デザロワ開幕編③
レーザーターボはガシャコンスパローにガシャットをセットし、フライングターボリッパーを発動し、黒いエネルギー刃を放つ
『POISON CHARGE』
『TACTICAL BREAK』
対して、バッファはゾンビブレイカーのカバーを上部までスライドしてポイズンチャージをし、手を放してカバーを戻し、トリガーを押し、タクティカルブレイクを発動する
バッファ「オラァッ‼︎」
黒いエネルギー刃を回転する刃で切り落とす
レーザーターボ「爆速‼︎」
その隙にレーザーターボはプロトシャカリキスポーツガシャットをゲーマドライバーにセットし、プロトスポーツバイクゲーマーレベル0へと変身する
『アガッチャ!シャカリキ!メチャコギ!ホットホット!
シャカ!シャカ!コギ!コギ!シャカリキスポーツ!』
フライングターボリッパーは囮だったのだ
レーザーターボ「持ってけっ‼︎」
レーザーターボはシャカリキクリティカルストライクを発動する
高速回転する車輪がバッファに迫る
バッファ「……」
『REVOLVE ON』
しかしリボルブオンでバッファは車輪を回避する
レーザーターボの行動を読んでの対応だ
レーザーターボ「ちっ……」
『ZOMBIE STRIKE』
バッファはゾンビレイズバックルのウェイキングキーを回し、今度は下半身ゾンビフォームの状態でゾンビストライクを発動する
右足のバーサークローから後ろ回し蹴りでエネルギー弾をレーザーターボ目掛け発射する
レーザーターボ「フンッ‼︎」
レーザーターボは今度はガシャコンスパローを鎌モードに変形させ両手の鎌でエネルギー弾を次々と弾く
その時、再度リボルブオンしたバッファが突っ込んできてレーザーターボは数メートル飛ばされて近くの岩場に衝突する
その時の衝撃でガシャコンスパローを離してしまう
そこにバッファは更にゾンビブレイカーで斬りかかろうとする
しかしレーザーターボは咄嗟にバイクゲーマーレベル0に戻り、思い切り蹴りをお見舞いし、バッファを蹴り飛ばす
バッファ「くっ……」
バッファも蹴られた衝撃でゾンビブレイカーを手放してしまう
お互い武器を手放さざるを得ない攻撃をくらい、それなりのダメージを負い、息を荒くしながらレーザーターボとバッファは対峙する
次に技を食らったら終わりだろうと2人は理解していた
レーザーターボ「分かってると思うけど、遠慮なんかいらないから」
バッファ「言われなくても分かってるよ、誰が遠慮なんかしてやるか‼︎」
2人は短い会話を交わす
レーザーターボは爆走バイクガシャットをキメワザスロットホルダーのキメワザスロットに装填し、ホルダースイッチを2回押し、爆走クリティカルストライクを発動する
そしてバイクゲーマを召喚し、乗り込み猛スピードで走り出す
『BOOST TIME』
『ZOMBIE BOOST GRAND VICTORY』
一方バッファはまたリボルブオンにて上半身がブーストフォーム、下半身がゾンビフォームになる
そしてバッファモードのブーストライカーを召喚すると、そのまま乗り、迫り来るレーザーターボに接近する
そのまま衝突……とはいかず、ブーストライカーから上空へ飛び、右側のブーストパンチャーでそのまま拳をレーザーターボ目掛け叩き込む
その瞬間衝撃波と爆発が起こる
レーザーターボ「ぐあっ……‼︎」
バッファ「がっ……‼︎」
2人は相打ちとなり、変身解除してしまう
貴利矢『バグスターウイルス感染症。命に関わる病気だ。衛生省からこっそり手に入れた機密資料と、お前の症状が一致してるんだ』
貴利矢はある人物に事実を告げた。親友であった藍原淳吾に。
淳吾『嘘だって言ってくれよ…!』
貴利矢『嘘じゃない…』
淳吾『嫌だよ……俺、死にたくねえよ!』
貴利矢『淳吾‼︎』
ショックを受けた淳吾は走り去ってしまう
原因がわかったから一緒に乗り越えよう、と言いたかったのに、その言葉は永遠に言うことを許されなくなってしまった
ギーツからの助言を聞いた永夢は建物の屋上を目指して階段を駆け上っていた
飛彩からの連絡で貴利矢は来なかった
また、景和の連絡で英寿は来たが(祢音は誕生日パーティー後或人と一緒にいたため遠慮してしまって連絡が遅れたのだと言う)、道長はいない
ギーツの言葉から、2人は何らかの理由でステージセレクトした舞台で戦っているのだろう
一方屋上では…
貴利矢が道長と相打ちになって変身解除したことで2人は屋上に戻って来ていた
2人とも戦いで怪我と疲労の色が見られる
貴利矢「……相打ちか……まあそれなりには力尽くで頑張ったんじゃないの……」
道長「レーザー……」
貴利矢はふらつきながらも立ち上がり、ガシャコンスパローを召喚する
彼が何をするのか分かった道長は咄嗟にデザイアドライバーを隠す
道長「……っ‼︎」
貴利矢「何してんだよ‼︎……これ以上、傷つくくらいなら…‼︎」
貴利矢がガシャコンスパローを構えて叫んだ瞬間だった
道長「嫌だよ……俺死にたくねぇよ‼︎」
何も忘れたくない、と言うつもりが、思わずそう口走っていた
それは貴利矢の親友が最期に残した言葉だった
