エースとゾロの海兵if②

エースとゾロの海兵if②


・めっちゃ長くてガバガバです

・ルフィの勧誘を少し変えた内容です





↓エースがゾロを勧誘するSS

「なんだてめェ、まだいたのか ボーッとしてるとあいつらにいいつけられるぜ」

緑髪の男は、頭に巻かれた黒い手ぬぐいも相まって元から恐ろしかった人相がさらに凶悪になっていた。

「おれは今、おれと一緒に海兵をやる仲間を探してるんだ」

「てめェと一緒に海兵をやるだと? ハン……! 海兵なら海兵の中で探しな 

ここには海賊しかいないぜ わざわざこんなところまで御苦労なこって……」

「海賊なんて悪は誘わねェよ! おれは海賊が嫌いだ」

海兵だと名乗る男が顔を上げると、オレンジ色のテンガロンハットの下に黒髪とそばかすが見えた。

「__で? まさか縄をほどいてやるから、おれに海兵になれだの言い出すんじゃねェだろうな」

「別にまだ誘うつもりはねェよ お前、悪い奴だって評判だからな」

「悪い奴ね…… 言っとくがそんな条件ならこっちから願い下げだ おれにはやりてェ事があるんだ!! お前に逃してもらわなくてもおれは自力で生きのびる!! 1ヶ月ここに生きたままつったってりゃ助けてやると、あいつらが"約束"してくれた なにがなんでも生きのびて、おれはおれのやりたい事を成し遂げる!!!」

男は磔になりながらも、獣の様な殺気をこちらへ向けた。


「……そうか ひとつ質問してもいいか?」

「あ?」

「お前のやりたい事ってなんだ?」


緑髪の男は賞金稼ぎの剣士"海賊狩りのゾロ"として、ここ東の海(イーストブルー)では名を馳せていた。

「べつに賞金稼ぎが悪いっていうわけじゃねェが…これ以上に命を狙われるようなことが必要なのか?」

なぜ生まれた事が罪でもないのになぜ悪名を得ようとするのか、"正しい"人間でありたいこの男にとって、この質問は重要な事だった。

「世間でどう言われてるかは知らんが おれは、おれの信念に後悔するような事は何一つやっちゃいねェ! これからもそうだ だからおれは海兵にはならねェ!!」

一陣の風を受け、男の左耳についた三連ピアスが光を発した。

「はは! 人生に悔いは残さない……か、いいな! やっぱりおれの仲間になれよ!」

「はァ!? 人の話しを聞け!!」

「ああ 聞いてたよ おれはお前を海兵にする」

「ふざけんな!!」

明るい調子で会話を続けたため、海賊狩りは意図が分からないというような顔をした。

「考えてるよ ここにいる海賊よりかはな____そういえばお前、刀使えるんだってな!」

「!……ああ 何かに体をくくりつけられてなきゃ一応な」

何重も縄に巻かれた緑の腹巻きを見て、剣士なら当然だ、というように男は鼻を鳴らした。

「刀は?」

「取られたよ海賊に 命の次に大切な、おれの宝だ……!!」

「へぇ 宝物か、そりゃあ大事だな!!

よし! あの海賊たちからおれが刀をとってきてやる!!

そして、おれから刀返してほしけりゃ仲間になれ!」

「たち悪ィぞてめェ!!」

黒てぬぐいを頭に巻いた男は、あまりの勧誘のしつこさに若干の苛立ちを見せてきていた。


「あ、そうそう お前、3日後に処刑されるらしいぞ」

今思い出した、という顔で1番重要な事をテンガロンハットを被った男は悪びれもせず言った。

「!? ここで1ヶ月生きのびれば助けてやるとあいつらが約束を……」

海賊との約束が実際は守られていないという事実を聞き、驚きを隠せていないようだった。

「約束なんて……海賊が守るわけねェだろ!!! 海賊っていうのはな、真剣に生きてる人間を平気で踏みにじる奴らなんだよ!!」

なにがこの海兵の逆鱗に触れたのか、いままでの明るい表情が一変し鬼のような険しい表情が現れる。

「……!! な……何だと……!!!? おい待て!!」

動揺する緑髪の男の静止を振り切り、そばかす顔の男はアジトの内部へ駆け出していった。



相変わらず縛り付けられたままのゾロは、男が走っていった方向に顔を向けていた。

しばらくするとアジト内の喧騒が伝わってきた。おそらく海賊とぶつかったのだろう。すると、男とは交戦しなかったであろう海賊たちが、銃を構えて磔場に侵入してきた。リーダーのような風貌の男が処刑の日を早める旨を宣言し、こちらへと迫って来る。


(おれは……こんな所で死ぬ訳にはいかねェんだ…………!!!)

(おれには、やらなきゃいけねェ事があるんだ!!!)

