ギルガメッシュ✖️伊織(2)

ギルガメッシュ✖️伊織(2)


 全身に意識を巡らせる。まず腕、両手首で固定されている。脚、膝をついて腰を上げる位置。こちらも固定されている。全身はうつ伏せで、脚の状態から分かるように尻を突き出すような姿勢をとっている。最後に尻だが、内部に棒状のものが入っている。おそらくというか確実に指。それも三本。先ほどよりも本数が増えている。最悪である。さらに辺りに満ちる香油の匂いは、甘ったるく留まり続けている。

 現状にうんざりしながらも確認を済ませた伊織に、咎めるような声が飛ぶ。

「考え事か?随分と余裕よな」

同時に指がぐるりと伊織の中をかき混ぜた。腰がふるりと震え、咄嗟に己の腕を噛む。ギルガメッシュに尻の穴を弄られ始めてから、もうどれくらいの時が過ぎたのかは分からない。もしかしたらほんの一時も経っていないのかもしれないが、伊織にとっては人生で最も長い時間に感じられた。

伊織に男相手の経験はない。女役もしたことはないし、男色の気もなかった。故にこの状況は異常でしかない。はずなのだが、

(以外と悦を感じてしまう…気持ち悪いのは変わらないのだが…)

ギルガメッシュの手管なのか、男の体も以外とそういうふうにできているのか。どちらにしても早く終わってほしいものである。

そんなことを考えている間にも、体内の指は伊織の中を解していく。時折震える体を抑え、声を何とか噛み殺していると、突然指がずるりと抜けた。一際大きく体が跳ねる。やっと気が済んだかと思って後ろを見れば、ギルガメッシュが自身の着物をさっさと脱いでいた。

「…いや、脱ぐな」

「脱がねば続きができぬだろう。というか本当に余裕だな貴様。勘所を弄ってやった時は殊勝になったと思ったが」

「剣士たるもの、平静を乱されたとしてもすぐに冷静さを取り戻すのは普通だろう」

「そうか。それはそれとして挿れるぞ」

「え」

腰を掴まれ、先ほどとは比べ物にならない質量が伊織を貫いた。全身が硬直し、再三噛んだ腕からは血がたらりと流れ出た。

「…いい加減に覚えよ。息は止めるな、声は抑えるな。我にも貴様にもいいことはないぞ」

「〜〜〜〜ッッァ、ぬ、け!」

「我に命令する気か?というか、貴様が落ち着きすぎていてつまらんから、もう体に教え込む方が早いと判断した。止める気は一切ないので諦めよ」

そこまで言ってギルガメッシュは緩やかに腰を動かし始める。経験のない伊織に対する配慮ではなく、その反応を愉しむためなので別に優しくはない。時折見つけた勘所に掠めさせ、眼下の男が快楽に感じいる様を笑った。

対して伊織は、全くたまったものではない。ギルガメッシュが動く度に訳の分からぬ感覚が全身を走り、とある箇所に当たれば目の前に星が弾けた。痛みは強い。それでも確かに感じてしまうものがある。分からない、分からない。これは知らないものだ。声は腕を噛むことで抑えたままだが、それ以外が制御できない。ギルガメッシュの動きに合わせて、段々と——

「なんだ、腰が揺れているぞ。良いならば良いと素直に言ったらどうだ」

「………ふっ、ぅぐ、ざけるな。俺は、抜けと言ったぞ、ルーラぁがっっ⁈」

伊織の言葉を聞いた瞬間、ギルガメッシュは勢いよく腹の奥まで叩きつけた。視界が真っ白になり、ありえないほどの痛みと快楽に頭が埋め尽くされる。口がはくりと開いては閉じたが、声の一つも出てはこなかった。

「減らぬ口だな。貴様はそのまま悦楽に浸っていれば良い。我も我の好きなように、貴様の体を愛でてやる」

何度も何度も、繰り返し送られる強すぎる刺激に、伊織の体はずるりと力を失った。元より後ろの快楽の耐性はない上、痛みすらも気持ちよさに成り代わる。最早口を抑えることもままならず、浅い呼吸音が漏れ出るままだ。

茫然自失の伊織に、ギルガメッシュはうっすらと笑う。腰の下がった伊織の体を引き起こし、自分の前に座らせた。

「気をやるにはまだまだ早すぎるぞ、雑種。起きよ」

「…〜〜っぅあ⁉︎ま、とまれっ、おくまで、まって、ぇあ、ぅう“う“ぅぅぁ“〜〜!」

伊織の上体が起き上がると同時に、ギルガメッシュの魔羅が奥深くまで届く。目を見開いて低く呻く伊織のうなじを、ギルガメッシュはべろりと舐め上げた。同時に伊織の肩が大きく跳ねる。その反応に気をよくして、首筋、耳、肩と唇を落とし、時に吸いついていく。その度に伊織は呻き声ではない嬌声を漏らした。

