カワキからの緊急の入電

カワキからの緊急の入電

紅衣のスレ主

意:絶対に碌でもない事態の報告

(著:ハッシュバルト)

「カワキから...緊急の連絡だと...!」

私は天地がひっくり返ったように驚いた。『"あの"カワキが緊急で連絡をよこした。』その事実が影の王国に伝わった途端に皆急ぎ陛下の元へ集まった。陛下に連絡が来次第その状況に対応するためである。

「陛下の元へ繋げ!陛下の元でその通信を聞く」『り...了解いたしました!』

連絡係が上ずった声で返答したのを見送り陛下の元へ向かう

『して...カワキよ。性急に聞かねばならぬ事とはなんだ...今は現世にいるはずだが。』

『まず、現状を説明します。黒崎一護が完現術師に狙われておりその護衛を遂行していましたが、その敵組織と敵対したように見せかけた仲間である『月島』という男がいました。その男が死神である『京楽紅衣』を現世の人間である井上を囮に使い何らかの能力を使用しました。』

『京楽紅衣か...あの男も千年前はどのような手練れの滅却師をも一太刀にて斬る男であったが...千年前より、いやそれ以前から奴は腑抜けであった、数度の裏切りによる精神の『陛下、恐れながら火急の危機ですので。』分かった、続けよカワキ』

陛下が長話をし始めたところでカワキから中断を余儀なくされた。ここまでするとはいったい現世で何が...

『では続けます、その月島の能力によって紅衣の月島への態度は軟化しまるで仲間のように振る舞っています。洗脳もしくは何らかの意識の改変だと考えます。しかし、問題はそこではありません...『その能力を受けていたもしくは新たに受けた人物が自主的に全裸になっていること』それが今回連絡をいれた理由です。』

「常識、意識の改変であればそこに引っかかる部分は無いはずだが」

私が報告に対して疑問をぶつけると少しだけ間を置いてカワキは答えた

『私がその戦闘の後に黒崎一護が自宅に帰宅した際に月島はその場にいましたが...そこで月島も黒崎一護も裸に剥かれました。恐らく自身の能力に対して干渉され予想外の効果を発揮しているものと考えます。そこで瀞霊廷側に何らかの情報はないかと連絡を入れた次第です。』

そこまでを一息で言うのを聞き届けると私は直ぐに近況を纏めた物を部下に持ってこさせた。少なくとも現在時点で他に変化はない...やはり能力の改変だというのだろうか。

『カワキよ...こちらには特に異常はない。月島という男の能力に瀞霊廷の者が干渉している可能性は低い、死神の動きは...黒崎一護を再度の死神とするように動いているようだ。その京楽紅衣は独自に黒崎一護を保護していたようだがな。』

陛下がこちら側の状況を伝えるとカワキは少し考えるように俯き、すぐにこちらに向き直した

『わかりました、では解除するのは難しいと思いますので...場合によっては"敵地に潜入するために全裸になって戦場に向かう可能性があります"。武器を紛失ないし多く消費する可能性がありますので補充の準備をお願いします。では。』

............用事は済んだとカワキが連絡を切った。とんでもない爆弾発言を残して。

『カワキよ...カワキ...連絡を再度繋げよ!』

「陛下、既に連絡を繋げられない状態にあります。これ以上の問答は不可能かと」

出来得る限り冷静に私が答える。私が答えねば王国中の連絡係が死ぬだろう。

『この状況の原因である、京楽紅衣と我が父の遺体を無法に使う完現術師は徹底して滅却せねばならんな...』

獰猛な笑みを浮かべながら陛下は笑っていた。


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