サーヴァントだから

サーヴァントだから


───某日、カルデアにて…。


「お館様を骨抜きにする方法、でござるか」

「(コクリ)」

「ふうむ。美遊殿の場合、そうさな……やることはやっているとお見受けする故、やはり伽の技を磨くしかないのでは? ああ、『とぎ』と言っても米を研ぐ訳ではないでござるよ? ガッツリ夜伽の方でござる」

「それは理解しているけど……わたし達の関係、もしかしなくてもバレてる…?」

「ご心配めされるな。極一部以外に察している者はおりませぬ」

「そ、それならまあ…」

「ふふ、想い人の褥は温かいものでござるからなあ……あれは、好い…」

「もしかして、夫の望月盛時さんのことを考えていたり?」

「あ、え!? そ、そんなことは……あるけど…」

(…なる程。クロがイリヤをからかう心理が理解できた。彼女をからかうの、ちょっと面白い…)


───


───数日後、何処ぞの微小特異点の宿にて…。


「そういう訳で、夫の性欲を処理するのは妻として理に適っています。ついでにサーヴァントとしても魔力供給が見込めるので、やらない手はないかと」

「いや、どういう訳か知らないけどさ。美遊、本音と建前が逆じゃない?」

「今更そんなのどうでも良いです。さあマスター、遠慮しないで……おちんちん……らして…♥」


美遊が左人差し指で口を広げ、赤い舌をちろちろ動かして立香を誘惑してくる。立香はその誘惑に抗わず、慣れた手付きでズボンを脱いでペニスを露出させた。


「…ぁあぁ…♥ やっぱり立香お兄ちゃんのおちんちん、すごくグロテスクで死ぬほどかっこいい…♥♥♥ イリヤとクロがメロメロになっちゃうのも当然だよぉ…♥」

「そんなに褒められると少し恥ずかしいな…」

「ふふ、謙遜しないで? …じゃあ、立香お兄ちゃんの雌殺しチンポ、ぴかぴかにしてあげるね…♥ ぁー、むっ♥」


うっとりと語る美遊が亀頭にキスを捧げ、それからペニスを一息で飲み込んでしまった。


(塩辛くて、不味いはずなのに……好きっ…♥)

「うっ……くっ、美遊……美遊…!」


根本まで咥え込み、カリや竿を丹念に舐めしゃぶる美遊の口に容赦なく射精する立香。幾度となく繰り返したその行動に対する美遊の慣れた反応こそ、二人の仲を象徴していると言える。


「んぅっ♥ んっ♥ んくっ♥ …ごきゅッ♥♥♥♥♥ …ぷふぁっ♥♥♥」

「くっ……ぅ…。…ごめん、美遊。無理させたね」

「何も謝ることなんてないよ…♥♥ 立香お兄ちゃんのザーメン、大好きだから…♥♥♥」

「…美遊…!」


立香が美遊に勢い良く覆い被さり、ベッドに押し倒す。『小学生を押し倒す高校生』という犯罪的な絵面だが、当人達は和姦のつもりである。


「美遊と子作りしたい…! 神稚児が産まれてきてもちゃんと育てるから! だから…!」

「もう、いつも言ってるでしょ? 良いよって♥ もし神稚児が産まれても、イリヤ達も含めた、わたし達みんなで育てて行こうって♥」

「っ…! 美遊!!」

「あんっ♥♥♥」


───


立香と美遊が、後背位で交わっている。ケダモノのように盛り、欲望のまま腰をぶつけ合う二人に、普段の理知的な雰囲気は微塵もない。


「あんっ♥ あ♥ あっ♥ あぁあっ♥♥♥」

「そもそもあんなエッロい格好してる美遊が悪いんだぞ!? サファイアプロデュースの変態衣装受け入れるなんて、“お兄ちゃん”以外の男にこうしてハメられても文句言えないんだからなっ!!」

「あぁあッ♥ はぁっ♥♥ はぁんッ♥♥♥」

「っ…! もう射精る! オレの精子たっぷり受け止めて、オレの遺伝子で妊娠するんだっ! 美遊ッ!!」

「うんっ♥ 射精して♥ 遠慮なく射精して、立香お兄ちゃんの赤ちゃん孕ませてぇ♥♥♥ 神稚児産まれてもちゃんと育てるからぁ♥♥♥」

「言ったな!? もう美遊の子宮完っ全にオレのものだからな!? 元の世界の“お兄ちゃん”には一切使わせてあげないからなっ!?」

「うんっ♥ うんっ♥♥ それでも良いよ♥♥♥ もし再会できたら、いっぱい祝福してもらうからぁっ♥♥♥」


理性をトばした立香の前でこの言葉は、実質的な自殺行為である。しかし、美遊は言外に示していた。「立香お兄ちゃんのものになりたい」と。

だから立香は、美遊の子宮にずっちゅんッ♥♥♥ と躊躇うことなくペニスをぶち込んだ。


「イ、ぐッ…! 美遊ぅッ…!!!」

「お゛っ♥」


───どぷっ!! どぴゅるるるるるぅっ!!!


「んぉおおおッッ♥♥♥ イグゥゥウウウ♥♥♥♥♥♥♥」

「美遊っ…! 子宮にオレの遺伝子染み込ませて、霊基にオレだけをしっかり刻み込むんだぞ…!」


美遊の子宮にドクンッ、ドクンッと注ぎ込まれる立香の精液。それに内包された精子が、美遊の卵子を求めて跳ね回る。

…聖杯転臨の末に受肉した美遊達には、常に妊娠の可能性がつきまとう。美遊が避妊用の魔術をかけていなければ、立香と美遊の遺伝子は確実に受精し、着床していたことだろう。

…先程のやり取りは、あくまでプレイだ。しかし、避妊する必要がなくなれば……立香と美遊の将来設計は即座に現実のものとなる。美遊はそれ程立香に入れ込んでいた。


(聖杯としてのわたしが求めてたのはきっとこれなんだっ♥ 立香お兄ちゃんのくれるこの熱くて白いのっ♥ これが中身になって、初めてわたしは完成するんだっ♥♥♥)


元の世界に戻ったオリジナルの“美遊”が、サーヴァントの美遊を見ればさぞ驚くことだろう。「“お兄ちゃん”がいながら」と糾弾するかもしれない。

しかし、彼女に裏切りの是非を問う資格はないと美遊は考えていた。…理由は単純、元の世界の“美遊”とて“お兄ちゃん”一筋ではないからである。

“美遊”は、並行世界の同一存在である“お兄ちゃん”と“■■さん”が実質別人だと理解していながら“■■さん”に懸想していた(“お兄ちゃん”とは今生の別れだと思っていたとはいえ)。

故に、美遊はこう考えた。「なら、カルデアに召喚された自分が立香お兄ちゃんと愛し合っても問題はない」と。むしろ、「本体とは別存在だからノーカン、と言い訳できるわたしの方が遥かに貞淑」とすら考えていた。

───立香との仲が深まることで、「イリヤのため」から「サーヴァントだから」に変化した屁理屈。それで理論武装した美遊は無敵だった。その無敵性は、こうした微小特異点でも猛威を奮っている。


「立香お兄ちゃん、キスして…♥」

「良いよ。おいで、甘えん坊さん」

「んっ…♥」


蕩けきった乙女の顔で振り向き、立香に唇を捧げる美遊。その太ももから、立香の精液がつぅっ♥ と垂れていく。その直後だ、硬度を取り戻した立香のペニスが美遊の子宮を貫いたのは。

…こうして美遊は、子宮と言う名の聖杯に一晩かけて“中身”を注がれたのだった。

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