デーモン・スパルータ
〈芸名〉デーモン・スパルータ
〈本名〉惑 鬼次
〈所属〉劇団パラノイア10代目団長→現演劇指導官
〈種族〉鬼人→木造建築物(可変可能)
〈好きな物〉演劇、妻、愛弟子達、料理、ヒーロー・ロボットなどの男心を擽るもの
〈嫌いなもの〉半端者、怠け者
〈怖いもの〉失う事、本心を出す事、一人旅
〈ビジュアル〉
普褐色肌で筋肉質な厳ついオーラを放つ大男………なのだがなぜか文字通りの小屋になれる、なおその時も一応建物内に中の人はいる模様
〈経歴〉
出身は極東。元はとある領家の跡継ぎであり、そこで女中として働いていた煙々妃と結婚し、最初は領主として平穏に暮らしていた。
そんな彼の運命を変える事となったのはかつて趣味だった一人旅の中で出会った劇団パラノイアの出張公演だった
「演劇」に魅入られた彼は自身も舞台役者という職業に密かに憧れを抱いていたが、妻の存在や領主としての責任との狭間で葛藤。しかし、それに気づいた妻が「叶えたい夢があるのなら行ってきて欲しい」と背中を押し、彼をセントラリアまで送り出した
セントラリアに着いてからは劇団パラノイアに入団し、めきめきと演劇の才能を伸ばしていく
その才能は圧倒的なもので、病弱な少年から百戦錬磨の老師までの多彩な役を演じ切り、「千両侍藤三郎」「サイレント・マジョリティ」などの多くの名作劇の主演を務め一大人気役者へと上り詰めた
その功績から劇団パラノイアの10代目団長に就任。しかし就任後は役者として表に出る事は減り、代わりに団員達への演劇指導を行う事がメインとなっており、演劇指導は団長を引退してからも続けていた
その厳しくも情熱に溢れた指導や人柄を慕う者も少なくは無かったらようだ。
彼本人は特に17代目団長であるシーネッタ・ラピスラズリ氏を目にかけており、本当の息子のように可愛がりつつも彼のその危うい内面性を何とかしてやれないものかと考える事もあった
ある日、「久しぶりに妻に顔を見せてやりたい」と考え一人旅兼里帰りに。妻や家族と劇団での生活や弟子の話などの他愛も無い会話を繰り広げた後、劇団に帰ってきた頃にはシーネッタ氏は重度のスランプや精神的衰弱で自ら無限牢獄に出向いたのを最後に行方を晦ましてしまっていた
本人は「アイツが苦しんでいる時期に俺は側にいてやることが出来なかった。アイツに何もしてやれなかった」と強く後悔し、一時期は己も彼の後を追おうかと悩むまで追い詰められるが、妻の顔を思い出し何とか命を断つことは辞め、「アイツはきっと生きているし、きっといつか戻ってくる。それを信じてやれないで何が師匠だ。俺は何百年経とうとアイツが帰ってくるのを待つ」と覚悟を決め、自ら鬼人を辞める決意を固めた
……………が、肝心の人を辞める方法を模索する段階で色々とあったらしく、結果的に愛用していた訓練施設と融合。そのあまりにもトンチキすぎる生態を言い出そうかと悩んでいるうちに周囲には「この木造建築物はスパルータ氏が残した遺産であり、中の人は幻影システムか何かだろう」と思い込まれてしまい収束が付かなくなった。
なお、現在はその誤解も解け、最初は困惑されまくったがシーネッタ氏も無事に劇団に復帰し、妻には再会時数百年連絡を取らなかった事で死ぬほどボッコボコにされたが何とか和解した。よかった…………のか…………?
〈性格など〉
劇団パラノイアの演劇訓練施設に住まう…というか訓練施設そのものである元団長
彼の演劇指導はどんな初心者でもたちまち現役舞台役者と大差のない演技力を身に付けることが出来ると評判だが、そのあまりにも厳しい訓練内容と本人の威圧感だけで周りを殺せそうなオーラから「団長殺し」とまで呼ばれ、多くの歴代団長や劇団員に恐れられている存在
しかし、それは本人が自らに「鬼団長デーモン・スパルータ」としての役を与えた結果。本来の彼は怒ると怖くやや頑固だが普段は豪快で情に厚い男
実は根の自己肯定感はあまり高くなく、演劇を好む理由も「劇にはちゃんと脚本がある、素直な言葉がある。演じている時だけは素直に愛や信念を叫べる主人公になれる」というのが理由である
自分の本心を言葉にする事がとにかく苦手で、その結果妻や弟子への愛情表現が若干ぶっきらぼうになりがち。本人も自身のこの性格は非常に良くないと考えており、克服しようとは諡号錯誤はしている模様
劇団員達への愛は深く、指導の時は厳しく振る舞うが本心では皆を我が子の様に大切に思っている。特に偏執劇場は自らが人間を辞めてまで数百年帰りを待った相手というのもあり一段と気にかけているらしく、彼を1度は深く追い込んでしまった事に申し訳なさを感じつつ、彼氏や友人に恵まれ幸せそうに暮らす彼の様子にどこか父性のような安心感を抱いてもいるらしく、団員たちにも「先生」「小屋先生」と呼ばれなつかれている
また、妻のことも非常に深く愛しており、若干独占欲も強いのか他の者が妻を褒めているだけで若干鬼教官オーラが隠せなくなる
1件すると亭主関白に見えるが、妻である煙々妃は彼の不器用ながら純粋な愛情には気づいており、そんな彼の1面も含めて愛しているようだ
━━━舞台役者、演劇指導教官としての功績が大きい彼だが、実は1作だけ脚本を書いたことがある
その作品の名は「紫苑」
全体的に極東テイストな世界観で描かれた、普遍的ながらも儚く美しい恋路を描いた物語だったそうだ
