キスキルフレグランス

キスキルフレグランス



人々で賑わう夜の繁華街。

その中で一際目立つ美女に相手にもされずに肩を落とす男たちの姿があった。

オーバージャケットを羽織り、大胆なヘソ出しスタイルを見せつける赤髪の美女の名はキスキル。

最近世間を騒がせている二人組の怪盗イビルツインの片割れである。

そんな彼女は今日はオフの日。相方のリィラとは別行動をしており、今夜会う約束をしている人物が来るのを約束の時間からずいぶんと前から待ち侘びていた。

そんなキスキルが握っていた通信機器にメッセージが届き、それを見たキスキルはキョロキョロと周囲を見渡し、目当ての車を見つけた。

それは誰の目から見ても見窄らしい型落ちの軽バンだった。

表面の塗装は剥げ、テールランプにいたってはガムテープで補強されている有様だ。

そんな誰もがドン引きの車に駆け寄り、キスキルはドアを開ける。

むわりと周辺の空気が色付いたかのような錯覚がキスキルを襲う。

車内は染みついたタバコのヤニで黄色く変色し、悪臭が車内から漏れ出す。付近を歩いていた人々は思わず距離を取り、何人かは露骨に鼻を塞ぐ。

そんな車に身を滑り込ませ、キスキルはタバコで穴がいくつもあいたオンボロシートに座りドアを閉める。

閉め切ってしまえばそこはまさに動く喫煙所。

内側の取手にへばりついたヤニで手入れされたキスキルの指先が汚れるほどだ。

そんな事は一切気にせず、キスキルは手早くシートベルトを付けると運転席に座る男に声をかけた。

「こんばんは、オジさん❤︎」

「こんばんは、待たせて悪かったねキスキル」

雲泥の差とはまさにこの事。誰もが振り返る美女であるキスキルに比べ悪い意味で誰もが振り返る男が並ぶとそれはより顕著に感じられる。

40代後半ぐらいの男は車内のエアコンが効いているにも関わらず脂汗が滲み、腕まくりしたワイシャツもじっとりと湿り、脇にいたっては濡れて変色してしまっている。

先ほどから鼻を刺す刺激臭はヤニの臭いではなく男の体臭。人によっては嘔吐するであろう酷い臭いだ。

それをわかった上でしっかり鼻で呼吸するキスキル。美しい彫刻のように整った鼻から吸引される空気はまさに最悪の一言。あまりの臭さにキスキルの目尻の端に涙が浮かぶがキスキルは鼻を塞ぐ事なく、むしろより深く息を吸う。

