クリスマスが今年もやってくる
もうすぐクリスマスだ 付き合ってから暫く経つがプレゼントをあげていない事に気がついた。 流石にそれはまずいだろうと慌ててプレゼントを選びに来たが…あいにく異性に贈り物などしたことが無いので何を渡せばいいのか全くわからない 食べ物は好みがあるし、服は自信が無い
考えながら街中を歩いていると、ある物が目に入った 派手すぎないデザインでピンクの宝石が綺麗なネックレス。
純白の女王と呼ばれ気高いイメージを持たれているが、年頃の少女らしく可愛らしい一面もある そんな彼女を思い起こさせる品物…気がつくと綺麗に包装されて手元に収まっていたのだった。
似合うだろうという一心で買ってしまったが初めて渡すプレゼントにしては重たいか…?不安に思い同期達に連絡を取る
「いきなりネックレスは重いよ!」
「お前女子にそれ贈る意味知ってるか?」
…散々な言われようだ
だが買ってしまったものはしょうがない
「渡したい物がある」と彼女を呼び出した
しばらく待っていると愛らしい姿が見えた
「今日はクリスマスだろう?プレゼントを買ってみたんだ、似合うと思って…」
つい緊張で早口になる
「嬉しいわ ありがとう」
「そ、そうか 気に入ってくれて良かった」
「ところで貴方、異性にネックレスを贈る意味はご存知?」
そういえばあいつらにも似たような事を言われた気がするな…特に気にした事も無かったが、プレゼントに意味なんてあるのだろうか…?
懐の携帯を取り出し調べてみる すると─
「…!?知らなかったんだ そんなつもりじゃ」
「あら、そうなの?」
すると彼女は何を思ったのかこちらに歩き出し 目の前で立ち止まった…やはりいつ見ても美しくて綺麗な顔立ちだ
なんて惚れた弱みで見とれていると彼女は背伸びをして──
寒空の下で2つの影が重なる
それは冷たくてやわらかな感覚がした
「束縛されても構わなかったのだけれど」
そう呟くと悪戯に人差し指を立て満足げに笑う
こちらがプレゼントを貰ってしまった…なんて口元が綻んでいる事に気づき引き締める、自分がしどろもどろしている間に彼女はいつの間にかネックレスを付けていた
「冷えてきたわね カフェにでも行きましょう」
足早に歩き出す彼女の後を追いかけながら
ひんやりとした手を繋ぎ歩き出した