エルフムダ話2

エルフムダ話2

リース

さて、今日はお待ちかねな食の話じゃ

妾も後回しにしようか少し迷ったぞょ

…んで、これは後書きじゃが流石に妾も気付くくらい洒落にならぬほど長引いたので"狩猟"と"調理"で一旦分けるぞょ。改めて言うがコレはただのムダ話じゃからの。


まず前に軽く話したのは"エルフが食糧を主に狩で調達する狩猟民族"ということと、"ニクガン(正しくはミートガン,肉食主義者)"が多いということじゃったな。


ちょっと先に訂正しておくと、エルフに肉しか食わん者は居るっちゃ居るが人間で悪目立ちするタイプのニクガンやヴィーガンほど極端な奴はそういないぞょ。まぁ例外を知らん訳じゃないが…

"ないから食わない"んであって"あっても食わない"わけではないのじゃ。出されりゃ食うし、食わせんようにしたりせん。その辺悪い意味で人間を甘く見ておったぞょ…


さてと、前置きはほどほどにして、

まずは狩りの話じゃ。森のものどもを獲って食うのじゃが、前にも話したようにコイツら超強い。人間がエルフの森に来ない理由の半分はコイツらじゃからな。

当然妾が狩りに参加できるわけないからこれは経験談ではないということじゃ。

よく狩られておったのは人間が謂う雄牛じゃ。

サイズは2〜3倍で、木が主食じゃから木を折り齧って食えるほど硬い歯と角を持ち、そして無意識に魔法を使ってくる以外は牛と同じ…まぁぶっちゃけ牛の姿しただけで象と大して変わらんのぅ。

まず筋肉の密度が高すぎて人間の銃は効かん。

いわゆるマグナムでようやく手傷を負わせられるくらいじゃろうが…大問題として"群れる"からそれだけでは敵わぬし、そもそも森で火薬は貴重じゃから一々狩りに使えぬ。


そして、人間のよくイメージする通り、妾たちエルフは弓を使う。それは合っておる。じゃけどあんな棒切れじゃないぞょ。

『木を』弓にするのじゃ。

魔法で一時的に木や弦をよくしならせて『樹木をそのまま曲げて』弓を引き、解除して生まれる爆発的な張力で矢を撃つのじゃ。方法は2通りある。

木と木の間に蔓の弦を通してパチンコのようにする方法と、

木の頂点と幹を蔓で結びその場で即席の弓を作る方法じゃな。

どちらもマトモなものを作る技術は職人技という他ないし、

まぁご想像通り普通は当たらん。それを"なぜか当たる"よう森に祈るのが聖職者の仕事じゃ。じゃから、エルフの狩りは基本的に2人1組で行動する。

まぁ単体で雄牛と渡り合えるバケモノみたいな奴は例外にチラホラ居たがの。


…で、そんな矢は目撃談として装甲車もブチ抜く。当然雄牛もタダでは済まん。

…正直なんで生きてることがあるか検討もつかぬぞょ。

で、下手に反撃を許すと象のサイズが生む大出力の魔法で暴れ回るから、周辺の木も草も薙ぎ倒されてメチャクチャになる。そうなった禿げ地はもう暫く他の獣が寄り付かんからすごく困るのじゃ。

しかもヤツらは撃たれたら一撃で軌道を読んで、コッチを確実に捕捉してくるそうなのじゃ。正面から戦う場合に勝ち目が普通はないことくらい言うまでもないな。


じゃあどうするかというと、

「奇襲の一撃で全火力を一頭に集中して確実に仕留める」のじゃ。

幸い相手は知性も牛じゃ。即死した獲物を弔い合戦したりはせず、流石に見捨てて逃げる。それでも足跡で進路はメチャクチャにされるがの…


仕留めたのは一頭じゃが、質量比は人間規格の24倍、凡そ10tの牛じゃ。村の者を全員満腹にさせて、それでもまだ全然余るくらいはある。

この時酒を木にかけて成功を祝い、自然に感謝するのが慣例じゃ。まぁちょっと残して飲むアホがその後の運搬でベロベロになっとるのもしょっちゅうじゃけどな。


…さすがに長引いてしまったのぉ

すまぬ。調理はまた明日にさせてくれなのじゃ。


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