ナイトキラー・スネイル
【原典】中世写本、マザーグース『24人のしたて屋』
【CLASS】バーサーカー
【マスター】
【真名】騎士殺しの蝸牛(ナイトキラー・スネイル)
【異名・別名・表記揺れ】騎士と対峙するカタツムリ
【性別】雌雄同体
【身長・体重】約5cm~2m以上・???kg
【肌色】白【瞳色】黒
【スリーサイズ】そんなものはない
【外見・容姿】カラフルな殻を背負ったクソデカいカタツムリ
【地域】フランスを始めとするヨーロッパ各地
【年代】13世紀後半~15世紀
【属性】混沌・狂?
【天地人属性】地
【その他属性】人型・猛獣・魔獣・童話・ヒト科以外
【ステータス】筋力:B+ 耐久:A+ 敏捷:E+ 魔力:C 幸運:A 宝具:C
【クラス別スキル】
狂化:B
理性と引き換えに各種ステータスをランクアップさせる能力。
身体能力を強化するが、理性や技術・思考能力・言語機能を失う。
Bランク以上だと全能力が上昇するが、理性の大半を奪われる。
カタツムリに元々奪われる理性や技術、言語能力があるかどうかは怪しいものだが、実際に高名な騎士をも降す暴虐性を保有している。
【保有スキル】
変化:A
文字通り「変身」する。
軟体と殻を自在に変形させ、様々な動物へと変化して敵に襲いかかる。
時には「騎士と対峙する存在」として生体鉱物(バイオミネラル)で構成された鎧を身に纏った、異形の騎士へと変貌することも。
中世写本には頭部が犬やネズミなどの動物に変化したカタツムリが描かれている。
マザーグースでは、その姿はまるで小さな猛牛であるとも。
騎士殺し:B+
騎士に対する特攻。時には完全武装した騎士にすら膝を突かせたバーサーカーは、あらゆる騎士の倒し方を知っている。
研ぎ澄まされた剣術や武略にも軟体を器用に生かして対応する。
人外殺しに特化した聖騎士であろうとも、この怪物を倒すには相応の試練を乗り越える必要があるだろう。
虚勇なる蝸牛:B-
中世の時代の人々は、カタツムリは自分の家を持ち運ぶことができるので並外れた力持ちであると見做されていた。
また、仮初の勇気の象徴であるとも。
Bランクの勇猛と怪力の効果を発揮可能。
しかし、真の強さと勇気の持ち主、つまりBランク以上の勇猛や高潔な精神性を示すスキルの保有者と対峙した時はランクが下がってしまう。
【宝具】
『逃げろや逃げろ!さもなくば皆殺し!(スネイルズ・ウォーリング・アゲインスト・ナイツ)』
ランク:C 種別:対騎士宝具 レンジ:1~50 最大捕捉:24人
正式名称『騎士よ挑め、腹足類の征服者(スネイルズ・ナイト・オーディール)』...なのだが、何故かユーモアたっぷりな宝具名に変わっている。
「騎士と対峙するカタツムリ」の落書き芸術(ドゥードゥル・アート)より発生した反英雄であるバーサーカーの常時発動型の宝具。
バーサーカーと戦闘を行う者は、多大な精神の消耗を余儀なくされる。
流動し変容する悍ましき野獣の百貌、幾度攻撃を与えても再生する条理を超えた生命力、戦術や武術の穴を的確に突く悪辣な攻撃の応酬...
