キンカイの妄想
前回のスレでキンカイ拘束プレイを提供頂き楽園を感じたので、楽園に入りたくて書きました。エッチなシーンが恥ずかしくて難しくて書けなかったので導入までです。小説を書ける人は凄いですね…
勝手に空島に行ったりカイドウさんが敏感だとかしてるので注意です!
子どもが夢の国に旅立つほどに夜が更けた頃。いつもは無人の空島に造られた大きな家の中の大きな寝台の上で黒い髪の白い角を生やした大男が寝そべり、白い髪の黒い翼を生やした大男が端に座っていた。互いに上半身には何も付けておらず、これからすることを思ってか少し興奮している様子だった。
寝台の脇のテーブルの上にはカンテラと潤滑油の入った瓶、木箱に入れられた海楼石の手錠が置かれている。カンテラの明かりを受けて手錠がチカリと光るのを見やりながらキングは白いシーツに波打って広がるカイドウの髪を一房手に取り指の腹で撫でた。
「なあカイドウさん…本当にこれをするのか?」
「今さらくどいぞキング。おれが決めたんだ」
前回盛り上がり過ぎて、カイドウがキングの頭を蹴り飛ばしそうになったことがあり、カイドウは海楼石の手錠を自分に付ければ事故を防げると考えたのだ。 キングも内心困っていたので渡りに船ではあった。
「ここにはお前しかいないんだから構わねェよ」
カイドウは心配そうに見下ろしてくるキングにウォロロと笑い返した。
「そうか…じゃあ、付けるぞ」
その信頼の言葉にキングも嬉しくなりながら技手で海楼石の手錠を両腕を頭の上に持ってきたカイドウの両手首にはめた。海楼石の手錠をかけられるとふにゃりと弛緩した体にキングは興奮した。
「あー…やっぱ苦手だぜ。これぁよォ」
「カイドウさん…やはり、やめておくか?」
「いや…元々おれが言い出したことだしな。お前を蹴り飛ばしたくはない」
「そうか…」
悪魔の実の能力者にとって海や水は大敵だ。何もなくとも人間なら溺れれば死んでしまうが、腰以上の水に浸かれば体から力が抜けるし、海楼石という石を体に当てられれば能力も使えなくなってしまう。
そんな不快でしかないだろうことを、自分を思いやってしてくれているのだと思うとキングはもう感無量というか嬉しくて羽をバサバサと動かしてしまう。
「おーおーご機嫌じゃねェか」
「アンタがおれのことを考えてくれてると思うと嬉しくてな」
「ウォロロロロお前は変わらねぇな」
互いに笑い合うと息をするように、触れあう口を合わせる。2人でなければ素顔をさらすことも出来ない生活で、更に一晩供に明かすことは昔に比べて難しくなったこともあり、最近は辛抱堪らんが過ぎた。酒を飲む横顔を何度見上げ、燃える火に照らされる目を何度見たことか。空いた時間を埋めるように暫くそうしていたが口だけに止まらずキングの接吻はカイドウの額や目の下、首筋、鎖骨と下がってくる。カイドウはその度に目を細めたり吐息を漏らしたりと忙しい。
キングの吐息が、唇の柔らかさが、ウェーブした髪先が肌に触れると触れられた場所が熱くなって、腰が重くなる。カイドウはこんな触れあいだけで腰砕けになると、キングにはまだ気づかれたくなかった。
体が無意識に震えそうになるがそれを意識して押さえ込もうとして、出来なくてカイドウは目を見開いた。キングを止めようと動かそうとした手が動かない。チャリチャリなる音がしてあっと気がついた。
(海楼石のせいか?…まずいな。動けなくなるだけかと思っていたんだが…まァ動けねぇのは目的道理だが…)
このままでは自分がやられっぱなしになってしまうのではないか。そんな危機感を抱いたカイドウはキングを言葉で止めにかかった。
「キング…そんなにしても疲れるだろ?おれはでけぇからよ…さっさと突っ込めばお前も気持ちいいンじゃねぇか?」
「おれがしたくてしてるから疲れない。そう云えばアンタいつもそう言って止めさせようとしてくるな…もしかして嫌なのか?」
いつも嫌だったのを我慢してたのか?と、ほぼ無表情だがキングが捨てられた子犬みたいな顔をするものだからカイドウは困りながらも笑ってしまう。
「そんな顔するなよ…嫌いとかじゃねェが、むずむずすンだよソレ」
「ふぅん…そうか…満更でもないってことだよな?」
「満更、いや…ううん」
言い淀んで目線を横に流すカイドウを見つめながらも、いつも体をキスしたり舐めたりしていると手でやんわり制してくるカイドウを思い出してキングは少し考えこんだが良いことを思い付いたように口角を上げた。
今日はカイドウさんはろくに動けない。つまり、おれのしたいようにできる。本人も嫌じゃないみたしだし、やってみて、問題があったら止めればいい。
「それじゃあ続けるな」