サラちゃんVSモブ子

サラちゃんVSモブ子


「……んー…」

ふと目を覚ます、時計は昼過ぎ辺り。

「…うるさ……」

こんな時間に寝てる方にも責任はあるだろうが、外の音で目を覚ましたのだ、ちょっと文句も言いたくなる。

…昼食をとり、そのまま午後の授業を無視して街に練り出す生徒達の声だろうと考えて

「…?」

いつものそういう喧騒とは全く違う音だと気付く。

まるでなにかが這い回るような、そんな音


なにが起きてるのかと、確認するために窓を開き…

スパンッガチャッと、目に飛び込んできたワケの分からない光景に勢いよく窓を閉じる

「……なんだ今の………なんだ今の…!?」

ベッドに座り直し視界に入った情報を反芻する

上の方はいつも通りゲヘナの街、それはいい。

問題は下の方だ、まるでアスファルトが全部芝生に取り替えられたような一面の緑、点在する赤やら黄色やら。

そう、サラダのような色味で……

しかしそれが蠢いていたのだ、サラダのようなモノが、ゲヘナ一面に。


混乱、幻覚でも見たのでは?しかし這い回る音は聞こえる、なんなら近づいてきて……

気づいたところで振り向いた。

ミシィ、と窓が外から押される、さっき見たサラダのようなモノが窓の外側を埋め尽くしている

「あ、ぇ…は?」

窓から距離をとる、そして扉、廊下に出ようとして…

ギシィ、と鍵のしまったドアが押され、軋む

「ひっ」

何が扉を押したかなど考えるまでもなく

つまりは寝てるうちに寮の廊下まで侵略されていたわけで


そういえばこんなワケのわからないモノが溢れているのに

どこからも悲鳴やら叫び声やらが聞こえてもこないことに気付き

残されているのは自分だけなのではと考えたところで

窓とドアが同時に破られ

サラダのようなモノが

濁流のように部屋に流れ込み──


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