デザロワ開幕編①
(景和から連絡が来る前…)
或人の誕生日パーティーの後、帰宅したはいいがいつの間にか貴利矢は姿を消していた
道長「レーザー、一体どこに……」
連絡をしても繋がらない。
そこに或人の誕生日パーティーの時の行動のおかしさから道長は嫌な予感がしていた
まだベロバについていた時のことだ
貴利矢が寝返ったことについてベロバと話したことがある
ベロバ『まさかCRのドクターが仲間を裏切るなんてね』
ベロバ自身は貴利矢が寝返ったことがやらせである事は知らない
だが一応道長はベロバに聞いてみるのだった
道長『九条貴利矢…レーザーを引き入れて大丈夫なのか?』
その問いにベロバは笑って答える
ベロバ『CRのドクター達は訳ありばかりだけど、九条貴利矢は、よく分からないけど特に不幸を持ってるのよ…だからその不幸を見てみたいわね』
ベロバは貴利矢を不幸だと言い放った
貴利矢は寝返る前にアズにベロバ達に自分の情報は最低限度しか与えない様取引をしていた
だからその時は道長はその意味がわからなかった
貴利矢を見てもどこが不幸なのかわからなかったのだ
だが貴利矢の親友の件を知り、彼が死なせてしまった親友への罪を一生背負っていかなければならないことを知り、そういうことか、と納得した
それはどんなに前向きに考えても消えないということも貴利矢を見ていて痛感した
だが、親友のこと以外にも貴利矢には何かがありそうなのだ
道長「あっ……」
道長はアズから貴利矢がゲーム病のことを探るうちに厄介者扱いをされてクリスマスの日に檀黎斗にゲームオーバーにされてしまい、その後黎斗の父親の檀正宗にバグスターとして復活させられて永夢達と敵対していた時期があったと聞かされたことがある
もっとも、今の彼は人間なのだが。
貴利矢が自分に初めて接触した時のことを思い出す
貴利矢『……この左腕、ジャマト化が進んでるね』
道長『……』
貴利矢『いいわけ?このままジャマト化が進んだら、彼女にお近づきになることもできないぜ?』
道長『それは……』
貴利矢『自分たちが何とかしてやるよ、だからノッてくんない?』
あの時貴利矢は唯阿を餌にジャマト化のデメリットを告げた
単純にそれしか意味を持たないのだと思っていた
だが、彼もまた人間ではない存在になったことがある
バグスターは貴利矢達CRのドクター達にとっては敵の様なものだ
パラドやポッピーのような例外もいることにはいるが。
そんな存在として復活させられた彼の心境はどうだったのだろうか
あの時の言葉には、人間ではなくなる事を忌避する貴利矢の意思が隠れていたのかもしれない
親友を死に追いやって、且つ人間ではない、しかも自分達に仇なす存在になってしまったこと、この2つが貴利矢の不幸に関係しているのではないだろうか
道長「……だからあいつは治療をしたのか」
ジャマト化を治療し、もういない親友とさよならを言い合える時間を与えたのは、自分と同じような思いをさせない様にするためだったのか
探しに行こう、と思うのだった
その後…
景和から連絡が入り、もしかしたら貴利矢もそこにいるのかもしれないと道長は考えていた
英寿「バッファ、随分と焦っているな?」
外に出た途端に英寿に出くわす
道長「……何の用だよ、今はお前と遊んでやる暇なんかねぇからな」
道長はそう言い、英寿の横を通り過ぎようとする
英寿「……レーザーがどこにいて何を考えているのか教えてやると言ったら?」
英寿の思わぬ言葉に道長は足を止める
一方で飛彩から連絡をもらった諫達は沙羅が最初にケケラと出くわした場所へと向かいソルド20を探していた
唯阿「ソルド20!いたら返事しろ!」
諫「おい!あいついたか!?」
ソルド9「いや…レーダーに反応がないため少なくともここにはいないようだ…」
