ハジマリ
「出たぞ〜……ウタ?」
浴室から出たルフィは首を傾げる。ウタがキッチンにおらず、テレビの電源も切られていて静かだった。
「ウタ〜? ウタ〜? ……何やってんだァ? お前……」
自室の照明がついていることに気付き、ドアを開けると想像した通り、そこにはウタがいた。
彼女はベッドに座っていて、ルフィの存在に気付くとふっと微笑み、自分の隣にあるスペースを叩いた。
「座って? ルフィ」
「? おう」
何か分からないが、取り敢えずルフィは言う通りにする。
「座ったぞ、ウ……」
タと続けようとするも、それは叶わなかった。ウタの唇に塞がれたためだ。何がどうなっているか分からず、ルフィは目を見開く。
唇に優しく押し当てられる、柔らかい感触に意識が向けられてるルフィの口内に、ニュルリと何かが侵入した。
「ふむん!!?」
その快感にルフィの首筋から背筋にかけて電流が走った。ウタと会う前、そういうお店で力が抜けたことを覚えているルフィは、ウタの肩を押して逃れようとする。
「んん!? んむむ〜!!」
しかし、後頭部を掴まれ引き寄せられる。背中にも手を回され、逃げることが出来ない。
ダメ押しとばかりに身体全体でベットに押し付けられ、ルフィは完全に捕食されるだけの獲物となった。
「はぷっ……ちゅっ……れろ……んはぁっちゅ……」
「んんっ……んぐぐ! んくっ、んん……」
舌先でも逃げようとするが、ウタの舌に回り込まれ、絡み取られ、気持ち良いところを刺激される。
つい反応を見せてしまったことで弱点を知られてしまい、ルフィはウタにそこを徹底的に責められてしまう。
既に身体に力はなく、ルフィは送られてくる唾液と快楽を飲み込むしか出来なくなった。
「っはぁ……うん。初めてにしては、悪くないかな? この反応を見る限り」
「ウ、ウヒャ……何すんだァ……」
白い糸を舌先で垂らし、ウタは状態を起こす。少し息を乱しながら、口の端を拭ってこちらを見下ろすウタの姿は、ルフィから見ればサキュバスのようだった。
また息を荒げ、頬を紅潮させ、口の端からよだれを垂らし、焦点の定まらない涙目でこちらを見る弱々しいルフィ。
嗜虐心を抑えながら、ウタはルフィの問いに答える。
「何って、キスだけど?」
「う、うそだ……おれ、こんなの知らねェ! キスでこんな力が出ない筈がねェ……!」
「〜〜っ♡♡ 」
ウタの背筋がゾクゾクっと震えた。
こんなの知らない。キスでこんな力が出ない筈がない。
これらが指すのは、そういう店の女よりウタとする方が気持ち良いということだった。
「正直で偉いぞルフィ♪ ご褒美をあげるねぇ」
「! まっ……!!」
口を開き、舌を動かすウタの姿にルフィは見惚れ喉を鳴らす。
が、あれによりまた襲い来る快楽を予感し制止を試みた。
まあ、捕食者がそれを聞き入れる筈がない。
「じゅる! ちゅるっ! れちゅっ! じゅじゅ!!」
「〜〜!!!」
ルフィは抱き起こされ、再びキスの猛攻を受ける。膝でしっかり腰は固定され、両腕を後頭部に回され逃げることは出来ない。
「んちゅ! んん! んぐん! んむっ、んん……」
徐々に抵抗する力が奪われていく。酸素が足りず、ルフィが涙目になるのをちらりと見たウタは、一度獲物を解放する。
「ぷはっ! ウタ、もうやめんんん!!?」
だが再び快楽地獄に落とされる。時々、身体を揺すってくるので、その弾力があるお尻に男の象徴が刺激される。
さらに抵抗する力がないのを知ってか、ウタはルフィの両手を掴み自身の胸を触らせる。
「んっ……!」
(柔らけェ……)
反射的に掌に力を入れると、ウタのそれはルフィを受け入れるかのように形を変えて、その掌を包み込んだ。
モニュンとふっくらした感触で、硬い生地を媒体としてないことから、シャツの下はノーブラであることが分かる。
「んぶ!? んん〜〜ッッッ!!!」
そんな感想を抱けたのは一瞬だった。掌に感じる胸の感触、温かさより舌と口内を蹂躙する軟体に意識が再度向けられる。
その快楽にルフィは、脳にバチバチと電流が走る感覚がした。
「んはぁ……♡」
長かったのか短かったのか分からない。気が付くと口内からウタの舌が抜かれ、ウタがトロンとした瞳でこちらを見下ろしていた。
ルフィは身体に力が入れられず、そのまま重力に従い、ベッドに倒れる。それを受け止めたのはウタの身体で、ルフィの顔面は大きな母性の塊に包まれるように受け止められた。
「うぁ……あぅぅ……あ」
「だらしない顔だなぁ……でも、そんなルフィも可愛いよ♡」
そう言ってウタは、自分の谷間に顔を乗せるルフィの頭を撫でる。
いつもの快活な笑顔を浮かべる2歳年下の表情もいいが、今のように初めての快楽に堕ちた表情もいいなと、ウタははにかむのだった。
行為はまだ、始まったばかりだ。