エランさんには勝てなかったよ…
ベッドの上に二人、向かい合って正座する。
様々な紆余曲折を経て想いを通じ合わせた恋人同士がベッドの上でする──にしては、お互いの表情は険しい。
エランはいつもの無表情ながら、けれど見る人が──スレッタが──見れば、これは何か深く決意して譲らない時の顔だと分かるものだし、スレッタはいつもふにゃりと下がり気味の丸い眉をきりっと吊り上げて、まるでこれから一世一代の大勝負をする、とでもいうような顔をしている。
ぐっと険しい表情になったエランが、重々しく口を開いた。
「──スレッタ・マーキュリー。君に、決闘を申し込む」
「う、受けて立ちます!」
二人はむっと相手の顔を見つめると、その険しい表情のままぎゅうっと抱きしめ合った。
「好きだよ、スレッタ。大好きだ」
「う、うぅぅ〜〜〜!ま、負けません…負けませんから……!!」
「大好きだよ。……愛してる」
「うぅ〜〜〜!」
ぎゅうぎゅうとエランに抱きしめられながら耳元で囁かれる言葉に、スレッタはぶんぶんと頭を振って身悶えた。──これはまずい。旗色が悪い。決闘開始から僅か数分で敗色濃厚になりつつある。
(負けない、負けないもん……!)
ぎゅっと目を瞑って、心の中で負けるものかと唱える。絶対に負けない。負けるものか。
勢いをつけてばっと振り返り、背後から自分を抱きしめているエランの唇目掛けて口付ける。微かに見開かれた緑色の瞳に、スレッタは決意を新たにした。
「絶対、私がエランさんを気持ち良くさせて、めろめろにさせますから!」
「……それはこっちの台詞だよ」
そう宣言すると、二人はお互いにちゅうと口付け合った。
──これは、どちらが相手をより気持ち良くさせてメロメロにさせるか、お互いの意地とプライドと愛を賭けた決闘なのである。
(中略)
(う、うぅ〜〜!このままじゃ負けちゃう…!なんとか反撃しないと……!)
エランに抱きしめられ、ちゅ、ちゅと口付けを落とされながら、スレッタはぎゅっと目を瞑って必死に反撃の機会を窺った。何か、何かないか。エランに隙を作れるようなことは──そしてスレッタは、自分がとある準備をして今日のお部屋デートに臨んでいたことを思い出した。
(そうだ!これなら……!)
反撃の糸口を見つけ、スレッタは目を輝かせる。一瞬の隙を突いてエランの首に腕を絡めて抱きつくと、その耳元に唇を寄せた。
「あの、私、…お薬、飲んできた、ので」
「……?どこか悪いの?」
心配そうに眉を寄せるエランにすり、と身体を擦り付け、スレッタはその耳元にちゅう、と唇を落として囁いた。
「避妊薬、飲んできた、ので…♡ゴム、しないで、抱いてください、あなた……♡」
「……っ!?」
ばっと顔を離したエランが、信じられないものを見るようにスレッタを見つめる。その頬がじわじわと紅潮するのを見て、スレッタはにま、と顔を綻ばせた。
「えへへ…♡……興奮、してくれましたか?」
「きっ、みは…!本当に、意地が悪い……っ!」
赤くなった顔を隠すように口元に手を当てて睨んでくるエランが可愛らしくて、スレッタはにんまりと頬を緩ませた。
赤く染まった頬にちゅう、と口付けて、はむとエランの耳朶を喰む。
「えへ…かわいーです、あなた……♡」
「スレッタ……!」
はむはむと耳朶を甘噛みすれば、エランはびくびくと身体を震わせる。その姿に、スレッタは勝利を確信した。これなら勝てる。前回のように、エランをちょーぜつテクニックでメロメロにしてやるのだ。あの時のように、エランをとろとろにしてやるのだ。
えへん、と胸を張り、スレッタは自信満々に宣言した。
「ふふん…負けませんよ。だってあの時、エランさんは私の中に入った瞬間にイッてましたよね?わ、私も一緒にイッちゃいました、けど……でも、エランさんの方が先だった、はずです!つまり、私の方が"気持ちいい"には耐性があるってことです!」
私は絶対、"気持ちいい"なんかに負けません!