諫「チッ!俺があいつを野放しにしたせいで…!」
諫は改めて自分のやったことを悔いていた
いつでもできると思ってしまったからソルド20が今危険な目に会ってしまっている、もしかしたら命を取られたかもしれない、そう思うと諫は自分自身に苛立ちを隠せなかった
そんな他のソルドがあるものを見つける
ソルド「!隊長!ソルド20のサーバルタイガーゼツメライズキーが落ちています!」
唯阿「!本当か!?」
そう言って唯阿がソルドの元へと駆け寄るとたしかにそこにサーバルタイガーゼツメライズキーが落ちていた
どうやら連れ去るときに抵抗ができないようにとケケラ達によってゼツメライズキーをここに捨てたようだ
ゼツメライズキーを受け取った唯阿にソルドは自分なりの考えを話す
ソルド「隊長、少なくとも周辺には爆発のあとや機械がばらまかれていることは在りませんでした。なのでソルド20はどこかに連れ去られたと見たのでは…?」
唯阿「なっ…!?ソルド20…!」
仲間のソルドからソルド20が連れ去られたと聞いて唯阿はゼツメライズキーをギュッと握る
それは子供を心配する親のようになものだった
そんな唯阿を見て諫はさらに自分がケケラを見逃してしまったことに責任を感じる
諫「くそ…!」
ソルド9「不破諫…」
そんな諫を見てソルド9はどのような声をかけたらいいか悩んでしまったがその時だった
ソルド9「!ソルド20から通信が着ました!」
唯阿「!?なんだと!?」
なんとソルド20からソルド9に通信がかかってきたのだった
突然の通信に唯阿たちが驚く中ソルド9が落ち着いて対応する
ソルド9「こちらソルド9、ソルド20お前今どこにいる?」
ソルド20『ソルド9か…、桜井沙羅は無事か…?』
ソルド9「質問してるのはこっちだ、それに桜井沙羅は現在ゲーム病に罹ってこそいるがなんとか生きている、現在鏡飛彩と桜井景和が対応に当たっている」
ソルド20『そうか…、私は何もできなかったんだな…情けないな…』
現在の状況を聞いてソルド20はまるで元気をなくすかのように喋る
それは自分が約束したことを守れなかった悔しさからだ
そんなソルド20にソルド9は言う
ソルド9「……お前が何をしたいのか俺にはわからない。だが今お前がここで止まっていたら何も救えないし何も守れない、それでいいのか」
ソルド20『わかっている…!だが…!』
ソルド9「……一人で抱え込むなソルド20!俺達を信じろ!」
ソルド20『!』
唯阿「ソルド9…?」
ソルド9の言葉にソルド20は驚く、それは唯阿も同じであった
ソルド9「お前が動けなくなったなら俺達が動く!その逆もまた同じだ!俺達はそうやってサポートし合う、それを飛電或人、隊長、多くの者達から学んだだろ!一人で何でも動くな!少しは俺達を頼れ!それが仲間だろ!だからお前のやり通そうしたことを最後までやれ!それを俺達が支えてやる!」
諫「ソルド9、お前…」
ソルド9がソルド20と通信してるところを聞いて諫は初めて会った頃と変わったことを感じる あのときの彼、いや彼らソルドは文字通り機械的にしか動くことはなかった。だが滅亡迅雷達の手引きや唯阿達の交流を経て彼らは少しずつ変わっていったのだ その成長を今諫、そして唯阿は体感していた ソルド9の言葉を聞いてソルド20は少し間を取ったあと話す
ソルド20『そうだな…、すまなかったソルド9。おかげで目が覚めた。今から私が囚われている場所をを教える。そこまで来てくれ』
そう言って現在自分がいる場所のデータをソルド9に送る
ソルド20『ソルド9、あとは頼む』 そう言うとソルド20の通信は切れるのであった
ソルド9「了解した、隊長ソルド20がいる場所がわかりました。今から鏡飛彩達にこのことを伝えましょう」
