ネフィの記録

ネフィの記録


転生したと思ったら氷水だった…

龍淵に将来的に壊滅させられるし、そうでなくてもどのみち氷水に還るし

どうしたものか…

せめて龍淵に酷い殺され方しないように仲良くしておこう


氷水とも相剣ともそれなりの関係を築けてきたように思う

将来の為に優しくお淑やかな氷水として過ごしてきたからな…ふふふ

ところで、若い頃の龍淵イケメンだな

裏切りさえなければ良い物件なんだけど…


今日外敵と戦闘になったのだが、龍淵に助けられた

こういう時のアイツは頼もしい

不覚にもカッコいいと思っ――え?惚れてるって?

いやいやないないない。だってあの龍淵だよ?


へ!?龍淵が告白!?しかも「お前の最期を看取らせてくれ」っておま…!

駄目だ…いけないって分かってるのに、嬉しいなんて思ってしまう…

ああ、これ結構ほだされてしまってるんだ…

私は…


ああもう、認めるよ!

そうだよ惚れてるよ!!胸が高鳴るぐらいには!

こうなっては仕方ない!

いっそ交際して龍淵が裏切らないように矯正してやるぅ!!


交際スタートして早数年

なんか氷水や相剣の皆が大分押せ押せな雰囲気

いやいや物事には順序というものがあってだな…えっ、十分進んでる?

でも心の準備が……龍淵?


あ――――――――

…したいの?そう…

上手く考えられないや…

…いいよ…きて


あれから長い月日が経って、ここの状況も変わってきた

そろそろ限界が近いコスモクロア様も後継者を生み出した

その子_エジルの教育が今の仕事

だから、あなたへ時間を割けなくなる…ごめんなさい

こればかりはお役目だから


ありがとう莫邪、時間とってくれて

私も大分黒くなってきたから、多分そんなに長くはないんだ

分かってる。私だって出来るだけ長くいるつもり

でも、それは永遠じゃない

だからその時は…あの人を支えてやってくれる?


私の命はもう残り少ない

気がかりなのは龍淵のこと

やれるだけの手は打ったけど、裏切らないという確証がない

ねぇ、龍淵…

私はあなたの心にどこまで――――


静かな夜

身体が僅かに崩れだしたのを感じる

隣の龍淵は気付いていないようだけど

これが最後の会話になりそうだ

…最後に確認しておこうか

「あなたは…」


「あなたは…」

その後に続く言葉を発せない

こちらを見る龍淵。いつもの優しい眼をしてる

誤魔化して口をつむぐ

嗚呼…駄目だ…

もう私には

この人を疑うなんてできないや――――


翌日一つの訃報が広まり、多くの悲しみが大霊峰と氷水底を渦巻いた

氷水のネフィ

氷水と相剣を繋いだ優しき人の

あまりにも安らかなユニオンクレイドルへの帰化であった


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