「はぁ〜、クッサ❤︎」

「そんなに臭いかい?」

男は軽く自分の身体を嗅ぐがピンと来ていない様子だ。

「自覚ないとかヤバすぎ、こんなの公害っしょ」

「相変わらず口が悪いねキスキルは、そんな子にはコレはあげないよ」

そう言って男は身につけていたマスクを外しぷらぷらとキスキルの前で左右に揺らす。

キスキルはニンジンをぶら下げられた馬のようにしめり黒ずみだしたマスクを目で追う。

職場の人間から直球でマスクを着けろ、スメハラだ、などと言われた男は毎日マスクを2回以上交換しているがそれはまるで何日も付けっぱなしだったかのような有様だ。

「うそうそ、じょーだんだってば」

男からマスクを取り上げるとキスキルはマスクのヒモを指で摘み、その内側を観察する。

外から見ても汚かったが内側はさらに悲惨だ。

100人中100人がそのマスクを着けろと言われたら金を払ってでも断るだろう。

「ね、ねぇ…いいよねオジさん❤︎」

手にした獲物を前に許可を求めるなんて事はかつてのキスキルではありえない。側から見れば対等ー否、キスキルが主導権を持っているかのように見えるが実態は真逆。

「もちろん、可愛い奴隷のために職場の連中に嫌な顔されながら一日中着けてあげてたんだからしっかり堪能するんだぞ、キスキル」

「はひ❤︎」

ヒモを耳に掛け、パチンとマスクが密着される。

「ふごぉ❤︎」

マスクを着けて息をした瞬間、キスキルは顔面を叩き潰されたかのような衝撃に身体をのけぞらせる。

シートベルトをしていなければ身体をぶつけてしまっただろう。

「ふごー❤︎ふごー❤︎」

ヤニと口臭と汗に加齢臭。全て染み込ませた男のマスクは車内の臭いに耐えるキスキルを軽くノックアウトさせる。

ずるりとシートにもたれかかり、放心状態になりながらもマスクが呼吸に合わせて動くのが目に見えるくらい臭いをしっかりと嗅ぎ取る。

「待てだ、キスキル」

無意識に秘部に伸びる指がピタリと止まる。

「教えただろう?オジさんの許可なくオナニーはするんじゃない。その手をしまいなさい」

男の言葉に従ってキスキルは両手をジャケットのサイドポケットに突っ込む。それを見た男は優しくキスキルの頭を撫でる。

「いい子だキスキル。家に着いたらたっぷり可愛がってあげるからな」

「すぅー❤︎すぅー❤︎」

男にしっかりと聞こえるくらい大きく息を吸いながらキスキルはうっとりとした目を男に向けて小さく頷いた。

大人しくなったキスキルを乗せて見窄らしい軽バンは夜の街から去って行った。



キスキルが男と出会ったのはゲリラ豪雨で激混みになった電車の車両内だった。

そこはマイルドに表現して腐乱臭に満ちた場所であった。雨に濡れて異臭を放ちながらキスキルの目の前に立つ男はまるで墓から掘り出されたゾンビの如しだ。

「うわクッサ」

思わず鼻を摘んでしまうほどの臭さに声を漏らしてしまうキスキル。間違いなく聞こえていたであろう男はわざとらしく身体を寄せてくる。

目の前に迫る男の股間は盛り上がり、その獣欲を主張していた。

自分に欲情し、見せつけてくる手合いにはキスキル

も覚えがある。幾人もの男を弄んできたキスキルは一歩も引かず谷間を見せつけて挑発する。

(ぷぷ、めちゃガン見じゃん…しっかしホントにクッサ)

男のいやらしい視線は慣れっこだが、ここまで臭い男は初めてだ。

(臭いものほど嗅ぎたくなるって聞くけど、マジかも…あークッサ)

キスキルは男の腐臭に混じった雄臭さに下半身がじんわりと熱くなるのを感じる。

男の臭いに身体が反応している事は認めたくないがついつい嗅いでしまう。

そうこうしている内に電車は次々と駅を過ぎていき、乗客の数が減ると周りにいた乗客は新鮮な空気を求めて別車両へと逃げていき、車両には男とキスキルしかいなかった。

(いやいや、何張り合ってるんだか)

気づけば降りる駅を乗り過ごしていたキスキルは席を立とうとする。

しかしその眼前に、剥き出しの獣欲が突き出された。

「ゔっ」

華麗な怪盗がしてはいけないような顰めっ面を浮かべるキスキル。晒された肉棒が放つ臭いは先程とは比べ物にならず喉元まで上がってきたモノを強引に飲み込む。

胃酸でひりつく喉の痛み。キスキルは男を睨もうとするが視線は肉棒に吸い寄せられる。

汗ばみ光沢のある黒ずんだ肌。キノコを彷彿とさせるカリ高な亀頭にまとわりついた黄ばんだ恥垢。キスキルに好かれるために身綺麗にした男達のものとは比較にならない汚れきった雄のイチモツ。

(お"っ、くっさ、臭すぎ、吐く、マジでヤバい)

ふるふると身体が痙攣し、臭いで感覚が麻痺する。

キスキルの意思に反して舌は恐る恐る男のモノへと伸びていき、そしてーー





「いやぁ初めてだったよ、お金も払わずに女の子とセックスするなんて」

タバコの煙を蒸し、ベッドに座った男は満足気に語る。

「中には金もらってもヤらないなんて言う子もいるんだ、おっさん臭すぎって言ってさ」

傍で息を荒げる女に、男の声は届いていない。それを知ってか知らずか男は語り続ける。

「世間に対する嫌がらせのつもりで乗った電車だったけど、キミみたいな子に出会えるなんて夢みたいだ」

男の手が女の身体を這う。何らテクも持たない男の手つきに女の身体は過剰に反応する。

いや、反応しているのは手つきではない。

女の顔に被せられているのは男の欲望を包んでいた下着。異臭を放つそれは外に出せば軽く騒ぎになるほどだ。そんな悪臭放つ下着の下で女の荒い息は止まらない。息を吸うたびに身体が跳ね、ぷしゃあと潮が噴き出す。

