エルフの冒険
私たちエルフは他種族と比べて長すぎる寿命を持つ。仮に私たちが他種族と気のいい友人や背を預けれる仲間、もしくはかけがえのない恋人になったとしてもすぐに失うことになってしまう。
だからエルフは同朋を大切にする。置いていかないで住む人を、共に同じ時間を生きてくれる人を…
そういうわけでエルフは滅多に森の外に出ないのだがもちろん例外は存在する。
私だ!!
長老さま曰く20年に1人ぐらいの割合でそういうエルフも出るらしい。そこまで珍しくもなく、私の外の世界で旅をしたいという願いも私が何回も止めても絶対に聞かないと判断されるとあっさり許可を出してくれた。
ここから私の冒険が始まる…
はずだったんだけどなぁ…
同朋を大切にするエルフの中で育った私は人の悪意というものを理解しきれてなかったらしい…
騙されて奴隷屋に捕まってしまったのだ… 幸いにも檻がそこまで頑丈ではなかったので魔法で壊して逃げてきたのだが、あいつらにボコボコにされてしまった…あいつら覚えてろよ…
今いるのはこの町のスラム… それもほとんど人がこなさそうなところだ。
身ぐるみ剥がされ一文無しな上に、その辺にいるごろつきや奴隷屋の追っ手が来たら厄介なことになる…
どうしよう…
そんなふうに考え込んでいたせいだろうか?
私は足をいきなり掴まれるまで後ろの存在に気づかなかった。
「キャッ!えっ…何!?もうだれ…」
「グギャ!ギャギャ、ギャッグッッ!!」
緑の肌に低い身長、髪のない禿頭…
醜い見た目の小人…ゴブリンだ…
いくらスラムといっても町の中であるここにいるはずのない存在がいた。
「は…?何でこんなところにゴブリンが?
…クソッ、離せ!!」
「グギャギャッ!?」
足を掴んでいたやつに魔法を直撃させるとそのままいつのまにか周りを囲んでいたゴブリン共にも撃っていく。
…もっとも人気のない道で完全な奇襲を受けたのだからそれはただ連れ去られるまでの時間が少し長くなるくらいにしかならなかったが…
押さえつけられた私はそのまま町の地下に通じる道に連れ去られてしまった。
(なんで町の下にゴブリンの巣が…?上の人達は把握してるの…?)
そのまま巣の奥にある一つの部屋に連れていきその中に私を押し込めるとそこにはすでに一人先客がいた。その姿と様子を見て私は理解してしまった。次は私がヤられる。
そう思ったところでこっちにきたゴブリンのうちの一匹に頭を掴まれ、無理やりそいつの逸物を口に入れられてしまう。
「や…嫌…!んぶぅ!?」
「げひゃひゃひゃ!」ジュブッ!ジュプッ!ジュチュ!
「んぐっ!?お"ふ"っ、お"ヘ、ォこ"…!!」
「い…ぎひひひひ…!」ドクルブュプフルルルルドビュグルルル!!!
この後私の初めては奴らに奪われた…
初めての行為も、キスも、フェラも、
…そして初めての妊娠も。
お腹の中で赤ん坊が動いてるのがわかる。
このお腹のゴブリンは生まれた後にどうなるんだろ?
やっぱり誰かを襲って略奪をくりかえるような子になるのかな?
もしかしたら私の血のお陰で魔法が使えるようになるのかな?
できることなら…誰かを襲ったりしない、誰も傷つけない優しい子が生まれてきてくれたらいいな…
[夢幻子宮ゴブリンが誕生しました。]