♦︎♦︎♦︎
「ひ、ひゃううぅう♡!らめ!らめ、あぅ♡♡!えらんしゃ、らめ♡ぁ、ああーーーーーーっ♡♡!!」
全身をがくがくと震わせて、スレッタは甘い悲鳴を上げた。視界は白く点滅し、とろりと蕩けて弛緩してしまっている身体をベッドに投げ出して、スレッタはされるがままに快楽の渦に堕とし込まれていた。
(あ、うそ…♡わたし、もうなんかいもイッちゃってる……♡♡)
「またイッたね。これで何回目?」
「イッてない、れす♡!ぜんぜん、イッてなんか……ひゃう!あっ、あぁ、…♡!」
どこか楽しげにも聞こえる声で問われて、スレッタは涙の滲む目でむっとエランを睨んだ。イッたなどと認めるわけにはいかない。それではスレッタの負けになってしまう。絶対に自分がエランを気持ち良くさせ、めろめろにしてやるのだ。
そんな決意を込めて睨んだ瞳は、けれどすぐに快楽に溺れて溶けていく。もうスレッタの秘部はどろどろに蕩けていて、好き勝手にナカを蹂躙するエランの指に媚びるばかりだ。
「……本当にイッてないの?気持ち良くない?」
「イッて、ないれしゅ♡!あっ、ひゃう…っ♡き、きもちよく、なんか、ないれす♡!」
「……そう」
つん、とそっぽを向いて、必死に言い切る。そんなスレッタの姿に、エランはすうっと目を細めた。
「あぅ…っ♡!あ、ふぇ……?」
ぐちぐちとナカを弄っていた指を引き抜かれ、スレッタはぱちぱちと瞬きした。濁流のような快楽を与えていたエランの手を名残惜しく見つめていると、その手はスレッタの太腿をぐいと大きく開かせる。
露わになった秘部にエランがそっと顔を寄せたので、スレッタは飛び上がらんばかりに驚いた。
「えっえらんさん!?なにして…あっ、ひゃあぁぁあ♡!あっ、あぅ!らめ!やらぁ♡!」
ぬる、と温かく柔らかい感触を秘部に感じて、スレッタの身体がびくりと跳ねた。指よりも熱く柔らかいそれが、ゆっくりとナカを拓いていく。時折じゅる、と吸い付かれて、スレッタは力の入らない手でエランの頭に縋りついた。
「らめ、らめぇ♡!それらめれしゅ♡!やあっ…!き、きたない、かりゃ、あぅうぅっ♡♡!す、すっちゃらめ…♡」
「ん、……汚くないよ、すごく綺麗だ」
「やらぁ♡!らめ、らめなの…♡そんなの、しちゃ、あぅ!ひゃあぁっ♡♡!」
「君だって僕のものを舐めたじゃないか。僕にだって舐めさせてくれなきゃ不公平だ」
「あっ、あぅ……♡そこれ、しゃべりゃないれぇ…♡あン、あっ、ご、ごめんなしゃ……♡」
ぺろ、とエランの舌がスレッタのナカを舐め上げていく。自分よりも舌が長いことはとうに知っていたが、こんなことでそれを再度実感するとは思わなかった。
ぷくりと立ち上がった花芯を舐められ吸い上げられ、スレッタは大きく仰け反った。
「ひぅ…っ♡!あっ、らめっ♡あン、♡ぁ、な、なんか来ちゃいます、♡あっ、あぅっ、あぁーーーーーっ♡♡♡!!」
「……っ!」
身体中を駆け巡る甘い痺れが下腹部に集まり、ばちりと弾ける。頭の中が真っ白く染まり、スレッタはエランの顔をぎゅうと太腿で挟み込んで絶頂した。
びしゃり、と音がして視線を上げれば、エランの顔に透明な液体がべっちゃりとかかっているのが見えて、スレッタはひっと息を呑んだ。
「あ、あぁ…っ!ご、ごめんなさ、…!わたし、わたし……!」
顔を青褪めさせるスレッタの眼前で、エランがぐいと乱暴に拭う。手についたそれを見せつけるように舐められて、スレッタは泣き出した。
