【エ駄死】バリタチユウカ概念・ナギサ編4【百合】
グリシャの人ナギサ達の流した水と愛液の絡み合った水溜まりを、ちゃぱちゃぱと足音を立てながら脱衣場の声の主たる二人組がシャワールームにはしゃいだ様子で足を踏み入れてくる。
「へぇー!意外と広いんだねー!」
「もー!他の人もいるからはしゃいじゃダメだって〜!」
「これだけ広いんだから平気だって!じゃ、お先ー!」バタン!
「まったくもう…滑って転んでも知らないからね〜?」パタン!
…ドアが閉まり、止水栓を捻る音。そして、勢いのある二つの水流の音が新たに室内に加わる。
そんな無邪気な二人組のやり取りをよそに、最早痛みに近づきつつある秘所の疼きを堪えながら、ナギサは精一杯に快楽に震える翼を広げ、最大にしたミストシャワーの霧と共にユウカの姿を覆い隠すように壁に手をつく。
「……これで、いいのでしょう?」
「流石ね。飲み込みが早くて助かるわ…。それじゃ、声抑えててね…?」
一先ず目隠しは済んだものの、最大限に声を殺しながら冷や水を浴びせられた情事の続きを囁き合う。今更引き返せない程に加熱していた二人の脳裏に、互いに生殺しのまま止めるという選択肢は既に無かった。
触れられるのを待ち焦がれていたナギサの蜜口は、水の触感とは明確に異なる粘り気と熱で、ゆるりと入り込むユウカの指を吸い上げるかの如く受け入れた。
「くっ…あぁっ…うぅっ!」
「しっ…静かに…ふふっ…まぁ、私はバレても構わないけどね…?」
霧の向こうで妖しい笑みをたたえながらからかう卑しい女。
その指先が穢れを知らなかったナギサのナカをじっくりと蹂躙するように静かに這い回る。
「辛いの我慢できて偉いわナギサ。ご褒美に沢山慰めてあげるから…ほら…コレをヒフミの指だと思ってみて…?」
「…ひっ!?あっ、うっ、あぁっ♡イっ…ヒ、フミさ…あぁっ♡」
火照りきった身体の熱に蕩かされた理性を言い訳に、揺らめく霧の向こうのユウカの上に幻想のヒフミを重ねる。清らかで穢れを知らない彼女が情熱的に私を求めている…。
ありもしない妄想は、ぞりぞりとナギサのナカの壁を這い回る蠱惑的な指遣いと、受け入れ難い現実から目を背けた先にある強烈な背徳感によって暗示のように視界を犯してくる。
「んー?なんか言ったー?」
「えー?何も言ってないよー?」
「おっかしいなー。なんか苦しそうな声した気がするけど?」
「気のせいだって!早くしないと次の競技遅れちゃうよー!?」
漏れ出る喘ぎ声を聞き取ったのか、二人組がこちらに訝しげな反応を示したが、幸いにも気のせいで片付けられたようだ。
「ほら、ナギサ“さん”…?口閉じなきゃ…バレちゃいますよ…?」
「…っん!くっ…あっ、はぁっ、ヒフミさん…だ、めっ…♡」
「目は閉じられるのに口はダメなのね…?じゃあ、手伝ってあげるから…ヒフミの事、ちゃんと想像して?」
「んっ!?…れるっ♡ちゅる…♡」
ユウカに重なるヒフミの姿から必死に目を閉じ、声と身体を震わせながら壁を頼りに身を支えていたが、視界の闇の中すら犯し尽くすかのように口の中にも舌を捩じ込まれる。
上下の口をぬらぬらとゆっくり這い回り絡め取るような肉の動き。
いくら瞬きしようと、目の前と瞼の裏に写し出される大切な彼女の歪な幻。
抗えない快楽から達する声を出せば、誰かに気づかれるかもしれない危機的状況。幾重にも重なった想定外が、帯びた熱の許容量を超えたナギサの脳を尽く苛み、身体に走る甘い痺れは彼女の外と内を完全に支配した。
そして―――
「っ!?ああっ♡イッ…ク…んっ♡」
瞼の裏に写る幻のヒフミが、ナギサを真っ直ぐな目で情熱的に貪り濃密なキスを交わす痴態を胸に抱えながら……
否、抵抗を止めて互いの唾液に塗れた唇を交わしながら、霧の中で妖しく微笑むユウカの腕の中に抱かれて静かに果てた。
「ふふふっ…私たち相性良いかもね…?セフレの私で良ければいつでも恋の相談に乗るわよ?…ナギサ“さん”」
張りぼてのヒフミのテクスチャを刷り込みながら暗示を囁くユウカは、熱く蕩けきったナギサの蜜壷を名残惜しむように優しく愛撫しながら、抵抗も言葉も無く、うなだれて与えられる快楽を貪る天使の堕ち様に言い表せない愉悦を覚えていた。