「なんだ、首周りが弱いのか?それとも——」

ギルガメッシュの右手がするりと、伊織の左胸を撫ぜる。伊織は縛られた両の手を握りしめ、腹の中をきゅうとしぼめさせた。

「急所を触れられるのは、気持ちが良いか」

「ち、がう。ちがうからはなせ、ルーラー」

「ふむ、威勢はいいが、声が震えているぞ?ああいや、それはずっとか」

揶揄うように耳に声を注ぎ込む。左胸の乳輪をきゅうとつまんでやれば、面白いくらいに中が締まった。なるほど、これならばやりようは幾らでも。

ギルガメッシュは抜かずに伊織を自身と向き合わせる。久方ぶりの胎への刺激に、伊織は体をのけ反らせる。そんなことはお構いなしに、ギルガメッシュは伊織に喉仏に噛みついた。

「〜〜〜〜っぁああああああ⁉︎」

「…良い声だ。そのまま鳴いていろ」

それだけ言ってギルガメッシュは再度首元に口を寄せる。同時に右手は伊織の左胸を弄り出した。

首筋を噛まれ、喉仏を舐められ、頸動脈の上を吸われる。その度に襲い来る快楽に伊織を全身を震えさせて逃げ出そうとしたが、ギルガメッシュの左手一本でその動きは抑え込まれる。それどころか、逃げようとした動きのせいで胎の中が擦れ合い、無用の快感を生んでいた。

胸への刺激もどんどん感じやすくなって、体が作り変えられているようにすら思えてくる。これは命の危険と快楽を誤認しているだけなのだと理解している。理解しているのに、どうしようもなく気持ちいいと、そう感じている自分もいた。

「るっ、るーらー、もうやめろ、やめてくれ。ぅっ、はぁぁ〜〜ぁ“っ!もうっ、むりだからっ……っあ、あ、やめっ」

「ぅむ、ああ、なら一度切りをつけるか」

「ひっ、ぁ、そこ、で、しゃべるな、くびはだめっっ〜〜〜ぅぁ“あ“あ⁈⁈」

ずん、と中に深く打ち込まれ、伊織の言葉は嬌声へと変わる。自重でただでさえ深く刺さっていたものが急に動き出し、さらに奥へと入れられた。緩やかに揉まれるだけだった乳輪はぎゅうとつままれ、先端を押し込まれてこねくり回される。

「いやっ、ぁあ、むねのやめっやめて…!ひあ“っあっあっ、おく、ふかい、むりだっ…ぅあっ、うっぅぅ“〜〜…!」

今までで一番強い、強すぎる快感に伊織は全身を暴れさせる。それを易々と封じ込め、ギルガメッシュはくつりと笑った。

「ああ、やはり良い声で鳴くな、貴様は。そのまま快楽に飲まれていろ、伊織」

自分の名前が嫌に鮮明に響き、伊織は一瞬息を止める。その瞬間、勢いよく奥深くまで貫かれ、同時に喉にがぶりと大きく噛みつかれた。再度頭の中が白くなり、伊織は体を震わせながら果てる。ギルガメッシュと伊織の腹を白い蜜液が汚した。

「はっ、朴念仁でも果てはするか。…というか、急所が弱すぎたのと香油のおかげとはいえ、貴様初めてでこうまでなるか?もしや実は経験があったり——雑種?」

ギルガメッシュは伊織の顔に目をやる。そこには、口をだらしなく開き、唾液を端から伝わせる、悦楽に溺れた男の顔があった。その瞳はどう見ても蕩けており、行為を始める前の凪の如き様はどこにもない。

しばし驚きに目を見開いた後、ギルガメッシュはくつくつと笑う。

「なんだ、貴様は本当に女の才のあったようだな。——ああ、それは良い。どうせセイバーも今宵は戻っては来まい。未だ夕暮れの過ぎたばかりだ。まだまだ楽しむことはできるぞ。よかったな、雑種」

そう言って畳に着ていた着物を敷き、伊織を後ろに押し倒す。その振動でまた悦を得たようで、伊織の中がキツく締まった。

「…るー、らー、もう、いいだろ、ぬけ。さっきのことばは、きかなかったことに、」

「喧しい。貴様がどう乞い願おうと意味はない。…精々楽しめ。今の貴様にできることはそれだけだ」

脚をぐいと持ち上げれば、伊織は甘い声を上げる。それを酷く好ましく思いながら、ギルガメッシュは伊織に覆い被さった。

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