「や、やだぁ…!そんなの、舐めないでください……!」
「どうして?これが君の味なんだと思ったら、すごく甘くて美味しいけど」
君だって前、そう言って僕のを飲んだよね、と意地悪く言われてしまって、スレッタはひっくとしゃくり上げた。いじわるしないでください、と震える声で告げれば、慰めるように眦に口付けを落とされる。
そのままちゅ、ちゅと顔中にキスをされて、スレッタはふにゃりと身体を弛緩させた。
「……でも、これで観念したよね。君の負けだよ」
「ま、まけてない!れす!」
「……え?」
むん、と唇をへの字に曲げて、スレッタは意地を張った。言い訳にしては苦しすぎると理解していても、どうしたってスレッタには負けられない理由があるのだ。
「……これでもまだ、感じてないって言うの?」
「ぜ、ぜんぜん、感じてなんかない、れす!きもちいい、なんかに、負けてなんか、ないれす!」
「……ふぅん」
すう、と細められた緑色の瞳に射抜かれて、スレッタはびくりと身体を震わせた。それでも、なんとしても敗北を認めてたまるものかとそっぽを向く。ぜんぜんへいきれす、と口を開いた瞬間、エランがその唇を塞いできた。
「ん……っ!む、むぅ…♡あ、んン……♡」
「ん…、嘘を吐く子にはお仕置きだよ、スレッタ」
「ふぇ…♡おしおき、……♡?」
低く囁かれる言葉に、全身に甘い痺れが走る。逃げなくてはいけない、このままではまずい、と頭は警鐘を鳴らすのに、蕩け切った身体は期待するようにふるふると震えてしまう。
とろりと溶けた瞳で見上げてくるスレッタに見せつけるように、エランはスラックスの前をくつろげ、高く聳り立ったものを露わにした。
「あっ…♡え、らんしゃん、の……♡♡♡」
「……ゴム、しなくていいんだよね」
「え…、あ、まって、まってくらさい!まって、あぅ♡!」
びきびきと血管が浮き出た凶悪な容貌のそれから、少しも目が離せない。うっとりと眺めているスレッタに言い聞かせるように、形だけの確認がされる。
静止の声もままならないまま、避妊具越しではない生の剛直を擦り付けられて、スレッタは甘い悲鳴を上げた。
「あ、あぁっ♡!あ、あン!ひぅ……っ♡あ、な、なに、?あっつい、よぉ……♡!」
どろどろに蕩けている秘部に直接昂りを擦り付けられ、その熱さに火傷しそうだ。とろとろと蜜壺が悦びに泣き、さらに蜜を溢れさせるのが、自分でもはっきりと分かった。
(あ、♡これ、だめ♡へんになっちゃう♡♡おかしく、なっちゃう♡♡♡)
ほんの数ミリの薄い膜が無くなっただけで、こんなにも違うのか。ただ入り口を擦られているだけなのに、自分でも分かるくらいに身体がどろどろに溶けていくのを感じて、スレッタは手足をばたつかせて抵抗した。
「ら、らめ!ちょくせつ、らめ♡!や、やっぱり、ごむ、してくりゃさ、ひゃうぅうう♡♡!」
「今更、聞けるわけ、ないだろ……っ!」
「ん、ンぅ、〜〜〜♡♡!んむ、ふぁ…らめ、らめなの……♡」
必死で手足を暴れてさせても、快楽に溶け切った身体は碌に力が入らない。ぐい、とエランに簡単に押さえ込まれてしまい、その力強さにまたくらくらとしてしまう。
抵抗したことを咎めるように荒々しく口付けられて、スレッタは泣きながら舌を絡ませた。
「ん、んぅ…♡!らめ、ごむ、してくりゃさい、♡らめ、らめれす……♡」
「嫌?……本当に?」
「え……?」