絶体絶命の窮地に、ゾロの幼い頃の親友との"約束"が走馬灯のように脳裏に浮かんだ。


天国まで自分の名前が届くような世界一強い大剣豪になる。


それが、今は亡き親友との約束だった。


(約束したんだ……!!)

(おれは、こんな所でくたばる訳には…!!!!)


しかし10はあるであろうその銃身はすべてこちらを向いていた。縄を解こうともがくも、しっかりと結ばれていてすぐにも解けそうにない。

銃口が火を吹く瞬間、風を切る様な音と熱気とともにそばかす顔の男が目の前に現れた。

発射された弾丸が、たった今現れた男に当たる。


「……お前っ!!!」


血飛沫が上がるかと思えば、弾は熱で溶けたかのようにひしゃげて男の前で落ちてしまった。

「効かねェな!!!!」

こんな人間など見たことがない、とゾロは思った。銃で撃たれて死なない人間など、もはや人間では無いのではないか。

「てめェ……!!! 一体何者なんだ!!!」


その男に問う。


「おれは、海軍大将になる男だ!!!」


周りを照らす炎のような笑顔で、男は言い切った。

「ほら! お前の宝物だ 確か……」

「あァそうだ 3本ともおれのさ……おれは三刀流なんでね……」

ここで男は背負っていた3本の刀と、2つの選択肢を突きつけられた。

「ここでお前はおれと戦えば、お前は敵だ ここで逃せば政府にたてつく危険人物になるかもしれねェ そうなれば、“偉大なる航路”(グランドライン)や新世界の果て……どこへでもお前を追い続ける お前の言う野望を阻止するように動く……それともこのまま死ぬのとどっちがいい?」

黒髪の男は、こちらから一歩引いたところで尻込みしている海賊たちに視線を送る。

緑髪の男もその視線を追う。

「てめェは悪魔の息子かよ……まァいい……ここでくたばるくらいなら、なってやろうじゃねェか……海軍将校に!!!」

魔獣の目は真っ直ぐと前へ向いていた。

「仲間になってくれんのか!!」

待ってましたと言わんばかりに黒髪の男は声を弾ませる。

同時に、腕や腰に巻きついていた縄や背後の木が勢いよく燃え始めた。

「あっつ!!! さっきからなんなんだこの火は……?」

すると遠巻きに様子をうかがっていた海賊たちが、今度は銃ではなく剣を構えて再びやってくる。一斉に10本の刀が2人に迫るが、その刃が届くことはなかった。

なぜなら、3本の刀を受け取った緑髪の剣士____ロロノア・ゾロによって全て受け止められてしまったからだ。

鉄と鉄がぶつかり合う音が吹き抜けに大きく反響する。

緑髪頭に黒い手拭いを被り、口に白鞘で直刃の刀を咥えて両手にはそれぞれ黒鞘の刀を持つ。これが、この“海賊狩りのゾロ”の扱う剣術、三刀流だった。

ゾロは斬りかかった海賊たちを一瞥し、会話を再開した。

「入ったら、おれがトップになってもいいんだな?」

「ああ! 実力があればな!!」

「そうか……海軍には入ってやるよ……"約束"だ!! だがいいか!! おれには野望がある!!!


世界一の大剣豪になる事だ!!!!」


ロロノア・ゾロという己の名を世界中に轟かせる事、それは親友との誓い。そして、今この男とした"約束"。


「さそったのはてめェだ!! 野望を断念する様な事があったら、その時は腹切っておれにわびろ!!!」

それに応えるように目の前の男____ポートガス・D・エースは言葉を続けた。

「いいねえ 世界一の剣豪!! 海軍大将になるなら、それくらいなって貰わねェとおれが困る!!!」

「ケッ言うね」

随分と先の未来を見てきたかの様に、男たちは夢を語る。

「しゃがめゾロ!!」

エースはそれまで緊張状態にあった海賊たちに狙いを定めた。

大きく振りかぶる腕に、ゾロはタイミングを合わせる。

「火拳(ひけん)!!!!」

芝生色の頭を掠め、特大の炎となった腕が周り一面を焼き尽くした。先程までの炎の正体はエースだったのだ。

「てめェは一体……!!」

「おれはメラメラの実の能力者!! 

そして! 燃え盛る"正義"を掲げる男だ!!!」


この2人が組めば、もはや敵などいない。まるで船を襲う嵐のように、視界に入る者全てを薙ぎ倒していった。

__ここ東の海(イーストブルー)で、"火拳のエース"と"海賊狩りのゾロ"のコンビがここに誕生した。




(焼き鬼斬りもとい炎分ソード系の技が増えそう)

(この後は出来るだけ本編"麦わらの一味"のルートを外したくないので毎度ファンタジスタや独自の情報を掴んで協力したりギリギリ出会わなかったりするイメージでした)

(エニエスロビーでは鮫の仮面を被ったざんげき島のざんげキングがいたらいいなと思います)

(くいなが一味に入ってるさらにifとかも面白いかもしれない)


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