サイコーな彼女であるメイヴちゃんと過ごす真っ黒な夜
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「ねぇリツカ?私がなんで怒ってるのかわかる?」
「な…なぜでしょうか?メイヴ様」
二人で行ったコミケのイベントが終わり深夜。俺、藤丸立香は彼女であるメイヴに押し倒されていた
彼女はイベントで最初から最後までずっとコスプレエリアで立ちっぱなしで疲れているだろうに元気なものだ
「今日のイベント…あなたはどう過ごしたか。もしよければ具体的に教えてもらえないかしら?」
「えーと…そうだね。君と別行動を開始してからまずは好きな作家さんの同人誌を買いに行ったね」
「それで?」
「その後は…君が好きなジャンルの同人誌を買いに行ったよ」
「ええ、そこまではいいわ。あなたチョイスの同人誌も良かったしね。…で?その後は」
「いい機会だと思ったから新規ジャンルの開拓をするためにいろんなところを見て回ったよ」
「この!私が!いる!コスプレエリアには!?」
「最後までいきませんでした…」
「ねぇ?私たちって仮にもカップルでしょう?それなのに私の勇姿を一切見ないってどういうことかしら?」
「いやだって…」
パチンっ
言い訳をしようとした直後、胸に軽い痛みが走る。どうやら彼女がコスプレに使っていた小道具の鞭で俺を叩いたらしい
「この後に及んでまだ言い訳するつもりなの?いい度胸ね?」
「…似合ってるねその鞭」
「私もそう思うわ…ってそうじゃなくて」
はぁ…とため息をついた後彼女は失望した顔で俺を見下す
「あなたがそんな甲斐性なしとは思わなかったわ。もう他の男に乗り換えようかしら」
「えっ」
「だってそうでしょう?こんな酷いことするような男…我慢ならないわ。それに私…これでも超人気インフルエンサーなのよ?それこそ私に夢中な男なんて飽きるほどいるし昔の男だっt………」
ガバっダンっ!
俺は衝動的に起き上がりそのまま彼女を押し倒す。彼女は俺の唐突な行動に全く動じずじっと俺のことを詰るように見つめてくる。
「…なによ。ほったらかしてたくせに今更独占欲を発揮しちゃうの?あなた」
「お互いに昔の付き合っていた相手のことの話はしないって約束だったでしょ」
「だったら私を退屈させないで。さっきの私の発言については元はといえばあなたのせいよ」
「それは…ごめん。正直な話、我慢できなかった」
「…何を?」
「君が…他の男に色目を使う姿も、君が他の男にモテる姿もいやだった…辛かった…だから…避けてた…ごめん」
「…ふふっ♡いいわ。あなたのその歪んだ表情に免じて許してあげる♡」
「ありがとう、メイヴ」
「それで?これで終わりなの?」
「え?」
「あなたのドス黒い嫉妬心と独占欲はそれで終わりなのか聞いたのよ」
彼女はそう言うと邪悪な笑みを浮かべ俺の右頬を左手で撫でる
「誰よりも清廉だったあなた。誰よりも優しかったあなた。誰よりも人気だったあなた。そんなあなたの悍ましい獣性♡吐き気のするような欲望♡全部♡全部私に見せなさい…それこそ私が最高の男であるあなたを完璧に堕としたって言う証明なんだかr…ん♡」
俺は我慢できず彼女の口を無理やりキスで塞ぐ。全くひどい女だと思う。俺の心をグチャグチャに歪ませてそんなに楽しいのだろうか
だったら乗ってやろうじゃないか。俺のドロドロで真っ黒な全性欲を賭して今日こそ彼女をヒーヒー言わせてみせる
「君の全部が…欲しい。NOとは…言わせないから」
「ふふっ♡ええ…いいわ♡存分に私の体を堪能しなさい♡ん♡ああっ♡ふーっ♡ふーっ♡いいわ♡あなたのその顔♡サイッコウ♡…あん♡」
結論を言うと…恥ずかしい話ではあるが今回も惨敗だった
彼女に勝てる日は…当分来そうにないらしい