エランの緑色の瞳に覗き込まれて、スレッタはとくんと胸が高鳴るのを感じた。吸い込まれそうなほど近くにある緑はぎらぎらと輝いていて、エランが興奮しているのだと如実に示している。
「君が、本当に嫌ならしない。……けど、そうじゃないなら」
「あ、」
「やめて、あげられない」
「…………♡♡♡!」
耳元で囁かれる低い声に、身体がびくびくと歓喜に震える。ぎらついた緑の瞳に射抜かれて、下腹部がきゅんきゅんと甘く痺れる。意地を張る心とは裏腹にどこまでも素直な身体は、とろとろと蜜を溢れさせてエランを待っている。
ぽろぽろと涙を零しながら、スレッタはエランの首筋に腕を回した。
「……いやじゃない、です、……あなた…♡♡♡」
「うん。……ありがとう」
入れるね、と静かに宣言されて──瞬きの間もなく、スレッタの身体は燃えるような昂りに突き刺された。
「あ……っ♡ひ、ひゃあぁぁあぁああーーーーーー♡♡♡!」
「ん、ぐ…っ!スレッ、タ……!」
「〜〜〜〜〜〜♡♡♡!」
なんの隔たりもない生の熱に身体を貫かれて、スレッタは大きく仰け反って絶頂した。びしゃ、と音を立てて大量の愛液が秘部から吹き出るのにも気付かずに、スレッタはがくがくと痙攣しながら多幸感に包まれていた。
(あっ、あぅ…♡しゅごい…♡これが、エランさんの……♡♡♡)
溢れた体液でぐっちょりと濡れたスレッタの顔を舐めとるようにキスをしながら、エランが嬉しそうに言う。
「また潮を吹いたんだね。かわいい」
「やらぁ…♡ちがう、ちがうもん……♡」
「こんなにイッてるのに、まだ負けを認めないの?」
「イッて、ません♡まけ、ないもん……♡」
ぱちぱちと点滅する思考で、なんとかそれだけは認めるわけにはいかないと意地を張る。つん、と横を向いた顔にぽたりと水滴が落ちてきて、遅れてそれがエランの汗だと気付く。
エランも興奮しているのだ、と思った次の瞬間、がつりと腰を掴まれた。
「なら、認めてさせてあげる、よっ!」
「ひゃ、ひぅううぅう♡!あっ、そんにゃ、きゅうにしちゃ、らめ♡!あン、あっつい、あぅう♡!」
ごつごつと最奥を穿たれて、スレッタはびくびくと身体を震わせた。少しでも快楽を逃そうと手足を暴れさせても、一瞬でエランに組み敷かれてしまう。
「あぅ♡あっ、ひゃうっ♡!しゅ、しゅごいれす♡やぁ♡こわれちゃ、こわれちゃいましゅ…っ♡♡!」
「ぐ…っ!すごい、ナカが畝って…は、ははっ…!スレッタ、スレッタ……っ!」
ナカが貪欲にぐにぐにと畝り、エランの剛直に媚びて口付ける。腰が激しくぶつかり合う度に、どろどろに蕩けた秘部から蜜が溢れ出る。
限界が近いことを感じ取って、スレッタは悲鳴のような嬌声を上げた。
(このまま、なかに、だされたら……!)
「も、らめ♡らめれしゅ♡!ぬいて、くらしゃ!なからし、らめ♡♡!おかしく、なっちゃ……♡♡」
「うそ、つき…っ!なら、この手足は、なんなの、……っ」
「えっ、あぅ♡ち、ちがっ♡ちがうもん♡こりぇは、からだがかってに、あぁっ♡!」
指摘されて、スレッタは自分の手足がエランに強く絡みついていることに気が付いた。足はエランの腰にぎゅうぎゅうと絡みつき、腰は激しく揺れ、全身で射精を促している。雌の本能が身体を支配し、脳味噌まで溶かしていく。
「スレッタ、!うそ、つかないで…!僕のこと、すきって言って……っ!」
「あぁ…っ♡しゅき、しゅき♡!らいしゅき♡♡らして、くらしゃい♡えらんしゃ、しゅきれす♡♡なからし、して……っ♡♡♡」