書かれた場所に時刻通りにきた俺を出迎えたのはバニーの衣装を着たスカサハ師匠だった
「なに、別にそこまでへんな茶会というわけではない。ただバニーの魂を持った者たちで集まり茶会をするというごく普通のイベントだ…ぴょん」
「はぁ…俺別にバニーの魂なんて持ってないと思うんですけど」
「いいえマスター。そのウサ耳、とても似合っていますよ」
「アルトリアさん」
俺の前に現れたのはこれまたバニーガールの格好をしたアルトリア・ルーラーだった
「ウサ耳つけしもの皆バニーです。ではこちらにマスター。あなたの席はこちらです」
「あっはい」
言われるがまま彼女についていくとそこには先ほど会ったばかりの両儀式さんがいた
どうやら俺の席は彼女の右隣らしい
「さっきぶりです両儀式さん」
「ええそうね。お仕事も終わって疲れているでしょうマスター?ほらここに座って」
「はいはい」
「あっマスターこんにちは!これ!マスターの分の紅茶でーす。」
「ありがとうバニヤン」
俺に割り当てられた席に座るとバニヤンが俺に紅茶を届けてくれた。彼女がいうにはここにあるお菓子は好きに食べていいらしい
「マスターはどういうお菓子が好みなのでしょうか?」
「そうだね〜スナックとかも好きだしチョコも好きだよ、あっあのケーキも美味しそうだね」
どれも非常に美味しそうでどれから手をつけようか悩ましいな…
「へぇ…じゃあマスター?和菓子はどう?」
「ん?和菓子も好きだよ」
「それは良かったわ。ではマスター?はいあーん」
「えっ」
驚いて彼女の方を向くと彼女の右手にある饅頭が俺の口元にまで届いていた
「…?食べないのマスター」
「あっああ!ありがとう。それじゃあいただきます」
言われるがまま差し出された饅頭を飲み込む
「どう?美味しいですか?」
「…正直君がこんなことをしてくれたことに対する驚きで味はあまりわからなかった」
「むー。もう少し気の利いた人だと思ってたのだけれど」
「ごめん」
「まぁいいでしょう。それならちゃんとわかるようにもう一度ね。はいあーん」
「あっあーん…もぐもぐ。うん…すごく美味しいよ。さっきの饅頭の味を楽しめなかったのが勿体無いくらいだ」
「ふふふ。ありがとう」
「じゃあ君にお返ししないとね」
俺はポケットから持参してきたお菓子を取り出し彼女の前に持ってくる
「あら…そのお菓子は?」
「持参してって言ってたでしょ。せっかく時間もあったし厨房で作ってから来たんだ」
「つまりこれはマスターの手作り…ってこと?」
「そうなるね。はい、あーん」
「あ、あーん」ぱくっ
「…どう?美味しい?」
味の感想を聞くために彼女の顔をちゃんと見るとほのかに赤くなっているのに気づく
「…その、マスター」
「ん?」
「びっくりして味がよくわからなかったの。もう一度お願いできないかしら?」
「…ふふっ俺は何回でも構わないよ。はい、あーん」
その後、二人は茶会が終わるまでずっと交互にお菓子を食べさせ合ったとさ
めでたしめでたし