「オジさんの臭いをこんなに好きになってくれるなんて嬉しいよ」

むくむくと復活した肉棒を摩り、男は何度目かの挿入を行う。すっかり男のサイズに合わせた女の膣穴は抵抗する事なく受け入れ奉仕する。

「ほら、これもお食べ」

男はぺらりと顔に被せた下着を捲って姿を見せた女の口に履きっぱなしだった靴下をねじ込む。

「ふごぉお"っオ"っ❤︎ぉ"お"っ❤︎」

ねじ込まれた靴下を吐き出そうにも男に口を押さえられ、苦しそうに喘ぐ。しかし膣肉は歓喜に打ちひしがれるようにうねる。

「おおっ、臭いほど興奮するんだね、とんだど変態だなキミは」

ぱん、ぱん、ぱん、と稼いだ金を風俗に当てるしかなかった男の腰使いに女の身体は突かれる度に絶頂する。

無論普段通りなら退屈な腰使い。だが臭いという本人も知り得なかったスパイスを得て感度は天井知らずに伸びている。

口が開ければ許しを乞うほどにイカされまくり、何度目かの中出しを許してしまう。

「素晴らしい名器だ、何度でもしたいが流石にそろそろ限界か」

ゆっくりと引き抜き、ザーメンと愛液でドロドロになった肉棒を靴下の代わりに口にねじ込む。

これまでお掃除フェラはしてこなかった女は素直に舌を這わせ、自分を完全に負かしたオスの一物を綺麗に丁寧に舐めとる。

そうして女の口で綺麗になった肉棒をしまうために男は被せていた下着を取る。

その下からはすっかりトロ顔にされたメスの顔が現れる。

「よかったらまた会わないかい? えーと確か、そうキスキルちゃん」

地位も金もなく容姿も備わっていない底辺男がこんな美女にまた会うなんておこがましい。

だが男には確信があった。

本来ならいくら積もうが手に入らない極上のメスが自分の臭いの虜になっていることを。




「はは、でもまさかここまで堕ちるとは思わなかったけどな」

繁華街から離れた住宅街。その中でも一際古いアパートの一室はまさにゴミ屋敷と呼ぶに相応しい荒れた部屋だった。

食べかけのコンビニ弁当に群がる虫。溢れた焼酎で変色した畳。捨てるのが億劫で溜まりに溜まったゴミ袋の山で窓も塞がれ敷かれっぱなしで寝汗を吸い尽くした布団からは異臭が漂う。

そんなゴミ屋敷の主人である男はくたびれたタンクトップ姿でくつろぎながらビールを片手に買ったばかりの雑誌を捲る。そんな底辺男の陰毛で被われた汚らしいケツの穴を美味しそうに舐める女の姿があった。

街中で見かけた姿とはかけ離れたキスキルである。

「んじゅ❤︎んちゅ、じゅりゅ❤︎」

先ほどまで散々犯され可愛がられたキスキルは疲れた男が休憩している間も奉仕をすることをやめなかった。

日中は椅子に座って汗ばみ垢のこびりついた男の尻穴のシワから穴の中まで舌を捩じ込む。

キスキルが身につけているのは男と知り合って3回目のセックスをした際に用意するように言われた白いレオタードだ。

純白のレオタードあちこち汚れ異臭を放つ。それは男のザーメンはもちろんキスキルの愛液や潮、小水まで含んでなお一回も洗っていない。そんなレオタードには無数の使用済みコンドームが挟み込まれ、中にはたっぷりとザーメンが詰まっていた。

カス一つ残さず綺麗に舐めとったキスキル。男はおもむろに挟み込んでいたコンドームを外すと拾ってきた廃棄されていたコンビニ弁当に中身をぶちまける。腐臭とイカ臭さをミックスした汚物。それをキスキルの前に奥とキスキルは涎を垂らして男の許しが出るのを待つ。

「よし」

「はぐっ❤︎んおっ、ぇ"❤︎もぐ、もぐ」

ザーメンでトッピングされた汚弁当を美味そうに平らげるキスキル。その醜態をカメラに収める。

知り合った当初からは想像も出来ないその有様に普段周囲から見下されている男の優越感と征服欲が満たされる。

夜もふけ、眠気を感じだした男はキスキルに今日最後の命令を出す。

「キスキル、歯磨きだ」

「はい❤︎」

男の対面に座り、キスキルはその可憐な唇を重ねる。

「んちゅ❤︎じゅる❤︎ちゅっ❤︎」

キスキルはその舌技で男の歯を舐る。タバコと焼酎、そして生来の口臭の臭さを感じて秘部をびしょびしょに濡らしながら男の歯を綺麗にしていく。

たっぷり時間をかけてキスキルは名残惜しそうに唇を離す。

本当ならまだまだ男とのクッサいキスを楽しみたいが男の睡眠時間を削れない。それにキスキルも今日の仕上げが楽しみで仕方がないのだ。

「よし、こっちに来るんだ」

男が手にしたのは鼻フック、そして口を完全に塞ぐ口枷だ。

キスキルは自分で口枷を付けるとその鼻を男の前に晒す。ぐいっと鼻腔を拡げられ、端麗な美貌が醜く歪む。そこまでしてから男はキスキルの手足を拘束する。これでキスキルは鼻でしか呼吸出来なくなる。

ふるふるとキスキルは期待と興奮、そして恐怖から身体を震わせる。

キスキルは男と知り合ったばかりの頃は単純にこの男が不潔だからここまで臭いのだと思い込んでいた。

しかし違った。男はしっかり風呂に入り、服も着替え洗濯もする。その上であの臭いだったのだ。

そんな男が意図して臭くしようとすればどうなるのか?