唯阿「ああ…頼む(ソルド20と同じようにお前も成長してるんだなソルド9…)」
ソルド9の成長を見て唯阿はそう思ったのだった
そしてその後に飛彩達はデザイアロワイヤルの参加者に巻き込まれたことを知るのであった…
話は少し遡り、各方面に連絡をし終えた飛彩と景和は沙羅にバグスターウィルスを感染させたジャマトを探しに外に出ていた
飛彩「恐らくそのジャマトがいる所にソルド20は捕らわれているはずだ、そして、そこには…」
恐らくだがベロバとケケラもいる可能性がある
景和「姉ちゃんも、ソルド20さんも助け出すんだ」
景和は真剣な表情でそう宣言する
そんな彼の横顔を飛彩は見ていた
誰かのためにこんなに一生懸命になれて、誰かの幸せを願う青年の戦いを自分の娯楽にするケケラを飛彩は到底許せるわけがなかった
飛彩「景和、あのケケラってサポーター、どうしたい?」
飛彩はケケラとの関係を景和に尋ねる
景和「……最初は説教ばかりだったけど親切な人だと思ってたけど……」
飛彩「……」
飛彩が景和の言葉を聞いていた時だった
「おっ、デザロワのプレイヤーじゃん」
景和「えっ⁉︎」
デザイアドライバーを装着した複数の一般市民が飛彩と景和の目の前に現れたのだ
飛彩「何だ、お前ら……と言うより、デザイアグランプリではないのか?」
飛彩の問いかけに集団の中の1人が笑う
「あ?違うよ、デザイアロワイヤルだよ‼︎」
そのゲーム名に景和は耳を疑う
景和「待って下さい‼︎デザイアロワイヤルって、あの⁉︎」
飛彩「景和知ってるのか?」
デザイアグランプリがコラスに乗っ取られたとき開催されたゲーム、それがデザイアロワイヤルだ
景和「……デザイアロワイヤルは、アークグランプリと同じで、殺し合って生き残った1人がデザ神になるんです……」
最悪のゲームの再来に景和も動揺を隠せない様だった
飛彩「何だと……」
仮面ライダークロニクルと同じ様な悪意に満ちたゲームがまだあったのかと飛彩は驚く
景和「俺たちは今は戦っている場合じゃないんです‼︎だからどいて下さい‼︎」
景和は何とか自分がすべきことを思い出し、集団へと向かって叫ぶ
しかしそんな切実な思いを踏み躙るかの様に集団は笑う
「そんなことできねぇよ……それも殺せばデザ神にかなりリードできるお邪魔キャラだっているんだからよ‼︎」
集団の中の1人が飛彩を指す
景和「飛彩さんが⁉︎」
飛彩「……っ‼︎なるほど、運営が俺たちや飛電或人達を始末するためにそう吹き込んだか‼︎」
飛彩は運営がデザイアグランプリに関係のないCRのドクター達やゼロワンライダー達を始末するためにプレイヤーに殺せばデザ神に近づけると吹き込んだことを察する
景和「そんな……そんなこと絶対運営の嘘に決まってる‼︎」
デザイアロワイヤルに追加された残酷なルールを景和は受け入れられなかった
貴利矢「……さて、どうするかね」
貴利矢は建物の上からその様子を見ていた
アズ「あなたも狩られる対象でしょう?そんな高みの見物をしていて大丈夫なの?」
背後に現れたアズに対し、貴利矢は振り向きもせず答える
貴利矢「……自分はあいつらとは戦わねぇよ」
アズ「あら、逃げる気?しかもドクターとしての役割を放棄して……」
アズは貴利矢を煽るが貴利矢はそれに動じない
貴利矢「最初から自分が相手をするのは1人だけだ、そいつが出てこねぇ限り自分は動く気はない」
貴利矢には目的があるようだった
アズはそれを読み取る
アズ「自分で治しておいて、自分で壊すの?」
貴利矢「……自分にはすぎてんだよ」
貴利矢はそう呟く
アズ「彼を傷つけたくない善意から1人になろうなんてね、彼はどんな反応するかしら?」
アズはそう言い、その場から立ち去る
景和「飛彩さん、デザイアロワイヤルが開催されたなら…祢音ちゃん達にも連絡しないと危険です‼︎」