貴利矢「なっ……⁉︎」
記憶転移、それは臓器移植を受けた側に臓器を提供した側の記憶の一部が移るとされる現象で、実際心肺同時移植を受けた女性が、術後自分の嗜好・性格が臓器提供者のものに変わったという例がある
しかしこの現象は専門家の間では賛否両論となっている
だが、命に関わるIDコアが誰かの幸せで復元されたのならば……
臓器移植ではないがその現象は起こってもおかしくないのかもしれない
貴利矢は道長の言葉に動揺する
道長はその動揺を見逃さず、立ち上がると貴利矢が構えたガシャコンスパローに手を伸ばして、弓の部分を掴む。
道長「……くっ‼︎」
地面に落ちる赤い雫。
それを見た貴利矢のガシャコンスパローを握る手が緩む
それでも痛みや傷を厭わず、素手でガシャコンスパローを握り引き剥がすと、地面に投げ捨てる。
貴利矢「何で、お前がその言葉を……って自分はそんなつもりじゃない‼︎」
屋上に辿り着いた永夢は思わず叫んでいた
永夢「2人とも何してるんですか‼︎」
想像通り貴利矢と道長がそこにいた
2人とも怪我をしている
戦って怪我をしたは明確だった
先程ガシャコンスパローを貴利矢から引き剥がすために弓の部分を握ってしまい手の平の傷から血が流れているのを厭わず道長は貴利矢の胸ぐらを掴む
道長「誰がそんなこと頼んだ⁉︎余計なお世話なんだよ‼︎」
道長は貴利矢が自分のことを思ってしようとしたことに対し怒る
貴利矢「……道長……」
道長「……記憶がなくなってしまえば今までの俺は死んだようなもんなんだよ‼︎そんなやり方で助かっても忘れたくない記憶を失うんだよ!そんな世界に生き残ったって俺は幸せじゃない‼︎……俺が俺だと言うことを奪うな‼︎」
IDコアを壊されて脱落したら今までのことはおろか、デザイアグランプリに参加して他の仮面ライダーに間接的に殺された親友のことまで忘れてしまう
それは絶対に許せなかった
それに対して貴利矢は弱々しく反論する
貴利矢「でも、それしかない……そうするしかないんだよ、例え忘れられたって…」
道長「そうやって親友を失って、人間じゃなくなったことがあるからって何で1人になろうとすんだよ‼︎」
それは自分自身に向けて言った言葉でもあった
永夢「……」
自分がしようとしたことが招く結果を貴利矢も理解してしまい、今まで見たことがないくらい悲しそうな表情を浮かべている貴利矢を永夢は初めて見たのだった
貴利矢は親友の最期を思い出していた
ゲーム病に感染していて命に関わると正直に言ったら親友は動揺してどこかへと走り去ってしまった
『嫌だよ……俺死にたくねぇよ‼︎』と言い遺して
それから何時間経っても親友は戻ってこなかった
ようやく夜になって戻ってきたのを聞き、貴利矢は嘘であって欲しいと願い、親友のところへと駆けつけていた
そう、病院の霊安室に
そこに横たわっていた人の顔にかけられた布を取り、その顔を見た瞬間彼は絶望と後悔に叩き落とされ、慟哭するしかなかった
その顔は紛れもない親友のものだったからだ
永夢が道長の手の傷を診ている時だった
貴利矢「本当に自分って嫌な奴だよな、独りよがりで周りを傷つけてさ、挙げ句の果てには親友を死なせてさ、そんでもって今もまた同じこと繰り返したんだから」
貴利矢はどこか諦めたかのように笑って自虐的に呟く
あのままIDコアを壊していたら、自分の親友をもう一度殺してしまうことになっていたのだろう
永夢「貴利矢さん、何があったのかは僕は分かりませんが、それでも道長君は貴利矢さんを止めたじゃないですか」
永夢は貴利矢を慰めるように言う
貴利矢「永夢……」
貴利矢はそれでも落ち込んだままだった
道長「なあレーザー、親友を死なせてしまったのはどうしようもないことだし、人間じゃなくなったことだって変えられないけど、それでこれから先のこと諦めるのはおかしいんじゃないのか」
そんな風に言うなら、じゃあ何で今自分はここにいるのか、と道長は貴利矢に言う
貴利矢「……でも自分は、親友の無念を晴らすためっていってゲーム病のことを調べていたが本当に許せないのは自分自身なんだよ」
過去の経験による自己嫌悪、だから貴利矢は不幸だとベロバは気づいたのかもしれない
道長「……じゃあ今度はお前がどんなに拒絶しようと俺がお前のやりたいことに手を貸してやる、だからいい加減前を見ろよ」
貴利矢はその言葉を聞くと少しだけ笑う
貴利矢「口で言うのは簡単だが、実際に前を見るのって難しいよな」
永夢「だから僕たちがいるんじゃないですか、あの時みたいに協力し合えばいいんですよ……あ、とにかくそんな顔似合わないからしないでくださいね」
若干強めの言葉で永夢は貴利矢を励ます
思えばゲーム病や檀正宗と戦っている時だって貴利矢はギスギスしがちなCRのムードメーカーのような役割を果たしてきた
貴利矢「……分かったよ、ありがとな永夢。それにごめんな道長、勝手なことして怪我させてさ」
貴利矢は2人に少し笑いながら応える
道長「もう勝手なことして暴走すんじゃねぇぞ、ったく……」
軽口を叩かれている貴利矢の様子を見て永夢は笑顔になるのだった