それを一度味わったキスキルの理性が逃げようともがくが、もう一度味わいたいキスキルは鼻息を荒くする。

男が取り出してきたのは2回目に会った時に男にあげたキスキルの下着だった。男がキスキルに会えない間に肉棒をシゴくのに利用し、ザーメンをぶっかけまくって汚れたソレは吐瀉物を処理した雑巾以下だ。

「フー❤︎フー❤︎」

まだ距離のあるこの時点で感じる刺激臭。

キスキルは期待と恐怖に満ちた瞳で男を見上げる。

防衛本能からか鼻水が垂れ、ますます美人が台無しになっていく。

「キスキル、ご褒美だよ」

男は容赦なく、鼻腔を拡げられた鼻に押し付けた。

「ーーッ!? ーー❤︎!?」

秘部を突かれまくってイカされまくるのとはまるで違う、脳髄を侵食するかのような悪臭がキスキルを襲い、陸に打ち上げられた魚のようにのたうつ。

男の臭いを受け入れているキスキルですら、この悪臭は耐え難く、涙を流すが男が離すことはない。

それどころがキスキルの頭から下着を被せ、一番臭いのキツい部位を鼻腔に合わせる。

「ふごっ❤︎ぶびっ❤︎」

あまりの悪臭に鼻から吐瀉物を噴き出し、ぐるんと白目を剥いて気絶する。

男は大人しくなったキスキルのその無様な姿をまたカメラに収めるのだった。



こんな日々を繰り返しながらオジさんと離れている間は何事もなかったかのようにキスキルは自分の生活に戻る。何度もやめにしようと思っても、道ゆく男達の臭いを嗅ぐとオジさんの臭いを思い出してしまい、また連絡を取ってしまう。

完全にオジさんの臭いに依存し始めたキスキルはオジさんと会えない期間が出来ると怪盗の技術を用いてオジさんの部屋から衣類を盗み、自室に持ち帰ってしまっていた。

「すぅー❤︎くっさ❤︎オジさんのパンツくっさ❤︎❤︎」

ベッドに横になって顔にオジさんのパンツを当てがい臭いを嗅ぎながらオナニーをするキスキル。しかし自分一人ではあの臭いの暴力によるノックアウトまでは至れない。どうしても直前で身を引いてしまうのだ。

