カヨコバレンタインストーリー
ロッカーのラブソング
あれ。「ブラック・デス・ポイズン」の限定シングル出てたんだ。
今シーズンはほとんど新曲を出してなかったのに、急に限定シングルだなんてどうしたんだろ。見てみよう……。
バレンタインデーを狙ったラブソング?
今までガチガチのヘビメタ路線だった「ブラック・デス・ポイズン」が、どうしてこんなジャンルの音楽にチャレンジを……?
うーん、まあでも好きだし……試しに買ってみるか。
あの、このアルバムを……
従業員:(あ、「ブラック・デス・ポイズン」の限定版アルバム『恋は心臓を撃ち抜いて手に入れるもんなんだよ』ですね。)
従業員:(こちらのはバレンタインデーを記念した限定シングルですので、ご購入された皆様に特別なプレゼントをお渡ししています。)
特別なプレゼント?
従業員:(はい、購入された方には……)
チョコレート画像
従業員:(この牛の骸骨型のチョコレートを、おまけで差し上げます!)
……。
従業員:(あ、あれ?どうかされましたか?)
……いや、大きすぎて戸惑っただけ。
従業員:(そうでしたか。では、「ブラック・デス・ポイズン」の新曲と共に、良いバレンタインデーを。)
つい貰っちゃったけど……このチョコレート、どう処理しようか……?
食べるには量が多いし、ここから便利屋のオフィスまでもっていくのもちょっと……。
["やあ、カヨコ。"]
あっ、先生。
偶然だね、先生もレコードを買いに?
["まあそんなところ。"]
["ところで、すごい大きさのチョコレートだね。"]
ああ……好きなグループのアルバムを買ったんだけど、おまけでもらっちゃって。
持ち運ぶにはかさばるけど、好きなバンドのおまけを捨てるのも気が進まないし、持て余してたとこで……。
良かったら先生、これ貰ってくれない?
["カヨコが良ければ、ありがたく。"]
良かった。むしろ先生がこのチョコレートをもらってくれなかったら、どうしようかと思った。
あーその……今日がバレンタインデーなのは知ってるけど、特別な意味とかは無いから……。
これは、そういうのじゃないから。分かった?
(その後カヨコがくれた巨大な骸骨のようなチョコレートを持って、シャーレに戻った。)
(精巧に彫刻されたチョコレートは、なんだか食べるのがもったいなくて壁に飾っておいた。)
デス・ラブ
カヨコの好きな音楽グループ、ブラック・デス・ポイズンのバレンタイン限定シングルを購入するとおまけでもらえるギフト。この見た目だが、味は柔らかくて甘い。