ハッピーエンド ?
「離してください!!」
____ティーチこと黒ひげに誘拐されていたコビー大佐に似た人が離れた島にいる
そんな情報を聞きつけた捜索部隊は藁にもすがる思いで少数、でも戦力は確実に そんな中その島に向かっていた もちろんその中にはヘルメッポもいた
数ヶ月前突如黒ひげに襲撃されそのままコビー大佐を攫われてしまった
海軍の不祥事である上に民衆の英雄が海賊に拐われてしまった そんな事実は一刻も早く解決してしまいたい またコビーの安否が心配で
「あいつは コビーはいるのでしょうか」
「分からんなぁ 他人の空似ならまた振り出しに戻る」
そんな会話を部隊長とするヘルメッポはこの数ヶ月 微かな情報をもとに東西南北自分の仕事の隙間をみつけコビーの捜索に当たっていた
だが、毎回空似だったり既にそんな人はいなかったりと どうやら住居を転々としているらしい
どうか、どうか今度こそ空振りじゃありませんように
そんなことを思っているうちに情報があった島へ着いた
情報提供者に話を聞くとそのコビーに似ている人はここから離れたところに男と暮らしておりまだいるらしい ただ髪の毛の長さが知っている長さでは無いので自信が無いのだとか
ひとまず会いに行くだけ会いに行こう、違ったら似た人を見たか聞けばいい
そうしてその場所へ向かった
「ここか……?」
「そのようですね……」
そこは島の中心部からかなり離れているとは言えないが海がすぐ近い場所だった
そこに家があった
扉を叩くと人が近づく音がする
どうか どうか そうでありますように
「もーーいちいち叩かなく…………え?」
いた
見つけた
髪の毛は何故か伸びているがこいつはコビーだ
やっと会えた嬉しさと心配かけんじゃねえよっていう嬉しさで声を出しかねてるとコビーから発せられたのは予想もできない言葉だった
「帰ってください」
「かえって」
「ぼくは、ぼくはここでティーチと一緒にいるんです 」
「だから 帰って」
何を言われたのか分からなかった
一緒にいるから?
扉が閉まる前に腕を掴んだ
「ふざけんな!!お前の仕事はなんだ!!海軍で海賊を捕まる事だろ!!ましてやあいつは四皇だ!!そんな奴と一緒にいる?!何をいわれた!」
クソ この期間に何があった なにかの能力が?あの海賊団にそういう能力を使う奴がいるのは聞いたことがある とりあえず連れて帰らないと………
「離してください!!」
「僕は正気です 僕の意思でここにいるんです」
「だから 離してください お願いします」
「ここで帰りを待たないと」
そんなことをコビーは腕の中でずっと言っている
だが非情に
「海軍本部所属コビー大佐○○島にて発見により保護 これより帰還」 そんな声が各所から聞こえてきてあいつは泣き崩れた
数日後
同場所に待機していた戦闘部隊及び後から到着した部隊と黒ひげ海賊団が三日三晩戦闘を繰り返した末黒ひげは逮捕されインペルダウンへ送られた そのニュースは当たり前の如く全世界に広がり また「コビー大佐を拐った大海賊」としても有名となった 処刑されるのは時間の問題だし 海軍の好感度は鰻登りだろう
ただ
「僕に対して愛をくれた」
「僕は何もされてないです、ティーチと一緒にいただけです」
「無事なんですか」
「教えて」
そんなことを査問会でいうコビーには能力者による影響ではないものの長期間黒ひげと一緒にいて、また体内外傷が酷かったことからストックホルム症候群の認定がされ海軍管理下での一時休養が言い渡された 勿論黒ひげとの面会なんて言語道断でありカウンセラーかもしくは上が許可した人間との面会しか許されていない
こいつにハッピーエンドってなんなんだろうな
そんなことを思いながらヘルメッポは食事をコビーに持って行くのであった。