「オジさん、早く会いたいよぉ❤︎」

ふごふごとパンツに顔を埋め、まるで遠距離恋愛をする恋人のような表情を浮かべながらキスキルは疲れ果てるまでオナニーを繰り返していた。

だがある日、オジさんからのメールでオナニー禁止令が出された。

それに加えて支持された場所にあるコインロッカーから受け取ったのは貞操帯、そして鼻栓だった。

次に会うまでそれを着けておくよう命じられ、さらに幾つかの命令も添えられる。

キスキルは命じられるがままそれを身につけて証拠の自撮りをオジさんに送る。

初めてオジさんとセックスした時はまだキスキルにはプライドがあった。自分のテクでオジさんをイかせまくり、自分が上だとわからせるまでの付き合いのつもりであった。

だが2回、3回とオジさんに会うたびに臭い責めでキスキルは逆にわからされた。

連絡もオジさんからではなく自分から連絡する回数が増え、自由奔放なキスキルはオジさんに命令され服従する悦びを知ってしまった。

「んふふ❤︎」

キスキルはオジさんの奴隷になると宣言した日の事を思い出す。今思えば何故自分はオジさんに勝てるなんて思い上がっていたのか。

貞操帯の鍵をかけ、同封されていた黒いカプセルにしまってそれを飲み込む。麻薬の密輸などで使われる典型的な手の一つだ。

キスキルはオジさんがやりたい事を察し、その日が来るのを待ち侘びながらオジさんの命令をこなす事にした。


オジさんから連絡があったのはそれから一週間ほどだった。

貞操帯と鼻栓、そしてオナニーの禁止。

さらにオジさんからの命令の中に次に会う時は自分が思う不潔な格好で来るようにとあった。

だから禁止令の日からキスキルはお風呂はもちろん着替えすらせず、日中はジョギングをして汗をかき、蒸れた足を維持するためにブーツも履きっぱなしだ。

鼻栓をしているせいで自分の臭いが全くわからないが道ゆく人々が振り返る理由にキスキルが目を引く美人以外のものが含まれているような気がしていた。

相方であり友人のリィラがしばらくアジトを離れていたおかげでキスキルの奇行はバレてはいない。

原始的な書き置きを残してキスキルはオジさんに言われた場所に向かう。

今から待ち受けているのは今までの比にならない行為だと分かった上で。




「ねぇオジさん、もう鼻栓取ってもいいでしょ?」

乗り慣れたオジさんの車、珍しく後部座席に座らされたキスキルは鼻栓を見られないように付けていたマスクをズラす。

「まだだよ、もう少し待ちなさい」

いつものスーツ姿とは違い、カジュアルな柄シャツを着たオジさんにそう言われ、座り心地のよろしくないシートに身を沈める。

車に揺られ数時間、都会の喧騒を離れ訪れたのはあるキャンプ場だった。

その入り口で何か検査機をあてがわれたオジさんとキスキルが案内されたのは管理のあまり行き届いていない広場だ。

「ねぇ、さっきのは何?」

「ああ、あれは臭いを検知する機械でね。このキャンプ場は臭い客をこの広場に追いやっているのさ」

何でも昔、このキャンプ場に訪れた者から隣のキャンパーが臭いだなんだと騒ぎになり、以来機械で一定の数値を超えた客は別の場所に案内されるようになったという。

はっきりと今の自分が臭いという現実を叩きつけられたキスキルは顔を真っ赤に染める。

そんなキスキルたちが設営を始めたキャンプ場にはすでに何組ものキャンプ客が訪れている。

(ここにいる人たち、みんな臭いんだ)

機械によって弾かれた哀れなキャンプ客の姿、それは失礼な話だが確かに臭そうな外見だ。

思わずごくりと喉を鳴らすキスキル。そんなキスキルにオジさんは声をかけてきた。

「それじゃあ後はオジさんがやっておくからキスキルは周りのキャンパーさん達の相手をしてきてあげなさい」

「相手?」

「実はね、ここに来ているのはキスキルとエッチな事がしたいすけべな連中なのさ」

「えっ!?」

慌てて周囲をもう一度見る。確かにキスキルの方をいやらしい目で見ていたらしく、キスキルが視線を向けるとサッと目をそらしていく。

オジさんの説明によれば以前からキスキルとのプレイはとあるサイトで公開され、今日は本物とヤれるという触れ込みで集めたらしい。

「や、でもアタシオジさんとじゃないと」

「おいおい、何を今更取り繕うんだ」

オジさんはキスキルのマスクを奪い、つけられていた鼻栓を引き抜く。そしてそのままキスキルの顔を自分の胸元に抱き寄せる。

「ふっごぉ"❤︎」

唐突に鼻腔を突く臭い。キスキルは慣れたつもりでいたオジさんの体臭を久々に嗅ぎ、びくんと身体が跳ねる。

「キミはクッサいおっさんが大好きな汚ギャルだろう、オジさんの臭いを嗅いだだけで軽くイク変態が清純派を気取るんじゃない」

たっぷりと時間をかけて体臭を嗅がされたキスキル。ようやく胸元から離された時には完全にスイッチが入っていた。

「ほらいっておいで」

「はひ❤︎」

トロンとした目でキスキルは素直に頷き、目についたテントに向かっていった。



男はとにかく臭かった。

その臭さゆえに周囲から馬鹿にされ、それは社会人になってなお続いていた。

そんな臭いの悩みを持つ同士が語らうネット掲示板に、最近臭いフェチのギャル奴隷を手に入れたという釣りにもならない見え透いた嘘が書き込まれた。

誰もが相手にしなかったが、投稿された写真や動画で真実味を帯び始め、ある日臭い人間を隔離する事で有名なキャンプ場でオフ会をしないかという話が上がった。

男はダメ元で向かった。臭いが原因でいつも孤立していた男はソロキャンを嗜んでいたので最悪釣りだったとしても最低限気分転換になる。

そんな男の臭いが充満したテント内に、夢のような光景が広がっていた。

「ん〜❤︎ずる、じゅる、ずぼぼ、ぶちゅる❤︎」

何度もお世話になった写真や動画に写っていた本人、キスキルと名乗る美人ギャルがここ数日洗ってなかった肉棒をアイスキャンディのように貪り、美味そうにしゃぶる。

臭いフェチというのは本当だったのか、キスキルは男が脱いだ下着を鼻に当てがいその臭いを堪能しつつ、エグいフェラチオで男のザーメンを搾り取る。

「で、でるっ!」

ぶびゅっぶりゅ、ぶびゅるるるるるぅぅ❤︎

何日も溜めたザーメンがキスキルの口内に放たれる。それを一滴残さず飲み干し、げぇっぷ❤︎とザーメンげっぷする。

(き、きったねぇ)

