タロットの「魔術師」の由来を踏まえた考察…?

タロットの「魔術師」の由来を踏まえた考察…?


以前「もしもホーキンスがグラン・テゾーロに訪れたら、タロット占いを利用して堅実に稼ぎそう」という内容のネタスレを見た時にふと思い出した内容


前半はタロットについての情報メイン

後半は情報をまとめていてふと思ったガバガバ考察…考察…?そもそもホーキンスもテゾーロも解釈にまったく自信がないので何も語れてない

どちらかと言うと解釈に自信のある人向けに、こういう情報があるので考察に使えそうなら使ってほしいという目的でまとめた


主な情報元は「タロット大全 歴史から図像まで(2005年12月20日の第2刷版)」だけど他にもいくつかタロット関連の書籍を過去に読んでいるのでもしかしたら一部情報がごちゃ混ぜになっているかもしれない

とりあえず、タロットについて大まかな知識はあるけど詳しくは知らない、という人を想定してある程度順を追って説明する


タロットで一番目に割り当てられたカード

これは現在では「魔術師」または「奇術師」の名称で扱われる事が多く、カードの図柄も「杖や杯など神秘的な道具を用意して魔術を行使する若者」のような内容が一般的

ホーキンスの別名「魔術師」もまず間違いなくこれが由来だろう


ところがこのカード、時代を遡ると名称や図柄が少し違ってくる

少なくとも17世紀の時点ではこのカードの名称は「奇術師」または「ペテン師」であり、図柄も「机の上にサイコロとコップ、その他雑多な道具を並べている男」がベース

名称と図柄を考慮すると、奇術師がサイコロとコップを使った手品や大道芸を見せている、またはペテン師が所謂サイコロ賭博をしている(それもペテン師という名前から察するにイカサマ有り)という内容

そしてもっと古いカードだと道具が「羽根ペンと羊皮紙」になっていたり様々な図柄が存在するが、内容の大まかな傾向から書籍の中では「魔術師」のカードの元祖は「ペテン師」「大道芸人」「商人」「宿屋の主人」「サイコロ賭博師」これらの要素を内包したものだろう、という結論になっている


ここでちょっと補足

タロットの大元はトランプであり、当時もっぱら賭博に利用されていたトランプから派生したタロットもまた、本来は賭博用に考案されたカードゲームだった


賭博やゲームに使われるカードの中で一番最初、最も小さい数字である1、つまり「最弱」に位置するのが「ペテン師」とまで言えばたぶん何となく言いたい事は分かると思う

つまりこのカード、元は現代でいう「不正なプレイヤー」とか「チーター」のような存在を皮肉る目的で描かれていたという事

これには賭場や賭け金を提供する一方で不正側に回る事で儲けていた「商人」「宿屋の主人」も含まれている

そして「一見神業のようで実はタネがある」という連想から「奇術師」や「大道芸人」も含まれるようになった

しかし時代を経るにつれタロットが神秘的な道具として見られるようになった結果、このカードは道具を上手く用いて神業を行う「魔術師」として捉えられるようになった…というのが有力説だろう、というのが大まかなまとめ(もちろん、あくまで説は説だが)


↑ここまでタロットの話

↓ここからガバ考察


この「魔術師」の由来が「不正者を含む賭博にまつわる人々」説を採用すると「魔術師」と称されるホーキンスの占いが具体的なパーセントまで割り出してくれるシステマティックな一面も備えた不思議な能力というのもかなり納得いくと思う

特に元のネタスレにあった「ホーキンスの占いなら具体的な確率まで教えてくれるから、確率が良ければベット、低確率なら降りる事で堅実に稼げるし、ラキラキを利用したバカラの不正も結果的に対策出来る」という点はネタでありながら確信を突いているように思う

(真面目に原作の描写と照らし合わせるなら、やっぱりワラワラの実のストローマンズカード辺りと関連がありそう…だけど本当に解釈に自信がないので割愛)

しかもこれで面白くなってくるのが、対するテゾーロも「商人」「宿屋の主人」「ペテン師」辺りにしっかり当てはまる所、ショーも執り行っているので「大道芸人」も近いし


で、それならホーキンスは本当は魔術師じゃなくてペテン師だったのか?というと全然そんな事はないというのを描いたのがワノ国での顛末なんだと思う

もしホーキンスが自身の利益のためならイカサマもいとわないダーティなペテン師だったなら、確度の高さが証明されている占いの結果を元に百獣海賊団を裏切ってキッドの方についていたかもしれない

でもホーキンスは死を覚悟の上で、自分なりの信念やポリシーを貫く方を選んだ

ペテン師に成り果ててまで勝つくらいなら高潔な魔術師として負ける事を選んだ…と考えるとまた味わい深いエピソードになるんじゃないかと思う


そしてこの要素、不思議な事にテゾーロとステラのエピソードにも通じる所がある

テゾーロが悪事に手を染めてでも金を稼いでいたらステラは買えただろうが彼女の心は救えなかった、テゾーロが心を入れ替えて真面目に働いたために間に合わなかったが、だからこそステラの心は救われた


だから何だよって言われると本当に困るんだけどあにまんのネタスレってたまにこういう妙な所でシンクロニシティあったりするのが面白いという話




これは完全に関係ない話

まとめる際に書籍を読んでいて目に留まった「タロットで最も数字の大きい「最強」のカードは「世界」だが、これに描かれているのは運命の女神フォルトゥーナである」という説をついでに載せておく

これもかなり話が長いので要約すると、賭博でもゲームでも最後に勝つのは「運命の女神が微笑んだ方」だから

要するに今でいう「ダイスの女神」的な発想が当時既に存在してたのかもしれない…と思うとちょっと面白かった

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