スネークとホークの短い話
少し冷える夜に、格納庫入口に嵌め込まれたガラスが結露して曇っていた。
何の気なしに指でなぞると、ひんやりした感触がする。
キュッと指を滑らすと、その部分だけ曇りが取れた。
なるほど、文字か何か書けそうだ。
暇なので何か描こうか、と考えたが、題材が何も決まらない。
少し考えた末に、いつも見慣れたホークでも描いてやるか。と指を滑らせる。
鼻歌を歌いながら上機嫌で描いていると、曇りの取れたガラスの向こうから、見慣れた眼が見ていることに気がついた。
「……!!」
慌てて、せっかく上手に描けたホークの顔にヒゲを追加したり、原型を留めないように面白い顔にして誤魔化す。
ガラス越しにホークの顔がどんどん微妙な顔になっていく。
違う。別にそなたを描いていた訳では無い。
と必死に弁明しようと首を振り、唇の形だけで伝える。
ホークは黙って、曇ったガラスの下を指さした。
そこにはきちんとホークの名前が書き添えられている。
「あッ!!」
ベガパンクよ、どうかホークの記憶を消してくれ。
たった今の3分だけでも良い。どんな命令でもきく。
何にも不満は言わないから。
この場で何をできるかと考えた結果。
ガラスを拳で叩き割った。
「おい……」
防音ガラスが割れ、ホークと目が合う。
「……つい♡」
窓の割れる音で研究員達がかけつけ、その後はリリスに怒られた。
終
各自色んなお題ガチャで良い結果出たら教えて頂けると妄想SSの糧になります