普段周りから不潔だなんだと言われる男ですらドン引きのザーメンげっぷ。しかし類を見ない美人ギャルのキスキルが見せる汚らしい姿は真っ白なキャンバスを台無しにしていく一種の高揚感があった。

キスキルがテントに来たら前以外は使っていい。

掲示板でそう言われている男はキスキルの履いていたショートパンツを脱がせる。

万が一にも使わせないように貞操帯がつけられていたが後ろは無防備。

「キスキル、ケツマンコ使わせろ」

「すー❤︎オッケー❤︎」

男のパンツを手放さないキスキルはそのまま狭いテント内で向きを変え、男にアナルを晒す。

「うおっ」

それは外見からは想像もできない、陰毛に覆われた不潔なケツ穴だ。

オジさん好みの不潔さを学んだキスキルは毛の処理をしていない。蒸れて香るメス臭に男は怯むも縦に割れた肉厚アナルに魅せられ、ゴムも着けずに挿入する。

「んほぉっ❤︎」

美人台無しのオホ声を上げるキスキル。

オジさんにしっかりとこちらも開発されており、本気を出せばフィストファックさえ可能。

そんな拡張されたアナルだが、決して締まりが緩いなんて事はなく、僅か数度のピストン運動で男はアナルに中出ししてしまう。

「お、おぉ」

ずるりと引き抜き異臭を放つ肉棒。すかさずそれを咥えてキスキルはお掃除フェラを始める。

「んじゅる❤︎じゅる、じゅぽ、んぢゅ❤︎」

最初よりも情熱的にしゃぶるキスキル。男はあえなく3度目の射精を放つ。

「んふ❤︎なかなかよかったよオニーサン❤︎」

垂れてきたザーメンなどお構いなしにパンツを履き、テントから身を出すキスキル。おそらく次のテントに向かうのだろう。

男はキスキルを手懐けた男を羨ましがりながらもそのおこぼれに預かった幸運に感謝し、先ほどのセックスを思い出しながらオナニーを始めた。



キスキルは次々とテントを巡り、男たちに奉仕していく。

最初はキスキルにも余裕があった。しかしキスキルは自分で思っているよりも臭いに弱いとわからされていく。

「出すよ、全部飲んでねキスキルちゃん」

「んぶっ❤︎」

後頭部を掴まれ、根元まで肉棒を捻じ込まれるキスキル。今相手にしている男は体臭は平凡だが下半身の蒸れた臭いはこれまで相手をしてきた男たちの追随を許さない。そんな男が放つザーメンは粘度が高く、喉に絡みつきいつまでもイカ臭ささを口内に残している。

