コピペしたss其の一
目の前の光景は心を悲しみで満たす。
傷つきながらも逃げることしかできなかったあの日の事
血の流れる自分の体より弔うことも許されずその場を離れることしかできなかった無念。
我が子を守れなかった不甲斐なさに彼女は体を震わせる。
ふつふつと湧き上がる怒りを抑え
銀嶺族の長たる振る舞いを取り繕い静かに目の前の見慣れぬの男の名を問う。
初めに聞こえたのは「美食家」だった。
ポポが襲われるのはいつだってその肉の為だ。
彼女の怒りは最高潮に高まった。
次に聞こえたのは『海賊』だった。
手段を選ばない海賊によって傷つく仲間はあとを絶え無い。
彼女が怒りを抑える事等もう出来無かった。
最後に名前を名乗ったようだが彼女の耳には届か無い。
目の前の男は敵、彼女にとってそれ以上では無く、彼への怒りは彼女に"巨獣"の力を使わせるには充分であった。