或人の誕生日の夜、或人と祢音と冴が3人で楽しく過ごしているから、と遠慮していたがそんな悠長なことは言ってられない
次々と変身していくデザロワプレイヤーを見て景和は叫ぶ
飛彩もそれに同意する
飛彩「ああ、今すぐ連絡しろ‼︎」
飛彩はガシャットを構えて、デザロワプレイヤーと戦うことを決意するが、命を奪うことはできない
どう戦い、沙羅を感染させたジャマトを倒しソルド20を助けるか、飛彩は景和が祢音に連絡している間考えていた
「何だぁ?ビビってんのかよ‼︎」
変身したデザロワプレイヤー達が2人に襲い掛かろうとした瞬間、空から砲撃がデザロアプレイヤー達に降りかかる
スナイプ(レベル3)「土砂降りだっ‼︎」
デザロワプレイヤー達はスナイプの砲撃から逃れるのに手一杯になる
スナイプ「ブレイブ‼︎タイクーン‼︎ここは俺が抑えるからてめぇらはジャマトを早く倒せ‼︎」
飛彩「開業医‼︎1人では無茶だ‼︎」
飛彩は上空にいるスナイプに向かって叫ぶ
エグゼイド (レベル2)「俺もいるから2人は早く‼︎」
そこにエグゼイドも加勢する
エグゼイド「ほら、倒したらボーナスが入るお邪魔キャラが2体もいるぜ‼︎俺たちを倒してみろ‼︎」
エグゼイドはデザロワプレイヤー達を煽る
エグゼイド「ほら、倒したらボーナスが入るお邪魔キャラが2体もいるぜ‼︎俺たちを倒してみろ‼︎」
エグゼイドの煽りに乗ったデザロワプレイヤー達はエグゼイドに向かっていく
そこにスナイプの砲撃が加わり、エグゼイドとスナイプは連携してデザロワプレイヤー達と対峙する
飛彩「……小児科医に開業医……任せた‼︎」
景和「永夢さんも大我さんも気をつけて下さい‼︎」
2人はその隙をついて、デザロワプレイヤー達から逃げ出す
景和「本当は俺が戦わないといけないのに…」
そして現在、 ソルド9からの連絡で感染源のジャマトとソルド20がいる場所に飛彩と景和は急いでいた
飛彩「俺たちが無駄に戦って傷つくと、お前の姉のゲーム病は更に進行する、治療をしている俺と、唯一の家族のお前がいなくなると言う恐怖とストレスでな…‼︎」
景和「そんな……」
飛彩「だからお前は自分が言ったように自分の手で姉とソルド20を救えばいい‼︎」
景和「……はいっ‼︎」
飛彩に叱咤激励され、景和は自分の目的のため進む。 大切な存在を守るために。
貴利矢「永夢に花家先生が来たか」
貴利矢はエグゼイドやスナイプがデザロワプレイヤーと戦う様子を見ていた
だが彼の目当ては来ていない
貴利矢は空を仰ぐ
貴利矢「ごめんな、淳吾…お前の幸せを使ってさ……しかも自分は、それを……」
貴利矢はもうこの世界にはいない親友に謝っていた
空には星が無数に輝いている
英寿「他のドクター達は戦っているのにお前は何もしないのか、レーザー」
突如現れた英寿に貴利矢は驚く
貴利矢「なんだ、スター様かよ…自分のことでも狩りに来たの?」
貴利矢はつまらなさそうに言う
英寿は貴利矢の発言からあることを指摘する
英寿「レーザー、お前その様子だとデザイアロワイヤルのルールをどこかから得たな?」
英寿の指摘に貴利矢は一瞬びくっとなる
その反応を見て英寿は貴利矢が前もってデザイアロワイヤルのルールを知ったことが本当だと悟るのだった
貴利矢「よく分かったね、そうだよ」
英寿「お前はそれに乗っかって何か目的を果たそうとしている、違うか?」
英寿の更なる追求に貴利矢はため息を吐く
貴利矢「だったら何?自分はあんたには何もする気はねぇよ、ただこの方法が一番だと思っただけだ」
英寿「お前が救った患者をこれ以上傷つけないためにか?それをあいつが納得すると思うか?」
貴利矢の視線がきつくなる
貴利矢「だとしても、自分はそれを選ぶ」