加えて量も凄まじく、ザーメンを一滴も零さず飲み干してきたキスキルが口の端、そして鼻の穴からザーメンを逆流させる醜態を晒す。

「んぶっ、ぶぴっ!」

ザーメンを噴き出し、何とか呼吸をするもキスキルの顔に余裕はない。テントに訪れた時の小悪魔めいた表情は消え去り、苦悶するキスキルの顔に男は益々興奮していく。

自分の体臭を嘲笑った見知らぬギャル達をキスキルに重ね、鬱憤を晴らすかのようにキスキルをイラマチオで責めたてる。今やキスキルは男の口オナホに等しい。

男の元に辿りまでに使い込まれたアナルはすでに幾人ものザーメンの蠱毒状態。不潔な男だがそんな穴に突っ込むほど男はマニアックではない。

なので洗えば使える口をメインに責めた訳だが今のキスキルにはそちらの方がクるものがあった。

「んぼぇっ、ぉ"」

下品な声を漏らしながら失禁するキスキル。貞操帯に阻まれ肉付きのよいふとももを伝ってテントの床にシミをつくる。

「あっ、しょんべん漏らしやがったなこのお漏らしギャルめ!」

男のピストンはますます激しくなり、キスキルはもう何度目かもわからない絶頂に達していた。



「ふー、ふー、あ、あと一組」

フラフラとおぼつかない足取りでキスキルは最後のテントにやってくる。

他のテントよりも一回りは大きなそれに嫌な予感がしつつもテントの中にはいる。

「おっ、ようやく来たぞ」

「待ってました」

キスキルが姿を見せるとテントの中で酒盛りしていた男たちが口々に喋る。

逞しい身体に生えたギャランドゥはキスキルが見たこともないくらいに濃ゆい。

「ほら、ボサっとしてないでこっちにきな」

男の一人に腕を掴まれたキスキルはテント中央に引き込まれ、手慣れた手付きで見ぐるみを剥がれてしまう。

別の男達によって汚れまくった身体を晒され、つい隠そうとしてしまう。

しかし両腕を掴まれ、今までオーバージャケットで隠していたモノが晒される。

「おっ、キミみたいなギャルはこの辺しっかり処理してそうなものだが…あのオジさんの趣味かな?」

キスキルの真っ白な肌から伸びたちぢれ毛。妖艶な腋の下に男達ほどではないが未処理の腋毛が生えていた。

オジさん以外に見せる気はなかったものを見られてますます顔を赤るキスキル。

しかし男の一人にテイスティングとばかりに舌で舐められビクッと反応してしまう。

「ずいぶん敏感なんだな」

「ほら俺の腋の下も嗅いでみな」

また別の男がキスキルの頭を掴んで鼻を肌が見えない男の腋へと押し付ける。

「ぷぎ!?!?」

鼻を貫く刺激臭がキスキルを襲う。この一点に限ってはオジさんを超える悪臭であった。

(くさ!くしゃすぎる!!)

思わず身を逸らしてしまうキスキルだが男達に押さえられ、鼻フックをかけられる。

「ぶっさ!やっぱ豚鼻は美人を台無しにしちまうな」

「見てみろよこの差、同一人物とは思えないぜ」

いつの間にか撮られていたこのキャンプ場にきたばかりのキスキル、まるで夏の妖精の如き美しさに比べ今の姿は養豚場の豚だ。

「ずいぶん使われてんな、ザーメン止まんないんだけど」

「これで一旦キレイにしてやるか」

男達が取り出したのは大きな注射器。その中には透明な液体で満たされていた。

(や、ば…)

キスキルの身体が強張る。

なんだかんだここまで相手にしてきた男達はいわゆる素人だった。

たがここにいるのはこういう行為を普段からしている連中であると察する。

「ほーらキスキルちゃん、カンチョーのお時間ですよ」

人差し指ほどの太さがある先端はするりとキスキルのアナルに挿入され、冷たい液体が一気に流し込まれる。

「んほぉぉぉ❤︎」

お腹に溜まる液体。丸々一本分入ったところで引き抜かれ、キスキルはもらさないように括約筋に力を入れる。

しかし続く二本目があるとはキスキルも思ってはいなかった。

「んっひぃぃいん!?」

オジさんともした事のないカンチョープレイに困惑するキスキル。

「ほらブッサイクな鳴き声だしてないでキスしよキス」

「んぶぅ!?」

片手で頬を押しつぶされたキスキルは男に強引にキスされる。拒もうとしても酒気の混じった唾液を絡められ、その臭さに脱力してしまう。

そんなキスキルに他の男達はさらにカンチョーを追加し、遂にはぼっこりとお腹が出てしまう程の量が注がれ、拳ほどはあるアナルビーズでアナルに蓋をされる。

「それじゃ効いてくるまで全員のチンポでもしゃぶってようか」

ボロンと出される猛々しい肉棒たち。どれも天にそそり立ち、キスキルの眼前に迫る。

(デッッッ!? クッッッサ!!?)

その巨根さと腐臭にキスキルはぐらりと気を失いかける。

「オラっ」

「ぎひぃっ!?」

パァンという尻を引っ叩く痛みで覚醒するキスキル。真っ白な尻にデカデカと赤い紅葉が咲く。

「気絶してる場合じゃないでしょ」

「は、いぃ❤︎」

鼻フックで拡げられた鼻腔に亀頭を押し付けられ、キスキルは尻を引っ叩かれた事も忘れて咥える。

剥き出しになった亀頭にこびりついたしっとりとした恥垢からは腐ったチーズのような発酵臭が漂い、キスキルは抑えるまもなく嘔吐する。

胃酸で喉が焼け、異臭が下から上がってくる。

胃の中身をぶちまけえずくキスキルの口に有無を言わずに肉棒が捻じ込まれる。

「あーキスキルちゃん吐いちゃったか」

「まー最初はこんなもんでしょ」

「気にしなくていいよキスキルちゃん、どうせ今からもっと汚すんだし」

「!?」




「ほら、このチンポは誰の?」

「わ、わかんない、です」

ぎゅるる、とお腹が鳴り冷や汗が止まらないキスキル。この場にいる全員の肉棒をしゃぶらされた後、目隠しをされたキスキルは男たちのチンポ当てクイズをさせられていた。ずらりと並ぶ肉棒を嗅ぎ分けようとフゴフゴと鼻息を荒くするが、今のところ正解は皆無。