そして、精神的疲労が蓄積し、明確な「恐怖」へと至った時、騎士殺しの蝸牛は己自身に敗北し逃げ惑う者どもの背に、容赦無き一撃を加えるのだ。
バーサーカーのあらゆる行動に敵に対する精神力の摩耗・弱体化効果付与、恐怖や混乱などの精神異常の悪影響の増大、強力な精神異常特攻の獲得。
†
『殻を破りし者への祝福(ブレイクアウト・オブ・ザ・シェル)』
ランク:B 種別:克己(他者)宝具 レンジ:- 最大捕捉:-
恐るべき騎士殺しの蝸牛に立ち向かい、打ち倒した者に与えられる祝福。
ナイトキラー・スネイルとの戦いは熾烈を極める試練であるが、それは精神的な勇猛さと個人的な強さの発達を促す。
バーサーカーと戦闘を行った者は精神的成長の機会を与えられ、打ち倒した者にはステータス・身体能力の向上、スキル・宝具の強化など、より具体的な霊基・肉体の強化が与えられる。
敵に塩を贈るだけの効果であり、この宝具自体にバーサーカーに有利な性質はないが、これにより「騎士の試練に値する怪物」としての強力な霊格を担保している。
【Weapon】
『角(めだま)』
『槍(めだま)』
『矢(めだま)』
メインウェポンである大触角は伸縮自在の万能武器である。
時にしなやかに相手の武器を絡め取り、時に硬く変じて鎧を突き穿つ。
武器であると同時に感覚器官でもある為、攻撃が着弾する直前まで敵の行動を"凝視"し、回避・防御行動を掻い潜ってくる。
なお、千切れても再生可能な上、二本以上同時に生やすことも可能。
『殻』
目玉ほど万能ではないが、強靭な武器兼防具。
生体鉱物である為、破壊されたり奪われても再生可能。
そもそも目玉もこれもカタツムリの「身体の一部」という判定なので、装備破壊・略奪系スキルや宝具に完全なメタを張っている。
【解説】
中世の写本の余白に描かれる落書き(ドゥードゥル)に登場するカタツムリ。
13世紀後半から15世紀にかけて、中世写本の世界では、カタツムリと戦う騎士の落書きがしばしば見られた。
興味深いことに殆どの場合、これらのカタツムリの落書きは隣接するテキストの内容とは全くの無関係である。
多くの場合、角が矢や槍のように伸びたカタツムリと対峙する武装した騎士が描かれている。
フランスの民話『狐物語(ル・ロマン・ド・ルナール)』の写本では、騎士が持っている武器は棒、メイス、フレイル、斧、剣、さらには農具のピッチフォークとさまざまだった。
カタツムリに敗北し、武装を解かれ跪く修道騎士、勇ましく槍と盾を振り回してカタツムリに対抗する女性、犬の頭を持つカタツムリに斧を振り翳し威嚇する男性...
その他にも、猫がネズミの頭を持つカタツムリを追いかけている様子や、犬、猿、ドラゴン、さらにはウサギまでもがこの奇妙な軟体動物と激しく対立している様子など、バリエーション豊かで軽快なイメージで描かれている。
何故カタツムリと騎士の戦いが中世を通して人気があったのか、正確な理由は定かではない。
真面目で堅苦しい文章にユーモアを添える為とも、カタツムリという小さな生き物相手に騎士が剣を捨てて跪く様子をある種の風刺画と捉えることも出来る。
また、カタツムリは中世の時代においては、背中に自分の家を背負うことができることから、並外れた強さを持つ存在として認められていた。
そのため、カタツムリとの対決は精神的な勇猛さと個人的な強さの示す試練を表しているとも言われている。
さらに、カタツムリはかりそめの勇気の象徴とも見做されており、真の強さと勇気を表現するために打倒する対象に選ばれたとも考えられている。
14世紀頃に流行したカタツムリと騎士の戦いのモチーフは、15世紀末の写本で短期間だけ復興した後に時代の流れとともに写本から姿を消していった。
しかし、その名残はイギリスに伝わる童謡(マザーグース)の『24人のしたて屋』という一節に見ることができる。
20と4人の仕立て屋さん。
カタツムリ退治に行きました
仲間で一番りっぱな男も
尻尾に触ることすらできない!
角を出した彼女ときたら
まるで小さな猛牛のよう!
逃げろや逃げろ!仕立て屋さん!
さもなくば逆に皆殺し!
【人物・性格】
言葉を発しない、人格も理性も無き怪物...に見える。
しかし、明らかに技量を伴った攻撃を仕掛けてきたり、勇猛スキルが問題なく機能している事から分かるように、実は理性がある。
前述した通り、騎士と対峙するカタツムリという落書き芸術(ドゥードゥル・アート)には「騎士がカタツムリに負けるという風刺とユーモア」と「仮初の勇気と強さの象徴であるカタツムリを打ち倒す事による、真の勇気と強さの表現」といった意味を持つとされる。
そういった概念が具現化されて成立した存在であるバーサーカーは「心躍る強者との愉快な戦いを望む悪の騎士」の様な人格を獲得して現界する。
怪物としての強大な暴威を振り回し、敵を蹂躙し、時に小馬鹿にするかの様にユーモラスに弄ぶ様は正に反英雄。
たとえ敗北しても、良い戦いであれば相手を称賛し、なんかいい空気吸って満足死するのでタチが悪い。
ただし、童話というジャンルに取り込まれた事から、敵意のない子供を相手にした時は、小さなカタツムリに変じて楽しませようとすることも。
マスターの命令には忠実に従うが、強者...特に三騎士との戦闘を望み、絶好の戦いの機会が訪れれば、止める間もなく突撃する事も。
イメージカラー:青を基調としたカラフル
特技:騎士殺し
好きなもの:屈強な騎士をぶちのめすこと、未熟な騎士が己を乗り越えて強くなること、ビビリな仕立て屋を追い回すこと、美味しい草、ユーモア
嫌いなもの:退屈
天敵:なし
願い:戦うために召喚に応じたので特になし
【一人称】-【二人称】-【三人称】-