教えられた名前の内一人の名前を言うがそれもハズレだった。

「ここまで外すなんてキスキルちゃんは駄犬と言わざるを得ないな」

「それじゃ全問外したキスキルちゃんには罰としてここで出してもらいますか」

視界を奪われたキスキルは男たちにマングリ返しにされ、アナルビーズの輪っかに手をかけられる。

「ま、待って!今抜かれたらマジ漏らすから」

「うるせぇ、漏らせってんだよ」

ずぼぼぼぼぼっと引き抜かれ、キスキルのアナルはくっぱりと開ききる、そしてーー



ぶりゅ、ぶびゅ、ぶりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅーー!!



溜め込んでいたモノを一気に放出した。



「うへぇ、くっせ。俺らの比にならない臭さだよキスキルちゃん」

充満する排泄物の臭い。マングリ返しの状態だったキスキルはモロに浴びて最早見る影もない。

「お、何だこれ」

そんな汚物まみれの床に転がるカプセルを男の一人が手にしてきゅぽんと開ける。中から出てきたのは銀色の小さな鍵だった。

男はそれをキスキルの付けていた貞操帯の鍵穴に入れて回す。カチンと音がなり、キスキルの秘部を守っていた貞操帯はごとんと床に落ちる。

むわりと湯気がたったかのような錯覚に陥るほどのメス臭が広がり、濡れそぼった陰毛に覆われた秘部が姿を見せる。

男達はオジさんからキスキルを使う条件の中に貞操帯をしている場合前は使用するなと言われていた。

だがこうして外れた以上、解禁という事だ。

「貞操帯の鍵を飲み込んどくとかどれだけ変態なんだよ」

「でも穴は多い方がいいしちょうど良かったな」

「他のテントの奴らもキスキルちゃんのオマンコでやりたかっただろうし呼んできてやるか」

「こんなクソまみれなテントに入れるならな」




テント内の乱交は結局夜が明けるまで続いていたようだ。

オジさんが寝袋で目を覚まし、外に人の気配を感じてテントを開ける。

そこにいたのは全裸土下座でオジさんが目を覚ますのを待っていたキスキルだった。

「……」

オジさんに見られているのに気づきながらキスキルは一声も上げずにフルフルと震えていた。

その姿はあまりにも酷い様であった。

肥溜めにでも浸かっていたのかと言いたくなるぐらい全身は汚れ、穴という穴からザーメンを垂れ流し、傍らに置いてあるキスキルの服もまた同様で、もはや服というよりは汚泥に漬けた布の塊だ。

「立ちなさいキスキル」

「は、い」

ゆっくりとキスキルは立ち上がり、その全身をオジさんに晒す。

興が乗った男達によって卑猥な落書きまでされ、その有様は公衆便所の壁の落書き以下。

初めてキスキルを見た時からは想像も出来ない姿だった。



「どうだった?今回のキャンプは」

オジさんの言葉に、キスキルはしばし考える。

帰りの渋滞にはまり、車は一向に進まないので考える時間はいくらでもある。

多種多様な臭さに興奮し、最後に至っては自分の汚物に興奮する始末。臭い匂いに完全にハマっているのは間違いない。オジさん以外の男とヤるのもオジさんの命令と思えばなんて事はなくなっていた。

だが、やはり何かが物足りない。

うーんと腕を組むとふわりと香る臭いがあった。

自分の服は最早着て帰るわけにもいかないぐらいの壊滅ぶりだったのでオジさんの着替えを拝借している。いわゆる彼ピのワイシャツだが洗剤と柔軟剤の匂いに混ざってしつこく残っているオジさんの臭いに苦笑してしまう。

「やっぱアタシ、オジさんの臭いが好きかな」

「そうかい?」

その表情はどこか安心しているようだった。

もしかしてオジさんは臭けりゃ自分がどんな男にでもホイホイついて行くのではと不安だったのかもしれない。今回はそれを確かめたかったのかもしれないとキスキルは思い当たる。

「奴隷じゃなくて恋人にしてって言うべきだったか…」

ボソッと漏らした声はオジさんには届いてなかったようだ。

キスキルはどうすれば自分がオジさんにマジ恋している事が伝わるか思案を巡らせるのだった。



エンド




Report Page